家電製品ミニレビュー

アテックス「ルルド マッサージチェア AX-HL178」

~腰がラクになった! マッサージ座椅子
by 小林 樹
アテックス「ルルド マッサージチェア AX-HL178」

 週末に家電量販店に行ったところ、マッサージソファは人で埋まっていた。座っている人たちは一様に、極楽顏。私も試しに座ってみると、マッサージ機能が心地よくてついつい眠くなり、夢見心地の中で「これ、家に欲しいなぁ…」と切に思う。

 だが、いざ現実に返って考えると、置き場所がない。マッサージソファは大きく場所をとるため、狭い我が家のリビングには入る余地がない。

 そこで、狭い空間にも置けるマッサージチェアがあったので、使ってみることにした。アテックスの「ルルド マッサージチェア AX-HL178(以下、ルルドマッサージチェア)」は、マッサージ機能付きの座椅子だ。

 


メーカーアテックス
製品名ルルド マッサージチェア AX-HL178
直販価格14,800円

 ルルドマッサージチェアは、本体に4つの揉み玉を内蔵した、マッサージできる座椅子だ。マッサージ機能のほかに、座面を温めるヒーター機能も搭載している。ヒーター付きでも消費電力も20Wと低く抑えられているため、1日1時間使用した場合、電気代は月額で約13円というのも気に入った。

 届いた本体は、想像よりも大きかった。開いた時の本体サイズは最大500×820×525mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は8kg。本体にはACアダプターが付属し、電源コードの長さは約2mある。

 折り畳んだ状態だと、全体的に丸みを帯びていて、お菓子のマカロンみたいだ。本体表面は、毛足が長めのふわふわした素材に覆われている。

 カラーはチョコブラウンを選んだが、このほかに、白い水玉模様の「ドットクリーム」とピンク色の「ローズ」がある。

上から見たところ横からみたところ。小さなリモコンが本体にくっついている本体底面。見えづらいのだが、滑り止めのゴム素材が使われている

 本体には、取っ手がついており、畳んで持ち運ぶこともできる。だが、実際に持ち上げてみると、8kgは意外と重く、階段などを運ぶには力が必要だった。

 本体を開くと、背もたれの下部に濃いブラウンの生地の部分がある。ここが、揉み玉が移動する部分だ。

 座面の高さは90mm。座ると、硬さは感じない。

本体を開くと、背もたれの下部に濃いブラウンの生地の部分がある。ここが、揉み玉が移動する部分だ実際に持ち上げてみると、8kgは意外と重く、階段を運ぶには力が必要本体底面に貼られたラベルには、「1回の使用は15分以内にしてください」と書かれている

 背もたれの下部の腰の部分には、揉み玉の当たる感触がある。背もたれは100度~135度の間で、3段階でリクライニングする。背もたれを起こした状態だと、椅子に腰掛けているような姿勢になるが、最大限に倒すと、後ろにのけぞってしまう。2段階までなら、ソファに腰掛けてくつろいでいるときのような感覚で、心地よい。

背もたれを起こした状態2段階目のようす背もたれを最大限倒した状態
1番起こした状態だと、椅子に腰掛けているような姿勢になるほどよく背もたれを倒すと、ソファに腰掛けてくつろいでいるときのような感覚だ背もたれを最大限に倒すと、やや背もたれの高さが足りなかった

 機能は、マッサージとヒーターのみ。拍子抜けするほど、シンプルだ。本体の左側にくっついている小さなリモコンには、マッサージとヒーターのON/OFFボタンがそれぞれ1つずつついており、一回押すとONに、もう一度押すとOFFに切り替わる。細かいコースや時間などの設定は一切ない。リモコンの下部には、ACアダプターの接続端子を繋ぐ部分も備えている。

リモコンは本体にくっついていて、とても小さいリモコンの下部には、ACアダプターの接続端子を繋ぐ部分も備えている
ルルドマッサージチェアのマッサージ範囲。揉み玉にヒーターを搭載している

 さっそくマッサージ機能を試してみよう。ルルドマッサージチェアのマッサージ機能は、4つの揉み玉によって行なわれる。4つの揉み玉が回転しながら、肩甲骨の下あたりから、腰あたりまで上下運動を繰り返しながら刺激する。

 ルルドマッサージチェアに体をゆだねていると、揉み玉がいったりきたりしているのが背中に伝わってくる。背骨の脇に沿うようにして、グイグイ揉み解してくれる。骨の周りに凝り固まった筋肉を、ほぐすように押してくる。骨と強さは選べないが、強いマッサージが好きな私にはこれくらいの強さがちょうど良い。

