家電製品ミニレビュー

レコルト「スマイルベイカー RSM-1」

~スイーツからご飯まで幅広いメニューに対応するパンケーキメーカー

流しこむだけ。3分で綺麗なパンケーキが焼ける!

レコルト「スマイルベイカー」

 世間ではどうやらパンケーキブームが訪れているらしい。引きこもりがちの筆者には関係ないもの……と思っていたら、ハードウェアという形で我が家にもブームがやってきた。レコルトの「スマイルベイカー RSM-1」である。

メーカー名レコルト
製品名スマイルベイカー RSM-1
希望小売価格5,250円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格4,431円

 スマイルベイカーを一言でいえば、とってもシンプルな、小さなホットプレートだ。180×207×120mm(幅×奥行き×高さ)で、重さ1.02kgのコンパクトな本体に、パンケーキ プレートが2枚、ジンジャー ブレッド マン プレート1枚、フラット プレートが1枚がセットになっている。

左からプレートホルダー、ジンジャー ブレッド マン プレート、本体、取扱説明書とレシピ集、フラット プレート。(パンケーキ用プレートは、本体内にセット済)
上から見た様子
背面の様子
裏側の様子
カバーをあけると、パンケーキ プレートが現れる
プレートロックを引くと、プレートがはずれ、交換できる
プレートをはずすと、ヒーターが現れる
上下のパンケーキ プレートをはずしてみた。構造的にはこれだけだ
「ジンジャー ブレッドマン」用のジンジャー ブレッドマン プレートと、フラットプレートをセットした状態

 普通のホットプレートと違うのが、食材を挟み込むようにして加熱すること。イメージ的にいうとワッフルメーカーやホットサンドメーカーに近い。とにかく、このスマイルベーカーを使うと、パンケーキがわずか3分で焼ける。

 付属のレシピに従って、ホットケーキミックスをベースとした生地を用意し、油を馴染ませたプレートに流し混むだけだ。あとは、カバーをして3分間待つだけ。裏返したり、様子を伺う必要もなく、タイマーで時間さえ見ていれば、確実に美しい円形のパンケーキが誰にでも焼けるのである。

付属のレシピ集には、基本のパンケーキから、アレンジまで7種類のパンケーキと、ジンジャー ブレッドマンのレシピ入り
オプションで、パンケーキ以外のメニューを含む50種類のレシピが収められたレシピ集「今すぐ使えるスマイルベイカーの簡単レシピ」も用意されている

 本体に電源スイッチは用意されておらず、電源ケーブルがあるのみ。スイッチの代わりに、電源ケーブルをコンセントに差し込めば、加熱が開始されるというシンプルな構造だ。加熱の状態は、カバーについた予熱・加熱ランプで分かる。加熱が開始されると点灯し、温度に達するとランプが消える。温度調節は自動的に行なわれ、常に一定に保たれるため、何度作っても、失敗なく焼くことができるという。

 正直、最初はただの“ホットケーキ”が作れるマシンだよね、と侮っていた。「うん、綺麗に焼けるね」程度で終わるのかと思いきや、その活躍の幅の広さにびっくり! スイーツとしてのパンケーキだけでなく、食事も作ることができ「これいい!」の連続。焼き続けているうちに、自分にうれしいパンケーキメニューまで見えてきて、もはや手放せない存在になってしまった。

 そんな楽しい「スマイルベイカー」で、どんなものが作れるのか、順を追ってみてみよう。

基本の「パンケーキ」(付属レシピ)と「ホットケーキ」を焼く

 スマイルベイカーの基本のパンケーキ生地は、ホットケーキミックスに、卵、バタ-、牛乳、砂糖を加えて作る。これを、予熱したプレートに油を塗り、生地を流し混んで3分加熱する。通常のホットケーキミックスなら、卵と牛乳のみだが、バターと砂糖を追加することで、食感がややしっとりし、味にコクが加わるようだ。

 油を塗ったばかりの初回は、焼き色がまだらになりやすいが、回を経る毎にこんがりと綺麗になるのが楽しい。プレート上部はムラができやすいが、盛りつけの際は、下のプレートで焼けた綺麗な側を上にすれば問題ない。

基本のパンケーキ5枚分の材料
加熱状態は、ランプで分かる
最初は油を塗布して馴染ませる
プレートに流し混む量は、大さじ5~6杯程度
焼けるにつれて、湯気とともにいい香りが漂う
焼き上がったパンケーキ
トングで取り出す
厚みにばらつきはあるものの、6枚焼けた
綺麗な丸になっただけでもうれしい。オーソドックスに、バターとメイプルシロップでいただく

 プライパンでは、いびつになったり、大きくなりすぎて、裏返す際に緊張を強いられることもあるが、特にひっくり返さなくていいというのは大きな魅力だ。中も生焼けの部分などはなく、一定のクオリティが保てるというのはうれしい。

