家電製品ミニレビュー
イデアインターナショナル「BRUNO コンパクトオーブントースター」
~コンパクトで使いやすい“世界最小級”のオーブントースター
by 藤原 大蔵(2013/5/23 00:00)
まわりはサクサク、中はモッチリ&ふわっふわ。香ばしい焼きたてのトーストは、それだけで1つのご馳走だ。シンプルなトーストはもちろん、ピザトーストなど、具材を載せて焼けるオーブントースターは、ポップアップ式よりも便利。揚げ物などの温めなおしにも重宝する。
とはいえ、オーブントースターは案外デカイ。小型の物でも奥行きは300mm前後もあり、熱を発する器具だけに、設置にはそれなりのスペースが必要だ。ただでさえキッチンは小物や調理器具が溢れやすく、「焼く」ことしかできない器具の購入を見送っていた方もおられるのではないだろうか。
今回は数ある製品の中から、“世界最小級”のコンパクトサイズが最大の特徴であるオーブントースターを紹介しよう。イデアインターナショナルの「BRUNO(ブルーノ) コンパクトオーブントースター BOE-008-WH」だ。一際目を引くコンパクトさ、シンプルなデザインに家電量販店で一目惚れ。衝動買いしてしまった。
メーカー名 | イデアインターナショナル |
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製品名 | BRUNO(ブルーノ) コンパクトオーブントースター ホワイト BOE-008-WH |
希望小売価格 | 4,200円 |
購入店舗 | ヨドバシカメラ |
実売価格 | 4,180円 |
世界最小級と称しているだけに、一度に焼けるパンの枚数は、正方形の「食パン」1枚だけ。背の高い山型食パン(ラウンドトップ)は縦にも横にも入らない……と聞くと、オーブントースターとして物足りなく感じるかもしれない。
しかし、結論を先に述べてしまうと、コンパクトな分、小さな食卓にもラクに乗せられるのだ。食べながらおかわりのもう1枚が焼け、常に熱々のトーストが楽しめる。焼きあがったトーストにまだ固いバターを乗せ、再びトースターに入れれば、食卓の上で確認しながら溶かすことだって簡単。一般的な大きさのオーブントースターでは難しい芸当が当たり前にできるのだ。
コーヒーメーカーの隣に置けるほどコンパクト
実際に使う前に、大きさと付属品を紹介しよう。開梱すると、焼き網がセットされた本体、トレーの2点が出てくる。
本体の大きさは175×181×190(幅×奥行き×高さ)で、重量は1,570g。奥行きが一般的なオーブントースターの2/3以下なので、棚板の奥行きが30cmもあれば楽に設置できる。コードの長さは約1.5mだ。前述したテーブルの上はもちろんだが、普段はコーヒーメーカーの脇にチョコンと納まっている。
庫内サイズは132×143×96mm(幅×奥行き×高さ)で、焼き網の表面は125×134mm(幅×奥行き)という食パン1枚のジャストサイズ。付属するトレーは119×119×17mm(幅×奥行き×高さ)。トレーは焼き網の上に置いて調理する。
調理はタイマーダイヤルを回して時間をセットするだけでスタートする。調理時間は最大15分だ。ヒーターは上下に1本ずつあり、出力は合わせて430W。それぞれが金属製のカバーで覆われている。火力の切り替えはできないが、焼き網を外して上下反転すれば高さが変えられ、食材への熱の当り具合が調節できる。
焼き網の取り外し、取り付けはとても簡単だ。焼き網の手前を持ち上げれば軽く外れる。取り付けは、まず焼き網の奥のくぼみを、本体奥のパイプに引っ掛ける。次に焼き網の手前のくぼみを、本体手前のパイプに載せ、焼き網を押し下げると「カチン」と鳴って完了。パイプにシリコンが巻いてあり、スムーズな取り外し、取り付けができた。焼き網の上下を反転させた差は約20mmだった。
歯ごたえサックリ、中はモッチモチなトーストが3分で焼きあがる
早速トーストを焼いてみよう。食パンはヤマザキの「芳醇」(6枚切り、112×115×20mm)と、Pascoの「超熟」(4枚切り、110×130×28mm)を用意した。食パンは各社サイズが微妙に異なるが、どちらも焼き網に問題なくのった。ためしに、6枚切りは焼き網を上向き(高い位置)、4枚切りは下向き(低い位置)で、余熱なしで焼いた。
