コヤマタカヒロの男の料理道具!
食材をゆっくりと蒸すスチームクッカーは、野菜が美味しく食べられる!
by コヤマタカヒロ(2014/10/27 07:00)
がっつりとした肉を焼けば焼くほど、「記事読んだよ」と言って貰えるこの連載。しかし、40代で完全メタボ体型の筆者としては、肉や炭水化物は控えめにして、できるだけ野菜を摂りたいと考えている。しかし、生野菜や煮込み野菜って、なかなかに面倒でたっぷり食べるのは難しい。
そんなとき、家電Watch編集部から使ってみれば? と提案をいただいたのが、ティファールの「スチームクッカー ミニコンパクトデジタル」だ。製品としての歴史は意外と長く、家電Watchでも2008年に以前のモデルをレビューしている。今回使うのは、デジタルタイマーを搭載した2014年1月に発売したモデルだ。
メーカー名 | ティファール |
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製品名 | スチームクッカー ミニコンパクトデジタル |
希望小売価格 | 9,780円 |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 8,831円 |
コンパクトになって使い勝手もアップ!
ではまず、製品を細かく見てみよう。ボディサイズは290×205×320mm(幅×奥行き×高さ)。調理のできるバスケットは2段で、定格消費電力は650Wだ。上位モデルとなる「ウルトラコンパクトII」との違いはボディサイズのほか、水タンク容量など。また、蓋を開けずに給水する機能を搭載しないなど、コンパクトさを重視した設計となっている。
パッケージを開けて、キッチンにおいてみたが、圧迫感もなく想像していたよりもコンパクトだった。本体部分にくびれがあり、上部に向かうにつれて大きくなる形状のため、設置床面積が小さいことがその理由だ。筆者宅のキッチンでは、まな板とカウンターの間にスムーズに置くことができ、使っている期間はほぼそこが定位置となっていた。
本体の質量は約1.2kg。スチーム用の水や食材などを入れると、大体2kg超になる。何度かキッチンから、調理後にダイニングテーブルまで運んだが、縦長の構造と内部に水を入れていることもあり、慎重に運ぶ必要があった。そのまま食べる場合は、商品名に「卓上電気蒸し器」とあるように、最初からダイニングテーブルで蒸すのがよさそうだ。
まずは「鶏手羽の中華蒸し鍋」を作ってみる
付属のレシピブックには肉から野菜、デザートまで30種類のレシピが収録されている。そこで、まずは掲載されているメニューをいくつか試して見ることとした。いくつか作ったなかで、美味しかったのが、「鶏手羽の中華蒸し鍋」だ。これは下味をつけた手羽元と、いくつかの野菜を蒸し上げるという物。ピリ辛の醤油だれ、ごまだれも蒸し上げて作るため、フライパンなど他の加熱器具は一切使用しない。
ごまだれの濃厚な味わいと、ピリ辛醤油のあっさりした味を交互に楽しむことができ、家族からも評判は高かった。また、蒸し上げた手羽元はおかずラー油などを絡めても美味しくいただけた。
下味をつける時間や、野菜を切る時間などの準備時間に10分程度、あとは30分(20分+10分)ほど蒸すだけと、非常に手軽だった。
ただし、作ってみて思ったのは、レシピでは野菜を一口大にカットするように書かれているが、タレに漬けて食べるのにはあわないので、スティック状に切るのが良さそうだ。
また、タレを温めるために上段のスチームバスケットに器を入れるのだが、このサイズにあった器は別途用意する必要がある。著者宅はつかったスープ皿は上段バスケットには入ったが、下段には入らなかった。
さっそくいただいてみると、肉も旨いが、本当に野菜が旨い! しかもたっぷり食べられる。
野菜たっぷりの蒸ししゃぶしゃぶを作る!
続いてたっぷり野菜を入れた、蒸ししゃぶしゃぶだ。レシピブックでは、「牛肉のスチームしゃぶしゃぶ」として掲載されている。
白菜や水菜などを食べやすいサイズにカットして、スチームバスケットに投入。タイマーを10分ほどにセットし、野菜のスチームをスタート。野菜がしんなりしたら、その上に牛肉を広げて入れて、再び蒸す。調理として行なうのはこれだけだ。
あとはごまだれやポン酢などで食べていくだけ。著者宅では第一弾はキッチンで調理したが、その後は、ダイニングテーブルに本体を運び、一段ずつセットして、次々とスチームしながら食べた。これなら、熱々の蒸し上がり直後に食べられるのがいい。
たくさんの野菜を美味しく食べられる蒸ししゃぶしゃぶ。このときは、大人2人で、白菜4分の1、水菜、もやし一袋を軽く食べてしまった。
また、鍋で煮るのと比べて、野菜の甘みが強く、煮込みすぎた鍋の野菜のように味が出てしまってスカスカといったこともない。筆者宅ではこの便利さに目覚めてしまい、製品がある間、肉の有無はバラバラだが、なんども蒸し野菜を楽しんだ。この蒸し野菜の美味しさだけでも「買い」と言いたいレベルだった。
野菜のおいしさに目覚め、食卓が一気に華やかに!