 なお、見た目がかわいいので、つい触りたくなるかもしれないが、調理中は相当熱くなっており、ヤケドの危険性がある。お子さんと楽しむ際は、本体に触れないよう十分注意していただきたい。

 焼けたパンケーキを、粉砂糖、フルーツと生クリームでデコレーションすれば、レシピ集にも紹介されている「ハワイアンパンケーキ」の完成である。今回はホイップ済みの生クリームと、カットフルーツなどを駆使してみたが、まさか自宅でこのようなものが食べられるようになるとは思わなかった。

 バターと砂糖を加えない通常のホットケーキミックスでも焼いてみたが、これも満足のいく焼き上がりになった。

筆者にもハワイアンパンケーキが作れた!
こちらはホットケーキミックスだけで作った“ホットケーキ”。見た目はパンケーキと変わらない。カロリーが気になる方はこちらでもいいかも?

 冷凍保存できる点も魅力。多忙な朝は、電子レンジで温めるだけで、熱々のパンケーキが食べられる。この熱を利用してチーズなどを挟めば、スイーツから食事に早変わり。甘さ控えめに作っておくと、アレンジしやすそうだ。

たくさん焼いたら、小分けして冷凍保存
温めなおしたパンケーキの間にチーズを挟めば、朝食にピッタリのメニューに。温めるだけなので手間もいらない

「ベーコンとチーズのパンケーキ」を焼く

パンケーキを焼く際、上にカットしたベーコン1枚分を乗せる

 シンプルなパンケーキもいいが、もう少しゴージャスにしたい、そんなときにお勧めのレシピが、付属のレシピ集に掲載されている「ベーコンとチーズのパンケーキ」である。何が違うかといえば、基本のパンケーキを焼く際に、ベーコンを乗せる点だ。焼き時間は3分と変わらないが、こんがり焼けたベーコンが魅力的な、お食事系パンケーキが簡単にできあがる。

 今回は2枚分の材料で、普通のパンケーキ1枚、ベーコン乗せを2枚焼いて、シンプルなパンケーキにカッテージチーズを、ベーコン乗せには、ポーチドエッグの代わりに温泉卵もトッピング。さらにアボカドなどのサラダも加え、大きなプレートにしてみた。これが大ヒット! パンケーキだけではどうしても糖質と脂質のみになりがちだが、これなら栄養のバランスもバッチリ。定番メニューに決定した。

カバーをして、3分後にはこの通り!
サラダとともに、お皿に盛りつけると、かなりゴージャス
卵好きにはたまらない一品に

「ジンジャー ブレッドマン」を焼く

要領は基本のパンケーキと変わらない。油を塗布して、生地を流し混むだけだ

 「ジンジャー ブレッドマン」とは、生姜を入れた焼き菓子の一種で、欧米ではメジャーな存在だとか。「スマイルベイカー」には、この「ジンジャー ブレッドマン」が1度に4種類焼けるプレートが付属しているので、試してみた。

 レシピ集を参考に用意した生地は、パンケーキよりもやや水分が多めとなる。これを「ジンジャー ブレッドマン プレート」のくぼみの8割程度を目安に流し混み、2分半焼くのだ。すると、やわらかい「ジンジャー ブレッドマン」ができた。欧米風のクリスマスを楽しみたい方にはいいかもしれない。

 これも冷凍保存できるので、焼けるときにたくさん作っておくと、小腹が空いたときに助かりそうだ。

8割を目安に流し混んでも、すぐ膨らんでくる
完成した「ジンジャー ブレッドマン」。パクパク食べてしまう
生地を入れすぎるとくっついてしまうので要注意だ

「お好み焼き」を焼く

 これまではホットケーキミックスを使った「パンケーキ」が中心だったが、いよいよお食事編とも言えるメニューをご紹介したい。まずは付属のレシピ集にある「お好み焼き」だ。

 市販のお好み焼き粉、卵、水、揚げ玉、千切りキャベツ、青のりを使って生地を作り、パンケーキを焼く要領で焼いていく。仕上げは、定番のソース、マヨネーズ、青のり、鰹節である。

 パンケーキ プレートにキャベツの入った生地を入れ、カバーをして3分。焼いている途中で生地が膨らみ、カバーが大きく持ち上がってハラハラしたが、中のキャベツまでしっかり熱が通ったお好み焼きができた。1枚3分で焼けるので、お腹が空いているときはかなり便利。しかも、ここでもひっくり返さなくて済むのがメリットだ。

お好み焼きの材料
キャベツ入りの生地を流し込む
焼いている途中にカバーが持ち上がってくる
できあがったシンプルなお好み焼き

 途中で、具に肉類がないことに気づいた筆者。ベーコンを乗せたパンケーキの例もあったので、好奇心で、軽く焼いた豚バラ肉を敷いてみた。しかし、思い切りプレートに貼り付いてしまい、せっかくの生地がボロボロになってしまった。油を多めに塗ってみたが、ムリは禁物のようだ。別に焼いて乗せるか、軽く火を通してから細かく刻んで、中に混ぜ込むほうが無難かもしれない。

