やじうまミニレビュー

フォースメディア「シューズセーバー 2個入り」

~乾電池で動く靴用の紫外線除菌脱臭機

やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです

2つの顔を持つ面白い代理店

フォースメディア「シューズセーバー 2個入り」

 今回ご紹介する「シューズセーバー」を販売しているフォースメディアという会社は、QNAPというネットワークストレージとか、Kingstonのメモリなどの代理店としてPC/IT畑の方ならご存知の会社だ。

 そういうまじめな製品の一方で、「J-Force」というブランドで、スポーツカーのバックミラーの形をしたBluetoothスピーカーとか、お風呂のドア全体をスピーカーにするユニットなどの、シャレの効いた製品も売っている。マジとシャレの両面を併せ持った、面白い会社だ。

 今回は、シャレが効いたほうのJ-Forceブランドで、紫外線を使った靴の脱臭機「シューズセーバー」というのが発売されたので試してみた。パッケージは1個入りと2個入りがあるが、靴は左右一組だから2個入りにした。

 さて、この製品はマジな方だろうか、シャレの効いた方だろうか。

メーカーフォースメディア
製品名シューズセーバー 2個入り
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格4,400円

スゴイ内容の文字が両面に踊るパッケージ

 とりあえず、商品を手にしてみて驚くのがパッケージだ。

 表には、青地に白い文字で「絶対に嗅ぎたくない臭いが、そこにはある」と書かれている。その下には、「ニオイの元の細菌を約99%除菌」とピンクと白で書かれている。白地の文字には青い飛沫が飛んでおり、汚れをイメージさせる。イラストのチープな感じも計算されたものだろう。

 すごく、インパクトのあるパッケージだ。しかも、これは男性用で、パッケージ背面は女性用になっている。

インパクトのあるパッケージ。こっちは男性用
裏返すと女性用

 裏には、ピンクに白い文字で「足元キレイに! 紫外線で女子力UP!」と書かれている。文章も派手だが、ヒゲの生えた書体がまたスゴイ。もちろん、「ニオイの元の細菌を約99%除菌」という文字はこっちにもあるし、さらに「ブーツにも使用可能!」とも書かれている。

 しかし、「足元キレイに! 紫外線で女子力UP!」という言葉に惹かれて手にとった女性は、裏に「絶対に嗅ぎたくない臭いが、そこにはある」と書かれていたら困ったりしないのだろうか。

 とりあえず、すごくインパクトのあるパッケージであることは間違いない。この時点で、500円ぐらいはモトを取った気がする。

箱に書かれた製品の特徴
製品仕様

地味だが真っ当な中身

 パッケージの中に入っているのは、シューズセーバー本体が2個と、紙1枚の取扱説明書だ。

 本体は樹脂製で色は紫一色。紫外線を使うという特徴から選ばれたカラーだと思う。インパクトの大きいパッケージに比べると、びっくりするぐらい地味に感じる。本体サイズは44×150×23mm(幅×長さ×厚み)だ。

パッケージの内容。今回は2個入りを買った
本体外観
本体側面。白いのは電源スイッチ
本体は15cmちょうど
本体の上から見る

 電源は、単四形アルカリ電池が4本必要だ。ちなみに、電池の種類はアルカリと指定されている。電池は別売なので、別途用意しておこう。シューズセーバーは2個あるから、電池は8本必要となる。

 シューズセーバーに電池を入れても、重さは82gしかない。頼りなさを感じるぐらいの軽さだ。

乾電池ボックスの開き方
電池は単四アルカリが4本
電池を入れた状態で、本体重量は82gだった

 シューズセーバーの使い方は簡単で、スイッチは電源スイッチが1つあるだけだ。この本体側面にあるスイッチを3秒以上長押しするとON、もう一度長押しするとOFFになる。ONになった状態で約10分経つと自動的にOFFになる。

 電源スイッチをONにした状態で、シューズセーバーを靴の中、特につま先のあたりに入れて、あとは放っておけば良い。

 紫外線を出しているランプは、ガードで囲まれてはいるが、ほぼ360度を照らしている。長く見つめていると危険なので、できるだけ直視しないように注意したい。靴に入れる直前にスイッチをONにし、さっと靴に入れれば良いだろう。

紫外線ランプは青く光って見える
紫外線ランプのガードが細く、ほぼむき出しの状態だ
点灯中のランプを上から見た状態。ほぼ360度照射している

 また、ペットや観葉植物などの動植物に使ってはいけないし、プラスチックや塗装面に置くと紫外線やけして変質する場合がある。一定の注意が必要な機器だということは覚えておいた方が良い。

 ちなみに、今回は試せなかったが、シューズセーバーにはブーツに使うときのためのストラップホールも用意されている。長いヒモをこのホールに通し、ブーツの入り口に渡した割り箸から、ぶら下げて使うのだという。よく思いつくものだと感心した。

ゆっくりと感じる殺菌効果

 いつも履いているスニーカーを中心に、いくつかの靴でシューズセーバーを試してみた。

 正直に言えば、10分間の紫外線照射1回では、体感できるほどのニオイの違いはわからない。自宅へ帰ったら、シューズセーバーを靴に入れておくというのを何日か続けて、やっと違いが分かるぐらいだ。

ランプを点灯してから靴の中に入れる
最初はできるだけ奥のつま先寄りに入れる
1回終わったら、少し位置をずらし、もう1回やると良い
シューズセーバーは、本体を洗えない革靴に向いている
つま先側まで入れた状態
女性用の靴の場合、ランプが見えたままの状態になるので、長く見ないように気をつける

 そもそも、紫外線照射で除菌できるのは細菌や微生物であり、それが除菌されることで、それらに由来するニオイが軽減されるという動作原理なので、こういう風にじんわりとした効き方になる。

 ニオイを打ち消す消臭パウダーや、湿気をなくすことで脱臭を行なう靴乾燥機などの直接働きかける方法に比べると、間接的な対応策と言えるだろう。シューズセーバーを使うことでニオイが予防できると考えると良い。ひどくなった症状を一撃で改善するような効果を期待すると、肩透かしをくらうだろう。

 なお、電池寿命は約3時間とされているが、1回10分なので、しばらく使ったぐらいでは電池が減った様子は見えなかった。ランプ寿命は約8,000時間と、さらに長いので、寿命を気にする必要はないだろう。

応用が効きそうな機構

 シューズセーバーは、派手で強気なパッケージと、地味でじんわりと効く本体との落差が大きな製品だ。

 今のパッケージはインパクトは強いが、私のような気の弱い人間には、ちょっとキツすぎる。紫外線ランプによる殺菌効果は、それなりに実証されているのだから、もう少し地道に効用を訴えても良いと思う。

 パッケージにつられて過度な期待をいだかなければ、シューズセーバーは、ちゃんとしたもので役に立つ。もう少し、値段が安いとうれしいが、靴の防臭グッズとして選択肢に入れても良いだろう。

 360度照射可能で、タイマー機能内蔵の紫外線照射装置というのは、ちょっと魅力的なアイテムだ。この技術を応用して、耳かきや爪切りなど、細かい衛生アイテムを殺菌するための箱型の装置とか、殺菌機能付きの水差しなども作ってほしい。ほかにも、用途がありそうな気がする。

伊達 浩二