ミニレビュー

「フットレスト」を使ったら在宅勤務の快適さアップ。姿勢も正しく

ミニレビューは、生活雑貨やちょっとした便利なグッズなど幅広いジャンルの製品を紹介するコーナーです
スチール製のシンプルなフットレストを自宅で使ってみた

在宅勤務が増えたことで、自宅の家具の“快適さ”を見直す機会が増えているのではないだろうか。デスクや椅子をこの機に思い切って新調するという人も多いだろう。家具を販売するWebサイトも盛況なようだ。そんなタイミングで、快適さをプラスするアイテムとしておすすめしたいのが、椅子に座った時に足を置く台「フットレスト」だ。使ったのはサンワサプライの「100-FR011」で、直販価格は3,580円(税込)。

オフィスのデスクをはじめ、仕事用として売られているデスクの多くは、高さが70cm前後が主流。昇降式デスクなど高さを変えられる製品も最近は増えているが、多くの場合は机の高さは変えられない。つまり、「正しい姿勢」「快適な姿勢」を得るためのさまざまな調整は、この机の高さが基準になる。

椅子に座った姿勢で理想とされているのは、机に置いたPCキーボードを快適な姿勢で打つために、肘が自然に降りた状態で、90度近くに曲がっている姿勢。筆者は、キーボードを机のなるべく手前側に配置し、肘は椅子に付いているアームレスト(肘掛け)に置いてキーボードを打つようにしている。このようにしないと、肩や手首に無駄な力が入ってしまい、歳のせいかすぐに肩こりなどの不調をきたしてしまうのだ。昔は椅子のアームレストをあまり使用していなかったが、自宅でオフィスチェアを新調してからは姿勢を一新、アームレストも使うようにしている。

しかし、問題と感じていたのは「机の高さが少し高い」こと。筆者の身長は168cmだが、前述の椅子に座った姿勢を実現しようとすると、机の高さに合わせて椅子の高さもそれなりに上げることになる。座面までの高さは50cm前後になり、そのままだと床からかかとが浮いてしまうのだ。快適とはいえないし、太ももの裏が不必要に圧迫されてしまう。

そうした「変えられない机の高さ」→「上げざるを得ない椅子」→「足が床にちゃんとつかない」という状況で、それを手軽に補正してくれるのが、足置き台であるフットレストだ。

今回購入してみたのは、スチール製のシンプルなフットレスト。サンワサプライの直販サイトであるサンワダイレクトで販売されている。スチール製で重さがあるため安定感があり、床と接する面には滑り止めのゴムが、足を置く面はフェルトが貼られている。フェルトは使用しているとすぐに毛玉ができるなど、見栄えはあまりよろしくなかったが、机の下なので目立ちにくいものではある。

ゴムが貼られ、フローリングでも滑りにくい
机の下に置けばあまり目立たない(写真は使用開始前)

フットレストの傾斜の角度は10度で、大きさは幅40cm、奥行きが30cm。高さは、実測で手前が9cm、中心部が11cm、奥が13cmといったところだ。ざっくり高さが10cmと考えると、椅子の座面の高さを50cmから10cm下げて40cmにしたことと同じになる。座面の高さが40cmというのは、日本でダイニング用などとして売られている椅子の標準的な高さだ。

フットレストを導入する前は、かかとが浮いてしまうため、キャスターの付いている椅子の脚部に足を乗せていたが、フットレストを導入してからはどっしりと座れるようになった。太ももの裏への圧迫感もなくなり、長時間でも快適になった。

机に合わせて椅子の高さを調整すると、座面の高さは50cm前後になり、かかとが浮いてしまう
フットレストを導入すると足を自然に置くことができ、椅子にどっしりと座れる。太ももの裏の圧迫感もなくなった

座る姿勢の研究は今でも行なわれており、例えばオフィス家具のオカムラは、長時間リラックスと集中力をキープできる姿勢として「低座・後傾姿勢」を提案している。これは「傾斜した低い机」もセットなため、簡単に真似することはできないが、フットレストを導入すれば足元だけ床を底上げでき、座面の低い椅子に座るという擬似的な環境は構築できる。

在宅勤務が長引いて、椅子まわりを見直したいという人には、フットレストは最初の一歩として検討してみるといいかもしれない。

太田 亮三