やじうまミニレビュー
メガハウス「ふわシュー」
メガハウス「かんたんかわいいシュークリーム ふわシュー」 |
我が家には2人の小さな子供がいるので、暇があるときは、クッキーやマドレーヌなどを作っておやつとして出している。
しかし、子供たちは絶対に手作りのシュークリームに手を出さない。これまでに何度か大失敗しており、見事にぺったんこなシュークリームができてしまった。あのガッカリ感と言ったらない。子供たちも、もはや思い出したくもないトラウマレベルの経験となってしまったようだ。
そんなわけで、我が家ではシュークリームは買って食べるお菓子という不文律ができていたのだが、ついにシュークリームを手作り時が来た。前々から気になっていた、メガハウスのクッキングトイ「かんたんかわいいシュークリーム ふわシュー」を購入したのだ。
メーカー | メガハウス |
製品名 | ハッピーキッチン かんたんかわいいシュークリーム ふわシュー |
希望小売価格 | 3,990円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 2,080円 |
この製品は、文字通り家庭でシュークリームを簡単に作るためのクッキングトイだ。しかし、シュークリームを作るのは数年ぶり。正直に言って、クッキングトイの力を借りても、まったくうまくできる自信はない。「本当に『かんたん』にできるの?」と、半信半疑ながら箱を開封した。
開けてみて驚いたのは、パーツ類が多いこと。列挙すると、本体とスタンド、クリームペンとキャップ(クリームをシューの中に注入するための器具)、へら、計量カップ、粉ふるい、霧吹き、ミニ計量カップ、ガイドシート、しぼり口、ストッパー、ギフトボックス、ギフトバッグ(5枚)と、細かいパーツがたくさん入っている。
本体とスタンド。ハンドルをまわして生地を混ぜ合わせる | クリームペンとキャップ。クリームペンを使ってシュー生地にクリームを入れる | シュークリーム作りに欠かせない「霧吹き」まで付属! |
ミニ計量カップ。横に目盛りがついている | こちらは大きい計量カップ。たくさん目盛りがついているので少々見づらい |
■まずはカスタードクリームづくりから
説明書にあったシュークリーム作りのフローチャートを見ると、はじめにカスタードクリームを作ってから、その次にシュー生地を作るようだ。とりあえず、フローチャート通りにひと通り作ってみることにした。
まずはカスタードクリーム作りだが、最初はポットに卵黄、牛乳、コーンスターチ、バターを入れるところから始まる。材料を量るのは、付属の計量カップ、ミニ計量カップなどがあるので、計量スプーンやキッチンスケールを別途用意する必要はない。ただ、お菓子作りは「正確に量る」ことがうまく作るコツでもあるので、重量を正確に量るキッチンスケールを併用したほうが、失敗は少なくなるだろう。
材料を入れ終わったら、ハンドルをセットしてよく混ぜ、電子レンジ(500~600W)で2分加熱する。加熱が終わったら、庫内に30秒ほど置き、ミト ンを使って取り出す。このとき、かなり熱くなっているので小さな子供には絶対に触らせないよう注意。その後、大人が50回ほどハンドルを回してかき混ぜる。
バターは溶かしバターでも可能だが、取扱説明書通りチューブバターも用意した | ポットに卵黄、牛乳、コーンスターチ、バターを入れる |
箸などで攪拌する | 羽根をセットしてからグラニュー糖を入れ、ハンドルをグルグル。ここは娘にも手伝ってもらった。楽しそう! |
中を開けてみると、カスタードクリームっぽい感じにはなっているが、ところどころムラがあったので、スプーンで下からすくうようにして全体をかき混ぜ、さらにフタを付けてハンドルでグルグル回してみた。こうするときれいに混ぜ合わせることができた。冷めたらバニラエッセンスを加えて完成だ。この後、完全に冷めるまで30分以上おいてから、クリームペンにうつす。
完成! できたてクリームをちょっと味見。やさしい甘さでとてもおいしい | 羽根に付いているクリームは、付属のへらで丁寧に落とす。「もったいないからちゃんと落とそうね」と、子供にもきちんと見せておく。クッキングトイで子供と一緒に作る場合は、こういったコミニュケーションも大事 |
完成したクリームは少々なめらかさに欠けるものの、味はホームメイド風な自然な卵の香りで、味見するととてもおいしかった。クリームペンにうつしたら、さらに冷蔵庫で冷やしておく。このとき、キャップに立ててしまうことができるので、冷蔵庫の場所をとらず、クリームも下に下がっていくのでとても便利だ。
残念だったのが、次に紹介するシュー生地作りも同じポットを使うため、クリーム作りとシュー生地作りが同時平行でできない点。クリームが冷めるまで待たなければならず、この時間がなんとももどかしい。
ピストンパーツをふたにセットする | 絞り口をつけたポットをクリームペンの上に置いて押し出す。不安定なので、子供に持ってもらいながら2人でやるのがポイント | 終わったらはずす。中にクリームが残っている場合は、へらで落としてチューブペンの中に入れておく |
■シュー生地作りに挑戦! 結果は?
