家電製品ミニレビュー

ドウシシャ「PIERIA NPM-1081U」

~AC/USB/単三乾電池で動くデスクトップ扇風機

今年もデスクファンのシーズン

ドウシシャ「PIERIA NPM-1081U」

 東京は、梅雨入りしたあとも暑い日が続いている。

 家電Watchのオフィスでは、エアコンが稼働し始めているが、温度設定は極めて控えめだ。2年前の計画停電以来、夏の間の基本設定は28℃になっている。とりあえず、外からオフィスに帰ってきたときには、自分用のデスクファンで、強い風に当たりたいと思う。これから夏にかけてがデスクファンのシーズンだ。

 今年もたくさんデスクファンの新製品が出ているが、今回はドウシシャの「PIERIA(ピエリア) NPM-1081U」を紹介しよう。この製品の特徴は、使用する電源の幅が広いことだ。AC、USB、そして単三乾電池4本の3通りの電源で使用できる。

 なお、本体色はホワイト、ブラウン、ブルーの3色があるが、今回はブルーにした。実売価格は2,000円を切っており、お手頃と言って良いだろう。

メーカー名ドウシシャ
製品名PIERIA NPM-1081U
希望小売価格オープンプライス
購入場所Amazon.co.jp
購入価格1,800円

ちょっと大きめの本体

 到着したパッケージは、デスクファンにしてはとても大きい。箱の幅は約17cm、高さは約30cmもある。

パッケージは縦長で、長辺は30cm弱ある
背面は仕様が書かれている
パッケージの中身。上から本体、下は左がUSBケーブル、右がUSB-ACアダプタ

 パッケージには、本体、USBケーブル、USB-ACアダプタ、取扱説明書が入っている。この手の商品では、取扱説明書は紙1枚のことが多いが、この製品の取扱説明書は8ページもあるまともなものだった。

 デスクファン本体も、大きめで、ファンの直径は約12cmある。たぶん、工業用の5インチ(約12.7cm)ファンを流用したものだろう。

本体の横幅は15cm強だ
奥行きは10cm強ある
右の無印良品デスクファン(昨年型、首振りなし)との大きさ比較。デスクファンとしてはちょっと大きめなのがわかる
取扱説明書は8ページもある

 本体は2つ折になっており、ファンの角度は2段階に選択できる。本体は樹脂製で、約400gと軽量だ。

 台座の部分が電池ボックスになっている。電池は単三乾電池4本だ。USBとACからの給電端子も、台座の部分にある。AC電源で使うときは付属のUSB-ACアダプタを使用する。

 電源ボタンは本体の前にあって分かりやすい。1度押すと弱、もう1度押すと強、さらに押すと切になる。操作部分は、これだけだ。

本体正面。ほぼ正方形のデザインだ
電源スイッチは正面にある
本体背面
ファンは7枚羽根だ

そこそこの風量と動作音

 とりあえず、乾電池を入れる。電池の種類はアルカリ乾電池が推奨されている。一応、エネループでも動いたが、自己責任で試してほしい。

乾電池は本体の台座部分に入れる
ファンが回転している状態
ごちゃごちゃした机の上だと電池駆動でケーブルがないのはありがたい

 電源スイッチを押すと、弱で運転が始まる。

 風量は弱でも、十分にある。少なくとも、顔に風を当てて涼を取るには、これで足りるだろう。ただ、風の指向性は強くないので、少し離れるとふわっとした感じになる。ずっと、風を当てておくには、かえってこの方が良いかもしれない。

 ファンの音は乾いた音質で、音量はそこそこ大きい。静かさで定評のある無印良品の二重反転プロペラデスクファンに比べると動作音は大きいが、この手のデスクファンの中では一般的な音量だ。

 風量を強にすると、風量は増えるが、かなり動作音が耳につくようになる。一般的なオフィスでは、弱で使う方が良いだろう。強は、外出から戻った時に短時間使うという使い方が向いている。常時、強にしておくと、隣の席の同僚から注意されるかもしれない。

 続いてUSB電源で試してみる。付属のUSBケーブルの長さは約1cmある。USB側は標準プラグ、デスクファン側はUSB端子ではなく、ミニプラグだ。電池で動かしているときにケーブルを差し込むと、機器の保護のために電源が切れるが、もう1度、電源スイッチを押せば動く。

パソコンのUSB端子から給電している状態
本体の電源ケーブル端子は台座の右側面にある
USB-ACアダプタとUSBケーブル
付属のケーブル。USB側は標準サイズ、聞き側はUSB端子ではなくミニプラグになっている

 乾電池だと、1.5V×4で6Vなのに対し、USBだと5Vなので、ファンの回転数が落ちるかと思ったが、パッと分かるほどの差はなかった。

AC電源で使用するときは、USBケーブルの先にUSB-ACアダプタをつなぐ

 ついでに付属のUSB-ACアダプタを使って、AC電源で動かしてみた。この場合も特に回転数の差は感じられない。なお、AC電源使用時の消費電力は3.5W、1時間あたりの電気料金は約0.08円とされている。

 ファンの風量は電源によらず十分だが、ファンの角度にはちょっと不満がある。先に書いたように、ファンの角度は100度と120度の2段階から選べる。しかし、机の上にデスクファンを置いて顔に風を当てようとすると、もう一段階ファンを倒したいと思うときがあった。120度だと、50~60cmほど離した状態で、顔に風が当たるのだが、デスクファンを、もうちょっと近くに置きたい時があるのだ。これについては、使いこなしで対応できるので、あとで説明しよう。

2,000円以下ならお買い得

 何日か使ってみての印象は、コストパフォーマンスが高いことだ。

 とくに、使える状況に応じて3通りの電源が選べることは、大きい。オフィスの状況に応じて、AC電源が使える人はACから、コンセントがない人はUSBから、会社の電源を使うことに制約や抵抗がある人は乾電池と使い分けられる。USBケーブルやUSB-ACアダプタもパッケージに入っているので、追加の部品も必要ない。電源は、オフィスの電源事情に合わせて選べば良いだろう。

 乾電池駆動時はワイヤレスで使えるの良い。ちょっと風の向きを変えたり、机の上で置き場所を変えるときに、ケーブルを気にしないですむのはありがたい。

 使い勝手の面でも合格点だ。スイッチが前パネルにあるので、分かりやすい。また、風量と動作音も、実用的に使える範囲にある。もうちょっとファンが静かならとは思うが、まぁ、こんなものだろう。

 使いこなしのテクニックというほどではないが、実際に使う電源に関わらず、本体に乾電池を入れておくことをお勧めしたい。これでずっと本体の安定が良くなる。この状態だと、ファンをもう少し倒したいときに、本体の前端部に消しゴムなどを挟んで角度をつけても安定して使える。

 それに、乾電池がいつも入っていれば、気が向いたときに、いつでも机を離れて持ち歩けるではないか。さすがに会議室に持ち込む勇気はないけれど。

本体側面。角度は120度に設定していて、これ以上ファンが斜めにならない
消しゴムなどで、本体の前を持ち上げると、ファンに角度がついて顔に風が当てやすくなる

伊達 浩二