タイマーは「カッチカッチッ」と結構な大きな音が鳴るがご愛嬌。調理が終了すると、「チーン」とベルが高らかに鳴る。本体のデザインに似合い、アナログ感が小気味良い。
いずれも3分ほどで、表面がおいしそうなキツネ色に焼きあがった。どちらも香ばしくてとてもおいしい。パンの厚みや網の高さに違いで、多少の焼きムラができるが、どちらも表面はサクサクと歯ごたえが良く、中はアツアツでモッチリ。本当においしい。火力が弱めでも、庫内が小さいので、熱の回りが良いのだろう。思ったよりも早く焼きあがった。
また、個人的な好みだが、パンの耳が焼けすぎないのが気に入った。庫内が狭く、ヒーターの熱が直接届きにくいのか、パサパサガリガリにならず食べやすい。
焼き網を下向きにした4枚切りは、下のヒーターに近いせいか、パンの裏側が少し焦げ気味。何枚か焼いてみたが、パンの厚みが変わっても、焼き網は上向き (高い位置)で焼くのがベストなようだった。
パンくずは、本体底のスライド式のくず受け皿に溜まる。コンパクトながらも、その辺の作りはしっかりしている。ただし、パンの出し入れの時に扉のヒンジ付近にもパンくずが落ちるので、掃除は忘れずに。
トレーを使って、簡単おかずもお手のもの
ブルーノには小さいながらも調理用トレーが付いている。大きな食材は乗せられないが、トーストと同じように、食卓でも簡単におかずが焼けて楽しい。本製品はサーモスタットが付いており、庫内の温度が高温になると自動的にヒーターが消えるため、焦げ付きにくい。
今回は2種類、朝食用に目玉焼き、夕食用に塩鱈のホイル蒸し焼きを作ってみた。
目玉焼き
トレーにオーブン用のクッキングシートを敷き、ソーセージ、プチトマトにブロッコリーを生のまま並べ、卵を落とす。ブロッコリーの厚みがあるので、焼き網は下向き(低い位置)にし、約7分間焼いた。
目玉焼きは卵黄にも火が通り、固めに仕上がった。裏側は焦げ付いておらずおいしい。ソーセージは軽く焼き目が付き、とてもジューシー。プチトマトは表面が軽く割れ、甘みが一層引き立つ。ブロッコリーは歯ごたえがあり、色鮮やかに焼きあがった。いずれも材料を一度に載せて焼くだけなので簡単で、とてもおいしく出来上がった。
塩鱈のホイル蒸し焼き
塩鱈のホイル焼きも簡単だった。トレーに二回り大きなアルミ箔を敷き、塩鱈、きのこ、半分に切ったトマト、スライスした長ネギを並べる。最後にバターを散らしてアルミ箔で包む。材料の高さはないので、焼き網は上向き(高い位置)にし、じっくり12分蒸し焼きにした。
鱈はふっくらと焼きあがり、バターの風味も効いている。きのこはしゃきしゃきと歯ごたえが良く、バターと鱈からの塩味が滲みていて、そのままでおいしい。トマトと葱も甘く仕上がった。水気が多い食材なので、調理に多少時間はかかったが、想像以上に良い出来だった。
多少放っておいても、サーモスタットの働きで焦げ付きも無く、おいしく仕上がった。また、クッキングシートが燃えるような事も起こらなかった。
熱々のトレーはもちろん手では掴めない。だが、小さなトレーなので、取り出しは手持ちのフライ返しがピッタリだ。すべり落とさないように気をつける必要はあるが、分厚く手の感触が鈍るオーブンミトンよりも勝手が良かった。
今回は作り馴れているおかずを作ったが、本製品にはミラノ風カツレツや、ココットなど10品目の専用レシピも付属する。
オーブントースターの置き場所に困っていた人にお勧め
定格消費電力は約430Wだが、実測では418W前後だった。消費電力は低いが、庫内が小さいので、熱の回りが良く、思ったよりも早く調理できた。タイマーは物理的に切れるタイプなので、待機電力は0W。また、タイマーダイヤルが固めなので、何かのはずみで回ることもなさそうなので、普段はコンセントに挿しっぱなしにしておいても良さそうだ。
消費電力が低いため、同じコンセントに挿してある別の調理器具が同時に使えるのが便利。一般的なコンセントは15A(アンペア)まで。本製品の使用は約4.2Aしか使わないので、コーヒーメーカー(4~7A前後)などと同時使用ができるのが嬉しい。
トーストはおいしく焼きあがり、簡単なおかずもまかせっきりで調理できる。一度に1人前しか調理できないが、その分設置スペースが取られず、食卓の上でも調理できるのが楽しい。パーソナルユースとして、実力十分なだけでなく、置き場所が無く、今まで敬遠していた人にも是非お勧めしたい、お洒落なコンパクトオーブントースターだ。