やじうまミニレビュー

東京セイル「LEDペットボトル用ライト」

~ペットボトルが懐中電灯やランタンに早変わり
by 正藤 慶一


やじうまミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです


LEDペットボトル用ライトをランタンとして使用しているところ

 暖かくなって暖房需要が減ったのだろうか、電力不足による計画停電が実施される日も少なくなった。しかし、停電の可能性はゼロになったわけではない。今は大丈夫としても、冷暖房で電力消費が増える夏や冬に、ふたたび計画停電が実施されることだって十分に考えられる。

 というわけで、いざという時に使えるLEDライトや懐中電灯を探していたところ、面白い製品を見つけた。東京セイルの「LEDペットボトル用ライト」である。

 この商品の特徴は、ペットボトルに取り付けるという点。本体自体は30×75mm(直径×高さ)と、とにかく小さいが、これをキャップのようにペットボトルの口に取り付けることで、ペットボトルが懐中電灯やランタンとして使えるというわけだ。千円オーバーという価格に気後れしたが、面白そうなので購入した。


メーカー東京セイル
製品名LEDペットボトル用ライト
販売価格1,580円
購入場所Amazon.co.jp
本体。電池とLEDは上の黒い部分に入っており、下の半透明のパーツはペットボトルとのアダプタとなる

 本体は黒いライト部と、ペットボトルに取り付ける透明のアダプタという2つのパーツから成っている。この2つを噛み合わせた状態で、アダプタをペットボトルの口に取り付け、ライト部にあるツマミを回せば、ライトが点灯する。悪く言えば安っぽい、良く言えばシンプルな構造だ。

 本体を分解すると、中には小さなLED(発光ダイオード)があった。発光部は約5×10mm(直径×高さ)と小さい。ここまで小さくて明るさは大丈夫かと不安に思うが、逆にこのコンパクトさこそがLEDのメリット。電池もコイン型リチウム電池2個だけで、乾電池は不要だ。ここで乾電池を使っていたなら、頭でっかちになって不恰好になっていたことだろう。

 説明書によれば、連続使用は約20時間とのこと。明るさについては、全光束や照度の目安は記されておらず、「超高輝度 約6,800輝度」という表記だけがあった。

パッケージ(左)の中には、本体と電池、ストラップがあった。このほかに説明書も同梱される本体内部。写真右側の透明の丸いパーツがLEDの発光部だ電源はコイン型リチウム電池のCR2016を使用する。連続使用時間は約20時間

 さっそく、ペットボトルに取り付けて使ってみよう。まずは、飲み終えたばかりの「三ツ矢サイダー」に装着。普通のボトルキャップのように、しっかりと固定することができた。なお、本体には防水効果はないため、液体を中に入れたままの状態では使用できない。

三ツ矢サイダーのボトルに取り付け、壁に向けてみた。底部の凹みがそのまま映っている。なお、ライト部を持っても熱くならない

 ペットボトルを持ち、懐中電灯のように壁に向けると、キラキラとした模様の光が映る。光は強力というわけではないが、室内で懐中電灯として使用するぶんには十分に感じられた。

 光がキラキラとしている理由は、ペットボトルの底の凹みに光が当たっているためだ。ペットボトルの底部は、圧力による変形を防ぐために、底を凹ませた構造になっている。この凹みに光が反射することで、指向性が強く光が広がりにくいLEDの光を、広く拡散するというわけだ。

 いろいろなペットボトルを試したが、1L以上の大きなもの、炭酸飲料系のものは、圧力対策で底部の模様が細かいことから、よく光が広がるようだ。逆に、500ml未満のボトルや、お茶・ミネラルウォーターの場合は、底部の凹みが少ないものが多く、あまり光が広がらない。というわけで、光を広げたい場合には、ペットボトルの底のあたりに注目するのがポイントだ。


ペットボトルの底の形状による、光の違いを見てみよう。まずは、ボトルなしの状態。なお写真では光色が青く見えるが、肉眼だと白に近く感じられた容量300ml以下の小さなボトルで照射。底の凹みの模様がないので、中央部は明るいものの、光がひろがってくれない今度は500mlのお茶のボトルで挑戦。ボトル下部の丸い凹みが映りこんでおり、やや光が広がった
容量1Lのペットボトル。明るく、かつ光が広がっている。容量が多いほど、底部の凹みの模様が細かくなる2Lのボトル。これはかなり明るい。ドアの隣にあるゴミ捨て日の一覧表が読めるほど。容量が多いほど、明るさが増すことがいえそうだ今回試した中で最も気に入ったのが「爽健美茶 黒冴」。容量は約500mlだが、もっとも光が広がったように感じられた

 本製品にはストラップが付いているため、首から提げることも可能。真夜中で屋外での使用だと、光のパワーが幾分弱い気もするが、急場はしのげるだろう。首に光るペットボトルを提げる人間は怪しく映るかもしれないが、その時にはペットボトルを外し、ライト部本体だけを提げれば良い。ただし、ライト部だけの場合、光はあまり広がってくれない。

夜道でペットボトル(500ml)を懐中電灯として使用しているところ。光は弱めだが、夜道はそれなりに照らせる左の動画のペットボトルを、首から下げて歩いてみた

 ランタンとして使う場合、底部の形状による差はあまり出ないようだが、個人的に気に入ったのが容量300ml程度の小さなペットボトル。丸みを帯びた形状が、ちょっとしたインテリアライトのような印象を受ける。小さいのでスペースを取らないのもうれしい。

 非常に単純な製品なので、使用上の注意はこれといってないのだが、敢えていうと、海外メーカーのペットボトルだと、飲み口にハマらない可能性がある点には注意。例えば「エビアン」は、ボトルの口が大きすぎてセットできない。また「クリスタルガイザー」は、入ることには入るが、ガッチリ固定できない。輸入飲料の場合には注意しておきたい。なお、国内のペットボトルなら、容量が少かろうが大きかろうが、ハマらないボトルはなかった。

ランタンとして使用しているところ。小容量のボトルだと、インテリアライトのような感じになり、気に入っているエビアンなど、海外製のボトルの場合、ボトルの口にうまく合わないことがある

 明るさはそこまで強くないので、実用品というよりもアイディアグッズとしての意味合いが強そうだが、ボトルを変えるだけでさまざまな明かりが演出できるのは、素直におもしろい。防災袋に、ペットボトル飲料と一緒に入れておきたいライトだ。




2011年 4月 6日   00:00