やじうまミニレビュー
もう枯らさない! 植物の手入れをスマホで管理
by 藤原 大蔵(2015/6/16 07:00)
せっかく買った観葉植物や鉢植え、栽培した家庭菜園を、ついダメにしてしまった経験はないだろうか? 植物を元気に育てるには知識に基づいた正しい手入れが必要だ。
そこで今回は、手持ちのスマートフォンなどで、栽培中の植物の状態が管理できる、モダニティの「Parrot Flower Power(パロット・フラワー・パワー)」を紹介しよう。
メーカー名 | モダニティ |
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製品名 | パロット・フラワー・パワー |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 7,344円 |
フラワー・パワーは、本体に太陽光量、外気温度、肥料濃度、土の湿度を計測する4つのセンサーを搭載する栽培グッズだ。計測された情報はBluetoothで、公式アプリをインストールした手持ちのスマートフォンやタブレットに送信され、植物の状態を管理することができる。
公式アプリは無料。アカウントを得ると、植物研究機関監修の7,000種以上のデータベースが閲覧できるようになる。さらに、フラワー・パワー本体が得た状況をデータベースと照らし合わせて分析し、最適な手入れ方法をアドバイスしてくれる。
準備は2つ。取り付けとアプリの設定はどちらも簡単
フラワー・パワー本体は、枝の形を模したデザインで、4つのセンサーを備える。プラスチックで覆われた上部、白いドームに覆われた所が「明るさセンサー」で、その下に「温度センサー」が組み込まれている。金属の黒い部分は土中に挿し込むところで、シルバーのリベット部は「肥料センサー」、その下が土中の「湿度センサー」だ。
本体の大きさは、67×19×190mm(幅x奥行きx高さ)で、土に挿し込む黒い部分は長さ89mm。黒い部分は全て土中に挿し込んで使うので、鉢植え場合、土の深さは100mm以上必要だ。
まず本体に付属の単四形乾電池を装着する。正しく装着すれば、明るさセンサー内部のランプが数秒間点滅し、通電を知らせる。スイッチは無い。
次に、フラワー・パワー本体を植木鉢やプランターに垂直に挿し込む。注意点は、本体の黒い部分が土中に隠れるまでしっかり挿し込み、明るさセンサーが葉の影に覆われないようにすることだ。挿し込んだら、本体と土が十分密着するように水を十分に与え、挿入時にできるセンサー周りの空気の穴を塞ぐ。
今回は、我が家の鉢植えのピースリリー(観葉植物)に設置した。鉢の深さは140mmだ。
続いて、無料アプリケーションをスマホなどにダウンロードする(対応機種は、公式HPページで確認できる)。
手持ちのiPhone6 Plusにアプリをダウンロードし、メールアドレス、パスワードなどを登録した。フラワー・パワーのデータの送受信のために、スマホ側の設定画面でBluetooth機能を有効にしておく。
アプリを起動すると、スマホのBluetoothが働き、利用できるフラワー・パワーを検出する。検出されたら画面をタッチして、それを選ぶ。
アプリの表示画面の左下方の「マイガーデン」押すと、初期登録画面に切り替わり、その画面右上の「+」ボタンを押して「新しい植物」として設定を始める。
設定は6ステップ。1つずつ順を追うだけで簡単だ。
1. 対象となる植物の写真をスマホで撮影する(またはスマホのフォトギャラリーから選択)
2. 植物に任意の名前をつける
3. アプリのデータベースから、対象の植物を探す
4. Bluetoothで受信しているフラワー・パワーを選ぶ
5. 鉢植えか、地面に植えているかの環境を選ぶ
6. 屋内か屋外かを選ぶ
設定が済むと、「マイガーデン」に選んだ画像と名前が表示される。Bluetoothで接続されるフラワー・パワーのモニター名は、(2)で設定した名前も反映され、植物とフラワー・パワーが関連付けされたことが確認できる。
早速植物の状態を見たいところだが、十分なデータを収集するために、最初は24時間待つ。データは1日に2回チェック(チェック時間は設定できる)される。
なお、電池残量はアプリケーション内でチェックできる。付属の乾電池を入れた時「バッテリー 残り時間8月」と表示された。電池交換時もわかりやすい。
設定(3)のところで自分の植物をデータベースから検索するのだが、この内容がとにかく充実している。
観葉植物から花、果物、野菜に至るまで、種類は現在7,000種を超えている。しかも、それぞれの写真、学名と特徴、水・肥料・光量などの養分と環境要求事項はもちろん、植え付けや剪定の仕方など、細部に至る知識がたっぷり網羅されている。植物名の検索は、英語、日本語のどちらにも対応しているので、選ぶのも簡単だった。
わかりやすい管理結果。「おめでとう!」が表示されると嬉しい!
