家電製品ミニレビュー
パナソニック「MC-SS310GX」
パナソニック「MC-SS310GX」 |
日中は仕事で外出することが多く、掃除や洗濯といった家事は朝晩に行なうことになる。
だが、築30年を越す木造一戸建の我が家は防音性が低く、朝や深夜にけたたましい音で洗濯機や掃除機を使うのは、近隣に気が引けてしまう。
そこで試したのが、パナソニックのサイクロン掃除機「MC-SS310GX」だ。同社のサイクロン掃除機のラインナップとしては最上位機種にあたる製品で、運転音を最大53dBに抑えた“業界最高水準”の静音性が特徴だ。
メーカー | パナソニック |
製品名 | MC-SS310GX |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | ヨドバシカメラ |
購入価格 | 43,900円 |
■ナノイー&エコナビ搭載で、効率よく運転!
まずはスペックを確認しよう。MC-SS310GXの本体サイズは268×400×313mm(幅×奥行き×高さ)。重量は5.1kgで、サイクロン式掃除機としては一般的なサイズと言える。
本体正面 | 本体底面 | 本体上部の脇に、エコナビ、ナノイー、フィルターチェックの3つのランプを備えた |
本体上部には容量0.6Lのダストボックスを搭載している。本体カラーは今回使用したプレミアムレッドのほかに、シャイニーシルバーも用意されている。
「Y字形状新ブラシ」を採用。ブラシの断面が床に触れる表面積が大きなY字形状で、フローリングの菌までしっかり吸い込んでふき取れる | 容量0.6Lのダストボックスを搭載 | ハンドルの付いたダストボックス |
ダストボックスを外した本体 | 本体後部の排気口周り |
運転モードは「自動/強/ひかえめ」の3種類で、ハンドルに付属の操作ボタンで選択する。
操作ボタンはハンドルに付属。運転モードは「自動/強/ひかえめ」の3種類 | ハンドルは握りやすい形状だ |
まずは「自動」モードで運転を開始した。「自動」モードでは、ゴミの量や床面に応じて効率的に運転する「エコナビ」機能によって、ブラシの回転を制御する。ゴミが多い場所ではしっかり吸引し、少ない場所では省エネ運転するしくみだ。また、ゴミを検知すると、ノズルとパイプの2カ所のランプが赤く光って知らせる。
さっそく掃除に使ってみよう | ゴミを検知すると、ランプが赤く光って知らせる |
排気をクリーンに保つために、本体には同社独自の「ナノイーイオン」の放出機能を備え、ダストボックスには微細なホコリを取り除く「高集じんフィルター」を採用している。確かに排気のホコリっぽさは気にならない。夜、窓を閉めた状態でも掃除できたほどだ。
■「キーン」という耳障りな運転音を抑えている
サイクロン式掃除機に多い高周波音を抑え、静音性を実現するため、MC-SS310GXでは延長管・先端パイプ、本体の各所にサイレンサー設計を採用している。
本体各所にもサイレンサー設計を採用している | パイプには「AIR SILENCER」の文字が刻まれている | 延長管パイプの内側の通気通路 |
運転を始めるとすぐに、運転音の静かさがわかった。ゴミが少ない場所ほど運転音も小さい。スペック上では「自動」モードの運転音は約48~53dBとされているが、体感ではもっと抑えられているように感じる。その理由は、「キーン」という耳障りな高音が聞こえないからだろう。運転音は、空気が抜けていくような低音が中心だ。
いろいろな運転モードで運転音を確認したところ、「強」モードでは音が大きな状態が続くが、それでも高音は響かない。 もう1つの「ひかえめ」モードは、運転音が小さく、消費電力も約300~440Wの範囲に抑えられている。畳などを掃除するにはたよりなく感じたが、フローリング掃除には十分だった。
静音性という面では、家族も同意した。リビングで掃除機をかけていると、扉を隔てた隣のリビングから母がやってきて、「ここで掃除機をかけているとは思わなかった。うるさくないから、別の階で掃除機をかけているのかと思った」と言う。この掃除機の静かさは母にもわかったようだ。
自分でも確認するために、2階で母に掃除機をかけてもらった。1階にいると、ほとんど音が気にならない。まるで隣家で掃除機をかけているような小さな音だ。