「スチームクッカー」を使い始めてよかったなと思ったのが、これまでは食べていたのとはまた違うレシピが食卓を飾るようになったことだ。たとえば、バーニャカウダ。アンチョビの効いたソースの味は好きなのだが、自宅で作ろうとはあまり思わなかった。
しかし、「スチームクッカー」があれば、好きな野菜を蒸して、ソースを用意するだけでそれはもうバーニャカウダになる。付属のレシピブックにはバーニャカウダソースのレシピも載っているため、野菜を蒸すと同時に手作りしても良いし、市販のソースをただ温めるだけでもいいだろう。
また、非常に簡単で著者も妻も喜んでもりもりと食べたのが、レシピに載っていた「アスパラガスの半熟卵ソース」だ。レシピでは細くて緑色のアスパラガスだったが、コストコで立派な白アスパラガスを入手できたので、レシピ通りにやってみた。そして、これが絶品だった。
白アスパラガスは茹でが足りないと堅くて美味しくないし、茹ですぎるとうまみもない。美味しいタイミングが意外と難しい印象だ。しかし、「スチームクッカー」での蒸し調理ではまさにベストなタイミング。適度な歯ごたえと、白アスパラのうまみが堪能できた。また、蒸している途中で卵を投入するだけで温泉卵が簡単にできてしまうのも便利。白アスパラを見つけたらまた、絶対に作りたいと思うメニューだった。
使い勝手に若干の工夫は必要だがヘルシー志向の方におすすめできる
ということで、約1カ月ほど「スチームクッカー」を日常の食事で使ってみた。その間に、どれだけの野菜を食べたのかは正確に覚えていないが、通常より、もやしやシメジ、マイタケなどをたくさん買い、食べ尽くしたことは確実だ。
使っていて非常に便利だと感じたのは、スチームバスケットに野菜や食材を入れて10~20分ほど蒸せば、だいたいのモノは美味しく食べられるということ。特にポン酢との相性は最高だった。
逆に勘違いしそうなのが、電子レンジで使うスチーム調理器との関係だ。筆者もそういった製品を持っているので、用途がかぶるかなと思ったが、全くかぶらなかった。
まず、個人的な見解だが野菜に関しては「スチームクッカー」で蒸した方が確実に美味しかった。これは一気に高熱で蒸す電子レンジ用の蒸し器に対してスチームクッカーは100℃まで水を温めて発生したスチームでゆっくり調理しているためだ。このため、ナムルなどの常備菜を大量に調理するときは電子レンジ用の方が向いていたが、夕食用に作って、暖かいままに食べる蒸し料理には「スチームクッカー」の方が向いていると感じた。
1万円もしない、低価格な家電ということもあり、基本的には製品に満足している。ただし、スチームバスケットを食卓に出して、そのまま食べるときには、サイズのあった受け皿などを別途用意する必要があった。また、蒸しながら、次々に食べていくような使い方のとき、上段のスチームバスケットが受け皿にフィットしないのが気になった。上段、下段のどちらでも1段調理ができるとより便利だろう。
とはいえ、このような価格で、量を食べるのが難しい野菜をたっぷりと、しかも美味しく調理してくれるのは非常に満足だ。もちろん、ここで紹介した料理のほか、茶碗蒸しなどの定番蒸し料理も手軽に作ることができる。
1~2人世帯なら、ダイニングにおいて直接食べるような使い方に向いている。また、大家族の場合、蒸し調理に電子レンジやコンロを使わないため、他の料理と同時進行で進められるというメリットもあるだろう。最初は調理できる量が少ないかなと思ったが、野菜なら、3~4人分は十分に調理できる。
ティファールの「スチームクッカー ミニコンパクトデジタル」は蒸し野菜をたっぷり食べたいヘルシー派はもちろん、手軽に蒸し料理を楽しみたい方々に強くおすすめできる。