家電製品ミニレビュー
置き場所でお悩みの方に! ノンフライ調理もできるコンベクションオーブン
by 石井 和美(2014/5/29 07:00)
「高機能なオーブンレンジが欲しいけれど、大きくて置き場所がない」とお悩みの方は多いのではないだろうか。そんな方の選択肢として、最近注目されているのがコンパクトなコンベクションオーブンだ。
そもそもコンベクションオーブンとは、庫内にファンが備わっているオーブンのこと。対流を起こし、熱を循環させることで、食材を短時間で均一に加熱できる。
今回使用するオークセールのsiroca(シロカ)ブランドのコンベクションオーブン「siroca crossline ノンフライオーブン SCO-313」は、オーブントースターのようなコンパクトサイズでありながら、ケーキやピザ、ローストビーフなどのオーブン料理を作れるコンベクションオーブンだ。電子レンジ機能は使えないが、トースター+コンベクションオーブンとして使用可能で、今流行の油を使わない揚げ物調理もできる。
価格はお手頃だ。現在、デロンギ、ツインバード、タイガーといったメーカーからコンベクションオーブンは販売されているが、実売価格で1万円を切るコンベクションオーブンはめずらしい。
メーカー | オークセール |
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製品名 | siroca crossline ノンフライオーブン SCO-313 |
希望小売価格 | 15,000円(税抜) |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 8,880円 |
サイズが小さく、お値段もお手頃なコンベクションオーブン
今回レビューするノンフライオーブン SCO-313のサイズは、398×346×235mm(幅×奥行き×高さ)、重さはたったの4.3kgだ。側面と後面は10cm以上、上面は20cm以上可燃物から距離を離す必要があるものの、コンパクトだ。それでいて、庫内は広々としている。
ちなみに、我が家で使っているオーブンレンジ「石窯オーブン」のサイズは500×460×412mm(幅×奥行き×高さ)、重量は23kgなので、それに比べてかなり小さい。
SCO-313の機能はシンプルで、オーブン(上下ヒーター)+コンベクションオーブン(上下ヒーター+ファン)の2通りとなっている。上下切り替えができるので、ヒーターを上だけにすれば、グリルとしても使うことができる。
SCO-313には付属品として、食パンを一度に4枚、ピザを1枚焼くことができる。焼き網、トレー、取っ手、ピザストーンが用意されている。
ローストビーフも予熱10分+10分加熱+10分放置、合計30分でおいしくできる!
まずは、ローストビーフ作りにチャレンジしてみた。約400gのローストビーフ用の牛かたまり肉を購入。ローストビーフは調味料に数時間漬け込んでから作るレシピが多いのだが、付属のレシピは塩やハーブなどをすり込んで、すぐに焼く簡単レシピだ。新たに購入したのはハーブ塩やガーリックパウダーだけで、その他は家にある調味料でできる。
肉をタコ糸でぐるっと巻き、調味料とオリーブオイルをすり込むだけ。「こんなに簡単で大丈夫かな……」と不安になりつつ、200℃に設定し、10分予熱してから10分間加熱。レシピではそのまま10分ほど放置するとあったが、子供に生肉は避けたかったため、少し長めに放置しておいた。
こんなに短時間でちゃんと火が入るのか心配だったが、切ってみると中までちょうどいい具合だった。もっと生っぽくするなら、レシピ通り10分でも十分だろう。
予熱時間はあるとはいえ、合計30分でおいしいローストビーフができるのは感激した。立ち上がりが早く、均一に火が通っている。
操作はシンプルなダイヤル式でレトロに見えるが、何度もピッピッとボタンを押す必要がなく、直感的に操作できるので使いやすい。温度は100℃から250℃まで調節でき、調理時間は5分から60分まで設定できる。なお、調理時間が10分以下の場合はいったん10以上に回してからもどす。出来上がると「チーン」というトースターのような音がして、自動的に電源は切れる。
ノンフライとんかつもサクサクで大好評