クリーム作りが終わったら、いよいよシュー生地作りである。クリームでいったん使ったポットや計量カップ類は洗っておく。
シューの材料は薄力粉、バター、卵と本格的。薄力粉をふるいにかけるところからスタートするのだが、なんと粉ふるいまで用意されている。これならお菓子を作ったことのない初心者でも、道具を揃える必要はない。
粉を入れたら、両手でしっかり持って軽くトントンするしていく。粉は計量カップにある40gのラインまで入れるようになっているのだが、今回は正確に量るため、キッチンスケールを使用した。
計量カップに粉ふるいを乗せ、ふるいにかけていく。少しずつ粉をいれてふるっていくが、粉はまわりに飛び散りやすい |
この粉ふるい、少々使いづらい。トントンと叩いてもなかなか下に粉がなかなか落ちてこないうえに、すぐに詰まってしまう。強めに叩いてみたところ、まわりに粉が飛び散ってしまった。意外に時間がかかったので、既に粉ふるいをお持ちの方は、そちらでふるったほうが早いかもしれない。
次に、ポットに羽根をセットし、粉でふるった薄力粉、水、チューブバターを入れる。本体のふたをしっかり持って、左右60回ずつ混ぜる。ここでもクリームの時と同様にムラができてしまうが、途中何度かスプーンで混ぜておけば、ちゃんと混ぜ合わすことができた。
混ぜ上がった生地は、レンジで1分30秒ほど加熱してから、卵を足してさらに混ぜていく。ガイドシートに掲載されいているイラストを見て、同じツヤ、固さになったら生地のできあがりだ。ここは重要な工程で、出来が左右されるといっても過言ではない。失敗すると膨らまなくなるので、一番緊張した工程である。正直、シュー生地作りに全く自信がない私としては、かなり不安だ。
ガイドシートに掲載されている「シュー生地を作るときのポイント」を参考にする。カラーで見やすい | こんな感じでOKかな? ここは重要なポイント。失敗するとうまくふくらまない |
次の作業は「絞り出し」。ガイドシートにオーブンシートを乗せて、その上に生地の絞り出し、シューの形を作る作業だ。
説明書によると、スタンドを付けたまま、ガイドシートの茶色い部分に沿って絞り出していくのだが、大人がやる場合はスタンドを付けないほうがやりやすい。ただ、小さな子供には持ちながら押すのは難しく、スタンドがアリの方が簡単にできるようだ。ゆっくり押し出すのがポイントで、焦るとドバッと生地が出て太くなってしまうので注意が必要だ。
ガイドシートは2種類。それぞれで加熱時間が変わるので注意。写真はガイドシート「A」 | ガイドシート「B」。この上にオーブンシートを置く |
ガイドシートの茶色い部分に沿って生地を押し出していく | 生地同士が近すぎるとくっついてしまうので、シートをずらしながら絞る |
それができれば、いよいよオーブンでシュー生地を焼く。焼く直前に、付属の霧吹きに水を入れて霧を吹きかけておく(表面の焦げを抑えるため)。余熱の終わったオーブンに入れて、200℃で20分、180℃に下げてさらに10分待つ。なお、オーブンによって火力は違うので、焼き時間は調整する必要がありそうだ。
表面を焦がさないようにするため、霧吹きで水をかける。ちゃんと霧吹きまで付属しているのは親切 | 完成したシュー生地はこんな感じ。ちょっと形は悪いけれど、ちゃんと膨らんで感激!! |
