藤山哲人のモバイルバッテリー診断
バッファロー「BSMPB04」【訂正版】
~高性能・高効率なのに低価格。でもちょっとクセあり
by 藤山 哲人(2013/7/5 00:00)
5,000mAhクラスのモバイルバッテリーというと、石鹸ほどのサイズの製品が多いが、今回紹介するバッファローの「BSMPB04」(5,200mAh)は、細長のスリムタイプになっている点が特徴だ。
スマートフォンがほぼ2回充電できるうえ、実売価格も2,500円程度と安い。しかも、最大出力は2ポート合計で2A(2,000mA)あり、第3世代iPadの充電にも対応する。
メーカー名 | バッファロー |
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品名・型番 | BSMPB04BK |
バッテリー容量 | 5,200mAh |
繰り返し利用回数 | 500回 |
サイズ (幅×奥行き×高さ) | 42.4×100.7×23.9mm |
重量 | 140g |
カラー・モデル | ブラック/ホワイト |
販売価格 | 2,500円程度 |
対応スマートフォン | Android:○ iPhone:○ iPod:○ iPad:○ その他、USB充電対応のデジカメ、ゲーム |
・実験結果は、室温がコントロールされていない環境で行なっています。電池は温度により、その特性が大きく変わる点にご注意ください。 ・実験結果は記事作成に使用した個体に関してのものであり、すべての製品について共通であるとは限りません。 ・実験結果に基づいた実容量やロス率は、その値を保障するものではありません。 ・筆者および家電Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにはお答えできません。 |
USBコネクタ2基搭載で最大2A出力が可能。ただし電源OFFは手動
同梱のケーブルは15cmほどと短いが、スマートフォンと重ねてポケットに入れて充電するにはちょうどいい長さ。Yシャツのポケットは重さがあるため難しいかもしれないが、ズボンのポケットくらいなら大丈夫。カバンに入れて使うには、もう少し長めのケーブルが欲しいところだ。
まずは内蔵バッテリー容量1,800mAhのスマートフォン(ARROWS X F-10D)を実際に充電してみた。スマートフォンの充電回数は、2回ジャストといった感じだ。
・スマートフォン充電テストの結果
充電回数「2回」と「10%」(3,834mAh相当)
※測定条件は、WiFi:ON、Bluetooth:ON、GPS:ON、省電力モード:OFF、画面OFFの状態で充電、電池残量約10%から充電開始し90%程度までを繰り返し、アプリ「Battery Mix」にて容量変化を記録
USBコネクタは2つある。片側に「Apple」もう片側に「Android」と刻印されているが、筆者が調べた限りでは、出力電流などに違いはなかった。出力できる最大電流は、2ポート合計で2Aとなっているので、第3世代iPadの充電も可能。また通常のスマートフォンなら2台同時の急速充電もできるパワフルさを持っている。
バッテリー残量計は、ブルーのLED4灯となっており、25%刻みで読み取れる。電源ON時には、常に残量が表示されるので電源の状態と残量をひと目確認でき便利だ。
【お詫びと訂正】初出時、バッテリー残量計について、事実と異なる記述がありました。上記の通り訂正し、お詫びさせていただきます。
電源スイッチは使いにくい。オモチャなどで使われているシンプルなスライドスイッチを採用しているため、スマートフォンを充電し終えても電源が自動で切れない。そのため、充電後はモバイルバッテリーの電源を手動でOFFにする必要がある。上手に使うには、スマートフォン側に充電管理アプリをインストールして、充電完了したら音声でお知らせする、などの工夫が必要になる。何も充電していないのにスイッチを入れたままで、電源が消し忘れ、ということがよくあった。
価格が安いぶんスライドスイッチの使い辛さをヨシとするか、もう少し高くても押しボタンスイッチでオートパワーオフのある製品にするか。この当たりは好みが分かれそうだ。
項目 | 詳細 |
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USBコネクタ数 | 2 |
USB最大電流 | 2ポート合計で2A(2,000mA) |
充電ケーブル (コネクタ) | Micro USB - USB |