 肩の部分まで揉み玉があがってこないのは惜しい感じがするが、肩甲骨の下あたりまでは揉み玉は届く。

 動作音は、やや低音の「ウィーン」という音。マッサージ中の揉み玉の様子は、以下の画像と動画をご参照されたい。

マッサージ機能を使っていないときの揉み玉の位置マッサージのスイッチを入れると、揉み玉が回転しながらのぼっていく揉み玉が1番上まで来ている状態
4つの揉み玉が回転しながら上下運動を繰り返す。動作音は、やや低音の「ウィーン」という音がする
 ヒーター機能のスイッチを入れて3分ほどすると、ほんのりとした体温のようなぬくもりが伝わってきた。揉み玉そのものにヒーターが搭載されているため、揉みながら暖められ、じわじわと自分の背中が汗ばむ。背中や腰周りの血行がよくなっている感じがする。足腰が冷えて辛い時期には、特に重宝しそうだ。

 使い勝手の面では、持ち運びできる点が1番気に入った。我が家のように2階建て住宅だと、1階のリビングやダイニングのほか、2階の部屋でもテレビを見たりくつろぐことがあるので、一緒に階段を上り下りできるサイズだと使いやすい。

 基本的には床に置いて使用するものなのだが、1階のダイニングでは、椅子の上に置いて使ったりもした。家族が座って試したところ、「床に直接置いて使うよりも足が楽」という意見で、ややかさばるが、クッション代わりに使ったりもした。

椅子に設置。我が家の椅子では安定して設置できたが、オススメできる使い方ではないので、注意していただきたい家族が座って試したところ、「床に直接置いて使うよりも足が楽」という意見だった

 また、座椅子の形をしているので、和室にもなじむ。畳に座ってゲームをしたり映画を観る際には、背もたれの角度を調整できて、ちょうど良い。普通の座椅子としても十分使える。

 逆に使いにくさを感じたのは、背もたれの高さだ。あくまでも座椅子だから、仕方ないのかもしれないが、深くもたれようとすると、首がガクッと後ろに倒れてしまう。

 もう一点気になるのは、付属のACアダプターだ。サイズがかなり大きめなので、コンセントをふさいでしまうのだ。

深くもたれようとすると、首がガクッと後ろに倒れてしまうので、もう少し背もたれの高さがあると嬉しい付属のACアダプター(上)が大きめで、コンセントをふさいでしまう

思わぬところで効果が表れた

  使ってみて驚いたのが、意外と本格的な揉み心地が味わえるところだ。センサーで感知しているわけでもないのに、不思議と背骨の脇のつぼが密集しているラインにグイグイ当たる。腰まわりを部分的に揉み解せるだけでも、スッキリ感が得られる。

 10年以上肩こりと腰痛に悩まされている私は、これまでさまざまなハンディマッサージャーや、木製のマッサージ器に手を出してきた。人に薦められたカイロや整体、整形外科に足を運んだりした。ひどい時は、週に数回マッサージ屋に駆け込んだりもした。、結局自分の背骨が曲がっているため、根本的に治すことは難しく、日々の生活の中で、毎日ストレッチやヨガをして、なるべく体が凝らないように予防するよりほかなかった。

 だから正直、電動マッサージャーのたぐいには、もうあきらめていた。ルルドマッサージチェアも使ってみるまでは効果は半信半疑だった。

 しかし、ルルドマッサージチェアを使うようになってから、マッサージ屋に行く回数がめっきり減ったのだ。毎日帰宅後に10分ほど乗るだけで、腰周りのキツさはだいぶ和らぐ。肩そのものを揉み解すマシンではないが、肩が凝り固まることも減り、月額の通院コストに換算すると、数千円は浮いた。帰宅中、マッサージ屋に行きたくなっても、家に帰ってルルドマッサージチェアで済ませればいいや、と思うようになった。下手なマッサージ器具だと、一度使ってそれっきり、ということもあるが、ルルドマッサージチェアは継続して使えており、自分の体には合っている気がする。

 我が家のように、和室で床に座して長時間映画をみたり、ゲーム機を使ったりする人には、座椅子タイプのマッサージチェアがオススメだ。ソファや椅子に座っている人には、手軽に置けるルルドマッサージクッションというものも以前記事で取り上げているので、そちらをご参照いただきたい。

 量販店にドドンと並べられている高級なマッサージソファのように、本格的な効果を求める人の期待には応えられないかもしれないが、安いマッサージ機器でイマイチ効果を得られなかった人や、ちょっとしたリラクゼーション機能のあるマシンを傍に置いておきたい人に、ぜひ試していただきたい。小型でも、ここまでやってくれるのだと思える製品だ。






2011年8月5日 00:00