家電製品ミニレビュー

アテックス「マッサージチェア ダイニー AX-FR1628」

~インテリアに最も馴染むダイニングに置くマッサージチェア

ダイニングに置けるマッサージチェア

アテックス「マッサージチェア ダイニー AX-FR1628」

 マッサージチェアは、高額なのはもちろん、置き場所を確保しなければいけないという意味でも敷居が高い。それが最近では、リビングに置けるソファー型のものや、小型のものなどが登場してきて、ひと昔に比べるとかなりかなり身近なものになった。

 家電Watchでもこれまで様々なタイプのマッサージチェアを紹介してきたが、今回紹介するアテックスの「マッサージチェア ダイニー AX-FR1628」は、その中でも異色の製品。「ダイニングチェアの背もたれにもみ玉を内蔵した」という表現が最もしっくりくるデザインは、これまで試したどのマッサージチェアよりも、部屋のインテリアに馴染んだ。

メーカー名アテックス
製品名「マッサージチェア ダイニー AX-FR1628」
希望小売価格19,800円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格19,800円

 本体は、背もたれ部分と足組み部分から成る。ちょっとした組み立てが必要だが、付属の道具で行なえるので、女性1人でも問題ない。慣れている人ならば、5分以内で組み立てられるだろう。

製品パッケージ
背もたれ部分と足組み部分が分かれた状態で届く
背もたれに足組み部分を取り付ける。付属の道具を使うので、組み立てに手間はかからない
組み立てた状態
本体側面
本体背面

 組み立てたところで、「あれ? これでダイニングチェアっていえるの?」と心配になったが、これは専用のカバーが付いていない状態。専用のカバーをすると、普通の椅子とほとんど変わらない見た目になる。本体サイズは450×620×1,090mm(幅×奥行き×高さ)と、一般的なダイニングチェアに比べて、背が高いものの、幅や奥行きはほとんど変わらない。

 カバーは、ベージュとブラウンの2色が用意されているが、今回は自宅で使っているダイニングチェアとの相性を考えてベージュをセレクトした。

付属の専用カバー
カバーをした状態。一気に“普通の椅子”っぽくなった
我が家で使っているダイニングチェアと並べたところ。幅はほとんど変わらない
背面が高いものの、奥行きや座面の高さはダイニングチェアとほぼ同じだった

 感心したのが、「リビングに置きっぱなしで使える」という点を徹底していること。一般的なマッサージチェアでは当たり前に搭載されているリクライニング機能も省略。スイッチ類は全て本体に直接配置、つまりカバーをしている時は外側に出ないようにしているので、ダイニングテーブルにセットして使っても違和感がなく、しっかり馴染んでしまった。

電源スイッチは本体背面に備えられている
操作パネルはカバーの下に隠れている
ダイニングテーブルにセットしたところ。違和感はない

もみ玉がしっかり密着する

本体に座ったところ。背もたれが高く、首までカバーしてくれる

 デザインが良いのは分かった。肝心のマッサージ機能はどうだろう。背もたれの部分には、ヒーター内蔵のもみ玉が4つ内蔵されており、操作は本体側面の操作パネルで行なう。コースは、もみ玉が上下に動く「自動コース」のほか、「背中」と「腰」の部分コースが用意されている。

 リクライニング機能もない、ダイニングチェアのようなマッサージチェア――と考えるとマッサージに関してはそれほど期待できなかったが、これが思ったよりも良い。まずは本体の形が良い。背もたれが高く、首までカバーしてくれるので、マッサージ中は上半身全体がリラックスできる。

 また、座った時に適度なバネがあって、マッサージの強さを微調整できる。座った時に、後ろに寄りかかるようにすると、もみ玉が密着して、強めのマッサージが、逆に腰を手前に置くとマッサージを弱めにすることができるのだ。

 もう1つ、今の季節には向かないかと思ったヒーター機能が意外と良かった。気温が高い分、冷房が効いている場所にいることが多く、身体の中が冷え切ってしまっているようで、温かいもみ玉でのマッサージは非常にリラックスできて、気持ちが良い。

 もちろん、何十万もする高級マッサージチェアと比べられるような機能ではない。もみ玉の数も違うし、センサーも搭載されていない。しかし、仕事で疲れて帰宅して、リビングにある椅子にそのまま座ってマッサージできるという、これまでのマッサージチェアとは違う魅力がある。テーブルと合わせて使えるサイズなのも嬉しい。ダイニーに座って、パソコンでメールチェックしながら、テレビを見ながらマッサージできる。

 ただ、1つ注意したいのは、この製品はあくまで腰と背中までしかマッサージできないこと。首や肩周りがコリやすい人には向かないだろう。

普通の椅子としても使える

座面の高さが一般的なダイニングチェアと変わらないので、食事をしたり、仕事をしたり、普通の椅子としても十分使える

 普通の椅子としてももちろん使える。背もたれに強めに寄りかかると中のもみ玉が少しごつごつするが、普通に座っている分には特に違和感を感じない。実際、このマッサージチェアに座って食事したこともあるが、何の問題もなかった。

 実はこれまで紹介してきた、「自宅に置きやすい」「コンパクトな」マッサージチェアというのは、リビングを設置場所に想定していることが多かった。本来ダイニングは、食事をする場所なので、そう考えるのも当然だろう。しかし、最近の住宅はダイニングとリビングが1つの空間にあるリビングダイニングというのが増えてきた。リビングは食事を取るためだけの場所ではなく、リビングと同じような団らんやリラックスの場所になっているのかもしれない。

 しっかりした本体とカバーがセットで、実売2万円以下と考えるとかなりお買い得な製品だ。テーブルと椅子から成るいわゆる「ダイニングセット」を使っているご家庭であれば、より導入しやすいだろう。

阿部 夏子