家電製品ミニレビュー
無印良品「こたつ正方形・本体・タモ材・フラットヒーター DK-10023」
■初めてのこたつ体験
無印良品「こたつ正方形・本体・タモ材・フラットヒーター DK-10023/N/11」 |
東京にも本格的な寒さがやってきた。読者の皆さまも、エアコンやファンヒーターなど様々な暖房器具を使っていると思うが、今回お勧めしたいのは、日本の冬の暖房器具の定番でもある「こたつ」だ。定番などと偉そうに書いてはいるが、実はこたつを使うのは今年の冬が初めてだった。自宅も実家でも基本的にテーブルで生活していたので、こたつを使うという習慣や発想がなかったのだ。
“ファーストこたつ”として選んだのは無印良品の「こたつ正方形・本体・タモ材・フラットヒーター DK-10023/N/11」だ。800×800mmの正方形のごくコンパクトなもので、特徴はフラットヒーターを搭載していること。従来の一般的なこたつでは2ピンヒーターと呼ばれる少し厚みのあるヒーターを搭載していたが、フラットヒーターはそれよりも厚みが少なく、消費電力も10%程度削減できるという。また、ヒーター部が薄い分、平面積が広く、こたつの中を全体的に温めることができるという。
メーカー | 無印良品 |
製品名 | こたつ正方形・本体・タモ材・フラットヒーター DK-10023/N/11 |
希望小売価格 | 29,000円 |
購入場所 | 無印良品ネットストア |
本体は天板、中天板、脚から成る。使用する際は脚を中天板に固定して、ヒーターを差し込むだけだ。勝手なイメージで、こたつを使うときは準備が大変だと思い込んでいたので、思ったよりも簡単な設置作業に拍子抜けしたくらいだ。
製品パッケージ | 本体の部品。天板、中天板、脚、電源コードが付属する | フラットヒーターを搭載している。ヒーターの厚みは3cmにも満たない |
ヒーターに電源コードを差し込む | ネジで脚を固定する |
さて、こたつを使うのには当然「こたつ布団」がいる。今回は同じ無印良品の「四隅の広がらないこたつ布団セット」を購入した。四隅の広がらないシリーズは、中綿を抜くことで、角の部分のボリュームを抑えたこたつ布団で、こたつの脚に沿うようにして使えるほか、こたつ布団の設置スペースを抑えることができるという。こたつ布団は下敷きと上掛けのセットになっているので、まず下敷きを敷いて、その上の本体をセット、中天板の上に上掛けをかけてから、天板をセットする。
下敷きを引く | その上に本体を設置 | 上掛けをかけて、天板を載せれば設置完了だ |
■足元が温かいと快適!
リビングにこたつを設置してみると、思ったよりもマッチした。タモの優しい色味が、フローリングの室内に自然に馴染んでいる。運転はコードの途中についているコントローラーで調節する。運転モードは弱/中/強の3段階が用意されている。説明書によると、強設定時の温度は約40℃、弱設定時は約35℃となっている。そのほか、5時間後に自動で電源が切れるオフタイマー機能も搭載する。
使い始めて見ると、これが思ったよりもずっと良い。まず、すぐに暖かさを感じられる。
朝の寒いリビングでも、こたつを入れるとすぐにこたつの中が温かくなるので、朝ごはんを食べる時も快適に過ごせる。本体がコンパクトなので、足を入れると窮屈かなと思っていたが、使ってみると中は広々していて、足を縮めることもない。これも、フラットヒーターならではかもしれない。
コードの途中についているコントローラー | こたつの中は広々としている |
また、足元だけを温めるので、暖房使用時特有の乾燥とか、空気の汚れも少ない。頭寒足熱とはよく言ったもので、足元だけ温かいだけで、全身の寒さが和らぐ。たとえば、室内の温度計が14℃を示していても、こたつの中に足をいれてさえおけば、快適に過ごせるのだ。エアコンやファンヒーターによる暖房を長時間使った時のような頭がボーっとするということもない。
さらに、こたつの周りには布団がかぶせてあるので、温度が下がりにくいという利点もある。私の場合、最初は強にして使っているが、30分もすると「暑い」と感じるので、それからは最弱にしている。それでも、「寒い」なとか、「温度が下がったな」と感じることはない。
気になったのは、こたつの下に敷いた布団が柔らかく、ずれてしまうということ。特に複数人でこたつに入ったりするとこたつ布団がめくれ上がってしまう。フローリングの場合、滑り止めなどを使うか、ラグを敷いてそのうえで使うなどの工夫が必要だ。
下敷きには滑り止めなどはついていないので、ずれやすい | こたつ布団も柔らかいので、すぐにずれてしまう | ラグなどを組み合わせて使うのがお勧め |
■コストパフォーマンスもマル
電気代についても、当初考えていたよりも安かった。強設定時の1時間あたりの消費電力量は約151Whで、電気代にすると約3.38円。しかし、前述したように我が家ではすぐに弱に切り替えて使用している。すると、消費電力量は約90Whで、電気代は約1.97円と半額以下になる。強設定を1日2時間、弱設定で1日8時間、毎日使ったとしても、1カ月の電気代は700円にも満たない。確実な温かさを感じられる暖房器具としては、充分なコストパフォーマンスだ。
温かい場所がここしかないので、自然と家族団欒ができる |
こたつを使い始めて意外な効果があった。家中で温かい場所がここしかないので、自然に家にいる人がここに集まる。テレビを見るのも、ご飯を食べるのもこたつでするので、一緒に過ごす時間が増えて、会話も増える。家族団欒が自然にできる暖房器具なんて、こたつ以外にはないんじゃないだろうか。
こたつというと、昔からある暖房器具というイメージがあるが、省エネやフラットヒーターなど確実に進化を遂げている。エアコンの暖房が苦手という人や電気ファンヒーターの電気代の高さに辟易している人は是非一度チェックしてもらいたい。
2011年12月12日 00:00