残量インジケータ | 1色4灯式 |
自動電源OFF | なし |
同時充電 | スマートフォン2台:○ スマートフォン+iPad2:○ ただし、合計出力は最大2Aまで |
安定した電圧に、69%という極めて高い実容量率は魅力
たいていのスマートフォンは約1Aで急速充電するため、独自の測定器を用いて連続して1Aの電流を流し、電圧と電流の変化、そしてスマートフォンに充電できる実容量を測定した。
なお実用量とは、パッケージの「○○mAh」というバッテリー容量のうち、実際にスマートフォンを充電できる容量を示す。実用量率は、表示容量に対する割合で、値が大きいほど高性能バッテリーといえる。
独自の測定器でテストした結果、電圧は微動だにしない、安定した5.0Vを出力する。電流は900mAあたりを中心に、始終±50mAのブレが見られるが、実用上はまったく問題ない。
注目すべきは、実際にスマートフォンへ充電できる実容量だ。表示容量5,200mAhのうち、69%(3,570mAh)がスマートフォンの充電に使える。これはかなり高い数値だ。
なお計算を元に出した実用量から、各種スマートフォンやタブレット、携帯ゲーム機をおよそ何回充電できるかは、次のとおりになる。Android系の場合、カッコ内が内蔵バッテリー容量を示している。
項目 | 詳細 |
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バッテリー表示容量 | 5,200mAh |
連続利用時の実用量 | 3,570mAh(69%) |
連続実用量1,000mAh あたりの価格 | 700円 |
充電回数(理論値) | Android(1,300mAh):2.9回 Android(1,500mAh):2.6回 Android(1,800mAh):2.1回 Android(2,000mAh):1.9回 Android(2,200mAh):1.7回 Android(2,500mAh):1.5回 Android(3,000mAh):1.3回 iPhone 4S(1,432mAh):2.7回 iPhone 5(1,434mAh):2.7回 iPad 2(6,580mAh):0.6回 iPad 3(11,560mAh):0.3回 ソニー PSP(1,200mAh):3.2回 任天堂 3DS(1,300mAh):2.9回 |
充電性能は標準的。別売のUSB-ACアダプタは2Aのものを
パッケージには専用充電器が同梱されていなかったので、最大2A出力できるUSB ACアダプタを利用して充電した。カタログ上では充電に7時間かかるとあったが、実際にはおよそ6時間10分だった。5,000mAhクラスの製品としては遅くもなく早くもなく、極めて標準的といえる。
充電時に必要な電流は5V 1Aとなっている。別途USB ACアダプタを購入する場合は、余裕をもって2A出力できるものを選ぶといいだろう。なお繰り返し利用回数は500回で、一般的なモバイルバッテリーと同じだ。
項目 | 詳細 |
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本体充電用コネクタ | Micro USB |
添付充電器(仕様) | なし |
充電時間(カタログ値) | 7時間 |
充電時間(実測) | 6時間10分 |
繰り返し利用回数 | 500回 |
文句なしの高性能だが、電源スイッチに難あり。アプリでカバーしたい
安定した電圧、2Aまで出力できるパワフルさ、実容量率の高さと非常に高性能で安いモバイルバッテリーだ。しかし、コストダウンした分だけ、電源スイッチの部分で使いづらいクセがあるのも事実。バッテリーアプリを自分でインストールして、設定をカスタマイズして不便さをカバーできるスキルがある人向けと言っていいだろう。
なお、まったく同じ形状で容量も5,200mAhと同じでありながら、出力が2ポート合計で1.6A(1,600mA)の「BSMPA04」という製品もある。型番もそっくりだが、2A出力できるのは「BSMPB04」。購入時には注意していただきたい。
メーカー・品名 | バッファロー「BSMPB04」 |
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ロスの少なさ | ★★★★☆(4) |
持ち歩きやすさ | ★★★★★(5) |
単位容量の安さ | ★★★★★(5) |
充電の早さ | ★★★☆☆(3) |
使い勝手のよさ | ★★★★☆(4) |