とんかつ用ロース肉が安かったので、ノンフライとんかつに挑戦した。2cm近い厚みのだったので火が通るか心配だ。レシピでは片側10分ずつで合計20分とあったが、心配だったので15分ずつで30分焼いてみることにした。
ノンフライ料理をする際は、焼き網の下にトレー装着する。脂が下に落ちることがないのでお手入れも簡単だ。とんかつは通常の作り方と同じで、お肉に塩コショウし、小麦粉をまぶし、卵にくぐらせてパン粉をつける。あとはコンベクションモードで調理する。
仕上がりの色はこんがりキツネ色というわけではなく、白っぽいので心配だったが、分厚いお肉も中心まで火が通っている。
そして、衣はサクサクだ。子供達にはノンフライだとは言わずに、そのまま出しておいたが、まったく気が付いていなかった。油っぽいもの、揚げ物が大好きな旦那も「ふつうのとんかつと変わらない」と満足していたようだ。
確かにもっと違和感があるかと思ったが、中はふっくらジューシーでおいしい。ぜひ厚めのお肉で試していただきたい。
パウンドケーキなどのお菓子作りにも使える
このオーブンは庫内が広いので、一般的なパウンドケーキ型21cmタイプも入る。一般的なトースターのようにサーモスタットが頻繁に切れて、温度にムラができてしまうことはなかった。高温が持続しているようなので、「これならケーキも焼けるかも? 」とパウンドケーキをオーブン調理で作ってみることにした。
レシピの時間通りにしたのだが、やはり上の火力が強いようで、上だけ少し焦げて、下の方は生だった。
ケーキ類は様子を見ながら、あとで下火だけを足すと上手にできるようだ。このように、火加減は「上火が強め」という癖があるので、シュー生地やマカロンのようにデリケートなお菓子は難しいだろう。また、庫内は幅と奥行きは問題ないものの、高さは低めなので、シフォンケーキを作るのは厳しい。
しかし、今回作ったような簡単なパウンドケーキやカップケーキ、クッキーといったお菓子なら、慣れれば問題なく作れる。「そこまで本格的にお菓子は作らないけれど、簡単なお菓子を作ってみたい」という方なら十分だ。
毎日のトーストも手軽で簡単にできる
一番下か真ん中に網をセットしておけば、扉を開けると網がせり出すので、パンが取りやすい。気軽に使えるトースターの良さをしっかり受け継いでいるので、毎日使うときも一般的なオーブンと違って苦にならない。
予熱を5分ほど行ない、8分ほどコンベクションモードで焼いたところ、こんがり焼けた。下の電熱線はカバーがされているせいか、焼き色が薄い。トーストをする際は、一番下の段に網を設置して作ったほうがよさそうだ。網の移動も付属の取っ手を使えば簡単にできる。
ピザストーンで焼くと、市販のピザがパリパリになる
近所のスーパーで購入した冷蔵ピザを、付属のピザストーンを使って焼いた。ピザストーンは先にしっかり加熱する必要があるので、10分ほど予熱してから8分ほど焼いたところ、表面は焦げ目がつき、裏側もパリパリに。少し厚めのピザ生地だったが、中はもっちりしていた。
やはりトースターで焼くより、ピザストーンを使って焼いたほうがおいしい。ピザストーンの上でピザをカットすることはできないが、食べるまでに少し時間がかかってしまう場合は、ピザストーンごとテーブルに出しておけば、保温もしてくれる。
市販のナンでも試したが、外側はパリパリで中はもっちりしていた。子供達からも大変好評だ。
「オーブンを使ってみたい! 」という初心者にぴったり
本体のサイズは小さいが、放熱スペースは空ける必要がある。調理中は本体全体がかなり熱くなるので、小さいお子さんがいるご家庭では、手が届かない場所に置くようにしていただきたい。
「オーブンを使って調理してみたい」というお料理初心者にとって、いきなり高機能なオーブンレンジを購入するのは、金額の面でも、置き場所の面でも厳しいものだ。そんなお料理初心者にぴったりなのがSCO-313だ。
立ち上がりも早く、ストレスなく使える。コンパクトで価格も安く、毎日のトーストなどでも使えるのが嬉しい。ちょっとしたときにカップケーキやクッキーといったお菓子作りまでできてしまうので、色々と楽しめる。話題のノンフライ料理もおいしくできるので、ダイエット中の方にもおすすめしたい製品だ。