心配になってオーブンの前で張り付いて見てしまった。なんと! みるみる膨らんでいくではないか!! どんどん膨らむシュー生地はイコール成功の証。楽しみながら焼きあがるようすを見ていた。細かいことを言えばちょっとイビツになってしまったが、クッキングトイでここまでできるのは上出来だと思う。
■チューブペンでクリーム注入! かわいいシュークリームもできる
シューが焼きあがった後は、最後の仕上げ。作っておいたクリームをシューの中に入れる作業だ。箸の先などで5mmほど穴を開けて、そこにクリームペンを差し入れ、クリームを押し出す。手作りの場合、シュークリームを二つに割ってそこにクリームを入れる方法が主流だが、クリームペンを使えば、お店のように切れ目のないシュークリームを作ることができる。
しかし、クリームペンは不透明なので、どれくらいシュー生地の中にクリームが入ったのかわかりづらい。また、でき上がったクリームの量に対しクリームペンが大きすぎるため、空気も一緒に「ボフッ」と入ってしまい、シュー生地が裂けてしまうこともあった。
加えて、焼き上がったシュー生地全部にクリームが入れられなかったのも残念。ポットが小さいので仕方ないが、もうすこしクリームの量が多めに作れればなお良かった。
できあがりの味は本格的。シュー生地は香ばしく、クリームは卵の香りがやさしくとてもおいしかった。手作りという安心感もあり、子供と一緒に楽しむことができた。
冷蔵庫で冷やしておいたクリームを入れていく。お店で作るシュークリームのようだ | 完成! 割ってみたシュークリームは中にクリームたっぷり。シュー生地は香ばしく、クリームは卵の香りがやさしくとてもおいしい。しかし、たっぷり入れていたらクリームが足りなくなってしまった |
子供とデコレーションしながら作ったシュークリーム。かわいいので、子供が大喜び。子供のおやつにいいですね! | ギフトボックス1個とギフトバッグ5枚も付属しているので、お友達へのプレゼントにも最適。至れり尽くせりですなあ |
■シュークリーム作りが苦手な人でも失敗なくできる
一通り作ってみた感想を正直申し上げると「簡単にできる」とは言い難いということだ。クリームとシュー生地を同時並行で作ることができないので、冷やす時間なども含めて3時間ほどかかる。パーツ類が多いので、後片付けもそれなりに手間がかかってしまう。休日など、時間があるときでなければ作るのは難しそうだ。
また、子供が調理しやすいように作られたクッキングトイなので仕方ないのかもしれないが、ふだんお菓子作りをしている人にとっては、計量カップや粉ふるいなどは使いづらく感じるかもしれない。特に粉ふるいは飛び散ってうまくできないので、改良していただきたいところだ。
……と、厳しい注文もつけてしまったが、個人的にはシュー生地がちゃんと膨らんだだけで大満足だ。取扱説明書通りに作れば、難しいシュー生地ができてしまうというのはとても魅力的。味も本格的で、ガイドシートがあるので、簡単にかわいらしい形のシュークリームができるのも楽しい。フルーツを載せたり、チョコレートをトッピングするなど、アイデア次第でさらにバリエーションが増えそうだ。少しでもオリジナル色を出すと子供がとても喜ぶので、親としても作りがいがある。
小さなお子さんと休日にのんびりおやつ作りがしたい方へ、ぜひおすすめしたいクッキングトイだ。
2010年 9月 6日 00:00
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