やじうまミニレビュー

デザインフィル「グラスルーラー」

~強化ガラス製の高品質な定規
by 伊達 浩二


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


デザインフィル「グラスルーラー」

 “この製品が欲しい”と思う理由の一つに、素材に惚れる、ということがよくある。たとえば、マグネシウムなどの軽金属や、炭素繊維を元にしたカーボンコンボジットなどが、その例だ。

 そういう例の1つが、「強化ガラス」だ。素材に強化ガラスを使用していると聞いただけで、透明度が高く、硬質なガラスのイメージが広がり、その製品に対する関心が1ランク上がる。強化ガラスはもともとは航空機の風防に使われていたという知識があるので、そういう印象を持ってしまうらしい。また、ガラスは、カメラや望遠鏡など精密光学機器のレンズにも使われており、精密感も感じさせる。

 今回紹介する、デザインフィルの「グラスルーラー」は、強化ガラスを使った定規。ガラスという素材のイメージに大きく寄りかかった製品だ。


メーカーデザインフィル
製品名グラスルーラー
購入場所楽天市場
購入価格2,940円

 製品は、ごくあっさりしたパッケージに収められており、一見したところでは、樹脂製の普通の定規と見分けがつかない。手にしてみると、ガラス特有の重さと冷たさで、初めてそれと気が付くほどだ。本体は通常の定規よりも厚みがあり、重さは実測で49gもある。ペーパーウェイトとしても使えそうなぐらいだ。

 製品の特徴としては、目盛りは白と黒の2色で刻まれており、白い紙の上だけではなく、黒い背景の上に置いたときでも、長さが読み取りやすくなっている。強化ガラスは傷が付きにくいので、カッターを使うときにも向いている。

厚みのある本体と、ガラス素材らしいカット白い素材の上でも黒い素材の上でも目盛りが読み取れる

 強化ガラスというのは、通常のガラスを熱処理し、急激に冷却することで強度を上げたものだ。航空機以外では、自動車のドアやルーフのガラスに使われているし、身近なところではガラステーブルにも使われている。ガラステーブルの素材というとありがたみは多少下がるかもしれない。


軽く叩くと、「ゴンゴン」という重い音が鳴り、ガラス素材であることが分かる

パッケージ背面の製品説明。強化ガラスの説明が中心

 また、強化ガラスの特性として、割れるときは粉々に割れる。割れたときの破片は尖っていないので安全性は高いのだが、細かい破片が目に入った例もあるので、幼児には与えない方がいいだろう。持ち歩くときは、付属の起毛素材を使った布製ケースに入れた方が良い。

 実際に使っていると、冷たい感触と、本体の重量感で、普通の定規とは違うことがよくわかる。ただし、約3,000円という価格を考えると、もう少し高級感がほしい。ペン立てに入っていると、普通の定規のように見えてしまうのだ。強化ガラスなので難しいのかもしれないが、一部に凸レンズを組み込むとか、切子細工のようなカットを入れるというのはどうだろう。

 また、15cmだと、ちょっと用途が限られてしまう。30cmの製品があれば、ずっしりとした重さと、プリズムのようなカットを生かすための厚みができて、ガラスという素材の良さが出るはずだ。

 最後に、プレゼント用途に使うことを考えると、もう少しパッケージにありがたみというか重みがほしい。万年筆などの筆記用具セットを入れる蓋付きのケースだと、パッケージを開ける際の楽しみがあって良いだろう。筋の良い魅力的な製品だけに、演出面も含めて大事に育てていってほしいと思う。

シンプルなパッケージ。黒いのは専用ケース同じく注意事項。やはり6歳未満の子供には与えるなと書かれている


2010年 8月 12日   00:00