家電製品ミニレビュー

コーヒーもお茶もおいしい、浄水機能付き電気ケトル

ラッセルホブス「ウォーターフィルターケトル 18554JP」

 ラッセルホブスの「ウォーターフィルターケトル 18554JP」は、浄水器を本体に内蔵したユニークな電気ケトルだ。水道水をろ過し、沸騰させるまでを、これ1つで行なう。つまり、美味しい水をそのまま沸かして、コーヒーやお茶を手軽に淹れることができるのだ。

 浄水器には、ドイツの家庭用浄水器メーカーBRITA(ブリタ)が日本向けに開発したものを採用しており、残留塩素など12項目の物質を除去するという。

メーカーラッセルホブス
製品名ウォーターフィルターケトル 18554JP
購入場所Amazon.co.jp
購入価格10,500円

 ウォーターフィルターケトルは、容量1Lでファミリーサイズだ。本体は250×165×245mm(幅×奥行き×高さ)と大きく、本体重量は約1.1kgとずっしりとしている。ケーブルの長さは約1.1mで短め。消費電力は1,200Wとなっている。

本体は大きく、重量感がある
シンプルな背面
ハンドル下部に電源ボタンを搭載。本体の操作ボタンはこれだけだ
セット一式。本体に浄水カートリッジを1個内蔵するほか、パックに包まれたカートリッジも同梱されている
パッケージ
パッケージには、ラッセルホブスとBRITAのロゴが刻まれている

 一般的な電気ケトルと異なるのは、水タンクに浄水構造を備えた点だ。ウォーターフィルターケトルは、水タンクが上部と下部の二重構造に分かれ、上部から下部に水が落ちる際に、浄水カートリッジを通り抜ける。ここで、水が濾過される仕組みだ。

 この浄水機能の核となる、BRITA社の浄水カートリッジ「Maxtra(マクストラ)」はあらかじめ2個付属している。カートリッジはコンパクトデジタルカメラより少し小さく、中に濾材の活性炭とイオン交換樹脂が入っている。1個で約2カ月使えるので、2つで約4カ月持つ。なお、このMaxtraカートリッジは同社のポッド型浄水器に採用されているものと同じなので、追加購入も簡単だ。

手のひらサイズの浄水カートリッジ「Maxtraカートリッジ」
本体のフタを開けたところ
カートリッジを押し込むだけで、セット完了
ケトル上部に、カートリッジの残り使用日数を表示する目盛りを搭載。2週間後ごとに1目盛りが減っていく

インテリアライトのように青く光る

フタを開けて水を注ぐ

 使い方は簡単。あらかじめ浄水カートリッジをセットしたら、フタを開けて上部の水タンクに水を注ぐ。さっそく約500mlの水道水を注いだ。なお、500mL以下ではお湯が沸かせない。

 本体は半透明のプラスチック素材なので、カートリッジ下部から濾過された水が出てくる様子が見える。約500mlの浄水にかかる時間は約1分ほどだ。

 試しにこの時点で、ろ過した水と水道水を比較した。見た目はどちらも透明だが、まず、ニオイがはっきり違う。水道水はツンとした塩素と鉄の臭いがするが、ろ過された水は臭いが無く、舌触りは滑らかで美味しい。確かに浄水効果が発揮されている。

水タンクは二重構造となっており、浄水カートリッジを内蔵する
半透明のためわかりにくいが、ろ過された水が下部に落ちている
左がろ過された水。右が水道水。ニオイがはっきり違う。水道水はツンとした塩素と鉄の臭いがするが、ろ過された水は臭いが消えている

 さて、浄水が終わったら、コンセントに挿した通電台の上にセットし、電源ボタンをONにする。すると、水タンクに青色のランプが点灯した。「ゴポゴポッ」とお湯が泡立ちながら、青くライトアップする水タンクは、さながらインテリアライトのようだ。

 約3分半でお湯が沸くと、電源は自動でOFFになり、青色のランプも消えた。

通電台にセットした様子
電源をONにすると、青いランプが点灯。インテリアライトのよう

お茶もコーヒーも、本来の味と香りを楽しめる

 まずは煎茶を淹れた。浄水で淹れた煎茶は、爽やかな茶葉の香りが引き立つように感じられる。水道水の生臭さは感じない。舌触りも柔らかい。

さっそく煎茶を淹れた。沸騰したお湯で湯呑をあたため、お湯の温度を下げる
湯呑のお湯を急須に戻して、煎茶を注ぐ
浄水で淹れたお茶は、茶葉の香りが引き立つように感じる

 浄水から沸騰までこれ1つで済むのは、やはり便利だ。通常、やかんで水道水を沸かす際には、お湯を完全に沸騰させてから、更に数分沸かして、カルキを飛ばしているが、ウォーターフィルターケトルなら、浄水カートリッジであらかじめ水道水をろ過するので、沸かした後に待つ時間がなく、お湯をすぐに注げる。

 またこの電気ケトルは、容量がたっぷりとしているため、来客にお茶を出す際に、一度にたくさんのお湯を沸かせるのも良いところだ。

コーヒーを淹れる際にも便利だ

 ドリップパックコーヒーにも相性抜群だ。我が家では、家族皆でコーヒーを飲む際はコーヒーメーカーを使っているが、自分の分だけ淹れたい時には、ドリップパックコーヒーを使っている。

 ドリップパックコーヒーにウォーターフィルターケトルで沸かしたお湯を注ぐと、白い湯気とともに、コーヒーの香りが立つ。そして、アツアツのコーヒーをすすると、水道水で淹れた際よりも、酸味が冴え、コクがあって美味しい気がする。これはいい! 素直にそう思った。

 ケトルの注ぎ口は短いタイプだが、お湯のキレは悪くはない。コーヒーをドリップする際も、ハンドルをしっかり握れば、お湯を少量ずつ注ぐことができる。

パックにお湯を注ぐと同時に、コーヒーの香りが広がる
注ぎ口のお湯のキレは普通。もう少し注ぎ口が細ければ、ドリップには適するだろう
浄水で、コーヒー本体の味と香りを楽しめる

 一方で、安全性にはやや不安が残る。お湯を沸かすと、プラスチックの本体側面はかなり熱くなる。沸かした後にフタを開けて水道水を注ごうとすると、フタがとても熱い。そして、注ぎ口は密閉されていないため、万が一、本体を倒してしまうとお湯がこぼれる。本体の扱いには、くれぐれも注意したい。

本体は分解して洗える

 最後に、ウォーターフィルターケトルのメリットをまとめておこう。これまで浄水器から電気ケトルに水を移し替えていた人は、移し替える手間が省ける。これまで浄水器を使わずにお茶やコーヒーを淹れていた人は、浄水でお茶やコーヒー本来の味を楽しめる。ケトル本体は分解して洗えるので、衛生的だ。

 いつものお茶やコーヒーを、もっと美味しく味わいたい方、ファミリーサイズの電気ケトルをお探しの方にオススメしたい。

小林 樹