ただ気になったのは、コンセントを差し込んだときと、運転を切ったときに鳴る、フィルター掃除の音だ。MC-SS310GXが搭載する「リニア振動フィルター自動クリーニング」では、フィルターに付いたホコリを、1秒間に約220回の振動で振るい落とすという。この時、「ブーッブーッ」という音がけたたましく鳴るのだ。例えるならば、携帯電話を硬い板の上に置いた状態で、マナーモードのバイブが鳴ったときのような音だ。対処法として、こまめに運転をON/OFFせず、省エネ面は「自動」モードにおまかせして、一気に掃除を済ませることにした。これにより、フィルター掃除音が鳴る回数を最小限に抑えられる。運転中の動作音が小さいぶん、フィルター掃除の音だけ目立ってしまうのは残念だった。
■吸引力は長持ちして、ゴミ捨ては簡単
「ゴミすて」ラインまでゴミが溜まったら捨てる |
吸引したゴミは、ダストボックスの「ゴミすて」ラインまで溜まった頃が捨て時だ。ダストボックスに溜まったゴミは、「パワープレスサイクロン構造」によって空気と分離して圧縮される。我が家はゴミのたまりやすい絨毯や畳が多いが、これによりゴミ捨ては1週間に1回程度で済んでいる。ゴミが溜まってくるにつれて、吸引力が低下しているとも感じない。
ダストボックスに溜まったゴミは圧縮されている | ダストボックスに備え付けの「ゴミ捨てボタン」を押すと、ダストボックス下部のフタが開き、直接触れずにゴミ捨てできる | 圧縮されたゴミは、綿のように弾力がある。ダストボックスに溜まったゴミを見ていると、自分の抜け毛の多さに驚いた。これまで使っていた紙パック式掃除機では気づかなかったことだ |
これまで我が家では、毎日家族の誰かしらがちょこちょこ掃除しているので、ゴミ捨ての手間が極力少ない紙パック式掃除機を使っていたのだが、MC-SS310GXではそれよりも運転音が小さいし、こまめにゴミ捨てと手入れができるぶん、清潔さも感じられた。ゴミ捨ての頻度はたいして気にならなかった。
なお手入れはダストボックスを外して、分解して行なう。ダストボックスには「お手入れブラシ」が付属し、ゴミ捨て後にフィルターやダストボックスの手入れができる。
ダストボックスには「お手入れブラシ」が付属 | ダストボックス上部のフタをひねって外す | ダストボックスを分解 |
ネットフィルター | プリーツフィルター |
ダストボックス底面 | 月1回程度の手入れが推奨されている、本体付属のフィルター。軽くはたいてホコリを落とせるほか、水洗いにも対応する |
■意外と小回りがきく点も好評
物の多い場所でも、小回りがきいて使いやすかった |
このほか我が家で好評だったのが、小回りがきくことだ。MC-SS310GXは、本体サイズは268×400×313mm(同)、重量は5.1kgで数字上は決してコンパクトではないが、先方が尖った形だからだろうか、ノズルを引くと軽やかに本体が付いてきて、方向変換も容易だ。
家中の掃除に対応するよう、ノズルも複数用意されている。床用ノズルのほかに、高い場所や狭い場所向けの「子ノズル」、サッシや隙間向けの「すき間用ノズル」、棚の上など近い場所向けの「手元ブラシ」の3つがある。
床用ノズル | 床用ノズルを外すと現れる、子ノズル。高いところや狭い場所の掃除に |
すき間用ノズル | サッシや隙間の掃除に |
ハンドル部の下に備え付けの、手元ブラシ | 棚の上や少し高い所の掃除に |
また、使い勝手の面では、ヘッドやパイプが平らで、柔軟に可動するため、棚やソファの下にも入り込んで掃除できるのが良かった。
ホコリの溜まりやすいオーディオラックの下にも入る | パイプも平らで、ヘッドは柔軟に可動するため、ソファの下も楽に掃除できた |
■掃除機の運転音が気になる方に
運転音は静かなので、出社前や帰宅後にもサッと掃除機をかけることができるようになった。実は我が家は来客が多く、これまで来客中はになかなか音が出る家電が使えなかったのだが、MC-SS310GXなら来客中にも2階の自分の部屋を掃除できた。フローリングの部屋なら、より運転音を抑える「ひかえめ」モードだけでも十分なくらいだ。
静かな掃除機をお探しの方、掃除機のキーンという高周波音が気になる方にぜひ、試してみていただきたい。
2012年3月23日 00:00