設定から24時間後、Bluetoothが届く場所で(約10m以内)アプリを起動して「マイガーデン」を選ぶ。するとアプリはフラワー・パワーと接続を開始しデータが取り込まれる。
ネットを介して情報がデータベースに転送され分析される。そして、結果が自動的にスマホにダウンロードされ、データが同期される。結果が出るまでに約10秒要した。
分析される項目は、水、肥料、温度、日光量の4つ。いずれかに問題があれば、「アラート」として「予定表」に表示される。
赤色のアラートが出た場合はすぐに対応が必要だ。黄色のアラートならばその日のうちに 対応すれば良い。問題がまったくなければ「おめでとう!」画面が表示される。これが表示された時は、かなり嬉しい!
分析結果は、現時点を知らせるアラートだけにとどまらない。土湿、肥料、温度、日光量のデータの推移が、設置した日を初日として1年に亘ってグラフ化。グラフは「ライブ」、「1日」、「1週間」、「1カ月」、「3カ月」、「6カ月」、「1年」と、短期から長期に亘り画面上で表示単位が変えられる。グラフを見れば過去から現在までの状態が一目瞭然だ。
「ライブ」表示は、肥料以外の変化をリアルタイムで確認できるモードだ。光量を例にとると、カーテンの開け閉めをするだけで、どのぐらい光量が変化するかその場で確認できるので、鉢を置く場所を決める場合にも活用できるだろう。
1カ月使って具体的にわかったこと
5月の初旬から約1カ月間、アプリに従って栽培したところ、我が家のピースリリーの傾向と対策がクリアになった。
水やりは3~4日に1度与えていれば十分で、今のところ肥料は要らない。付近の温度は常に適温だったが、光量は足りていない場合が多かった。対策として、昼間はカーテンを開け放つよう心がけた。
フラワー・パワーは1日に2回センサーが働いて状況を記憶する。だが、そのデータを分析するには、アプリを手動で起動しなくてはならない。水分が足りなくなったからと言って、アラートが勝手に鳴るわけではない。
それでもどんな対応をすべきか明快に教えてくれるので、勘に頼らなくてもいい。起床後、スマホのメールをチェックするついでに簡単にできるので、すぐに習慣づいた。おかげで我が家のピースリリーは葉色も良く、とても元気な状態を保っている。
Bluetoothが届く範囲ならば、屋外の菜園の状況も部屋に居ながら確認できるだろう。
もう枯らさない!
1つのアカウントで、最大256台のフラワー・パワーを管理できるものの、価格を考えると非現実的だ。
複数種の植物をお持ちなら、季節の変わり目ごとに1週間~2週間単位で差し替えて様子を見て大体の世話の目処を付ける、という使い方もアリだろう。それぞれにあった世話が概ね掴めるだけで、植物を枯らしてしまうような失敗は確実に減らせる。
また、購入前の植物の栽培方法をチェックするツールとしても便利だ。7,000種のデータベースはネットが繋がる環境であれば参照できるので、店先で気に入った植物の特性や栽培方法の詳細を調べ、自宅の環境や生活パターンに合うものかどうか判断するのにも役立てられる。
フラワー・パワーは、観葉植物で家を彩りたい方はもちろん、庭やプランターで家庭菜園を楽しむ方の、失敗しない強力な助っ人になるのは間違いないだろう。