物は試しと豚バラ肉を焼いてみるも……
貼り付いてしまって失敗。肉類は別焼きのトッピングがお勧め
完成したお好み焼き

「えびチヂミ」を焼く(オプションレシピ集)

 ここからは、オプションのレシピ集からご紹介したい。「お好み焼き」に続いて、今度は、チヂミ粉、海老、ニラ、玉ねぎ、卵、水、鷹の爪を使った「えびチヂミ」である。

 熱したプレートに、生地、海老、生地の順で流し入れ、カバーをして3分焼く。海老がプレート上部にくっついてしまい、必ずといっていいほどカバーに貼り付いた状態になってしまったが、これまたおいしいチヂミがなんなく完成。醤油、酢、ごま油、すり胡麻少々を用いたタレでいただいた。テーブル上で、焼きたてが食べられるというのがいい。

えびチヂミの材料
むき海老は、乗せるのではなく、中に入るよう生地を重ねて流し込む
なぜか必ずカバーに貼り付いてしまった。海老がくっついてしまうようだ
こちらも3枚に対して4枚できた
焼きたてをおいしくいただいた

「ライスバーガー」を焼く(オプションレシピ集)

 「スマイルベイカー」のレシピの中で、異色を放っていたのが、こちらの「ライスバーガー」である。パンケーキ風に焼いたご飯に、蜂蜜を使った「れんこんのハニーきんぴら」とレタス、海苔を挟んでいただくという一品だ。

 まず「れんこんのハニーきんぴら」を普通のフライパンで作っておく。続いて、水、強力粉、卵、バターをよく混ぜ、中にご飯を投入して、生地を用意する。あとはパンケーキを焼く要領で、3分焼くだけである。

ライスバーガーの基本材料
「れんこんのハニーきんぴら」は、レシピではベーコンを使うが、豚肉に変更している
ご飯を入れて3分焼く
綺麗に焼けている
このままでアレンジしたくなるような焼き上がり
カットして、間にレタス、れんこんのハニーきんぴら、海苔を挟む。ものすごいボリューム感である。ハンバーグを挟んでもよさそうだ

 できあがったライスバーガーはボリューム満点。かぶりつくのは簡単ではないが、面白いメニューだと感じた。今回は3分焼いたが、もう少し時間をかけると、さらに歯応えが増しておいしいかもしれない。一口大にカットして、トロリとしたあんかけにしても良さそうだ。つなぎを変えて、焼きおにぎり風にしてもおいしそう……など、特に丸く焼けたご飯には、アレンジの可能性をかなり感じた。余ったご飯も「スマイルベイカー」を使えば、ユニークな一品に変身できる。

「どら焼き」の皮を焼く(オプションレシピ集)

 食事にも活用できると分かったところで、最後にご紹介したいのが、和のスイーツ「どら焼き」だ。買うことはあっても、作ることはなかった「どら焼き」。それが、「スマイルベイカー」で簡単に焼けるのだという。

 「どら焼き」の皮は、小麦粉、卵2、砂糖、重曹、水、はちみつを混ぜて作る。こちらもパンケーキの要領で焼くのだが、明らかにパンケーキとは焼き色の異なる皮ができた。これぞどら焼き、という濃厚な焦げ茶色である。この皮が冷めたら、缶詰の粒あんを挟めば「どら焼き」のできあがりだ。

 わずかこれだけで、自家製の「どら焼き」ができるとは感動ものだ。思わずゴクリと喉を鳴らしてしまう仕上がりである。焼いている最中も、懐かしい香りがしてきてたまらない。ビッグサイズなので、差し入れやプレゼントしたら、非常に面白いと思う。

どら焼きの材料
焼き上がったばかりの、どら焼きの皮
明らかに色が「どら焼き」。4枚できるが、パンケーキ同様、3、4枚目がの焼き色が一番綺麗だった
皮が冷めたところで、あんこを挟む
大きな「どら焼き」ができた。トングで挟んだ部分が潰れてしまうのが唯一の悩み
かなり大きい

パンケーキブームが去っても、ずっと使い続けられそう!

 「スマイルベイカー」が我が家にやってきてからというもの、パンケーキが非常に身近な存在になった。フライパンで作るより手がかからないし、失敗なく、確実に綺麗な円形に仕上がるところが気に入っている。しかも、アレンジ次第で、食事にもスイーツにもなるので、ブームに関係なく、使い続けられそう。オプションでワッフル用やドーナツ用のプレートも用意されているようなので、すべて揃えたら、相当楽しそうだ。

すずまり