家電製品ミニレビュー

クレイツ「イオフィール スーパーモイストミニ ED801W」

~旅先でも髪形がキマる! 缶コーヒーサイズで持ち運びやすい小型ドライヤー

クレイツ「イオフィール スーパーモイストミニ ED801W」

 家電量販店の店頭には、大風量で素早く髪を乾かせる、高機能、高価格なドライヤーが並んでいる。その多くがイオン機種を搭載し、髪や地肌に優しく乾かせることを謳っているものだ。

 これまでパナソニック、東芝、シャープ、日立……と各社の高級ドライヤーを渡り歩いてきたが、ひとたびこの手の高級ドライヤーを使ってしまうと、チープな機種に戻れなくなる。特に旅先のホテルや旅館の備え付けの古いドライヤーには、速乾性や、風量、髪のまとまり感などトータルで満足できないことが多い。

 かといって、自宅で使っている大型の高級ドライヤーは出先への持ち歩きには向かない。

 そこで大型連休を前に、携帯用で超コンパクトなクレイツ社製のドライヤー「イオフィール スーパーモイストミニ ED801W」を購入した。

メーカークレイツ
製品名イオフィール スーパーモイストミニ
品番ED801W
希望小売価格7,845円
購入場所Amazon.co.jp
購入価格3,245円

 「イオフィール スーパーモイストミニ ED801W(以下、スーパーモイストミニ)」は、もともと業務用に開発された製品を家庭用に使いやすくコンパクトにしたドライヤーだ。

 クレイツは福岡県に本社を構える業務用ヘアケアメーカー。サロンなどへ機器を卸すかたわら、一般ユーザー向けのヘアアイロンやドライヤーも販売している。自分の通う美容院でも、実際にクレイツ製のアイロンやドライヤーが使われているので、サロン業界御用達、という安心感がある。

本体
ハンドルは折りたたみできる
セットにはノズルと説明書が付属
パッケージ

 本体サイズは110×58×155mm(幅×奥行き×高さ)で、ヘッド部は缶コーヒーサイズ。片手で持てるコンパクトさである。本体重量は電源コード込みで315gで、スマートフォンよりも少し重たい。電源コードの長さは約1.9mとたっぷりある。

 “携帯用”と謳っているだけあって、海外電圧にも対応する。旅先や出張先に気兼ねなく持って行けるというわけだ。

ヘッドは缶コーヒーのサイズとほぼ同じで、とても小さい
スマホより少し重たい。それでも210gと軽量
海外電圧に対応。海外で使う際は「AC100V」から「AC230V」へ切り替える。100Vは100~120V、AC230Vは220~240Vの地域に対応

 操作はハンドル部のスイッチから行なう。スイッチはスライド式で、風量は「HIGH(強)/LOW(弱)」の2段階で調節する。いずれも温風のみで、冷風は出せない。

操作ボタンはハンドル部に付属
スライド式のスイッチを採用
吹き出し口
吸い込み口

 さっそく「HIGH」で運転をスタート。ドライヤーから「ブォォー」というモーター音と風切り音が同時に聞こえてきた。風量はまずまずだ。モーターが効率良く回っているのだろう、風は勢いよく吹き出ており、しっかり熱も帯びている。運転音は、時折高音のノイズが混じるが、低音で抑えめだ。

「HIGH」→「LOW」に切り替えて運転。髪のたなびき方と、運転音の変化から、風量の変化がわかる

 乾かす時間は思ったより早かった。毛量多めのロングヘアの自毛を乾かす時間は、約10分。普段使っている大風量ドライヤーで約8分だから、ほとんど変わらない。これは嬉しい。実を言うと、「万が一、生乾きになったら嫌だな」と、あらかじめいつもより念入りにタオルドライしたかもしれないが、結果的に乾かせたことは確か。これなら旅先や出張先でももどかしい思いをせずに済むだろう。

軽くて持ちやすく、腕が疲れない
風量もまずまずだ
髪を乾かすのにかかった時間は10分弱

 風量は、さすがに高級ドライヤーには及ばないが、パワー不足とは思わない。以前、美容師さんに「ドライヤーのヘッドを振りながら乾かせば素早く乾く」と教わったので、スーパーモイストミニでもこの“ヘッド振れ振れ作戦”を実践。すると風は左右に撹拌され、幅広く当てることができた。

 消費電力はHIGHで900W、LOWで450W。一般的なドライヤーの最大消費電力が1,200Wだから、最大900Wというのはやや低いのだが、結果的に手早く乾かせたし、風量もそこそこあるので満足できた。

製品情報ページより抜粋。クレイツイオンとは、高圧放電でイオンを発生させるイオンと違って、自然界に存在する数種類の鉱物を組み合わせて発生するマイナスイオンや遠赤外線のことで、髪のうるおいを保ちながら乾かせるという

 ちなみに、乾かした髪の質感は、サラリとしていてまとまりがあり、スタイリングしやすい。スーパーモイストミニには、髪がまとまらない原因は「水分量」にあると着目し、水分量をキープしながら乾かせるように配慮しているという。

 具体的には、クレイツが独自に開発したイオン技術「クレイツイオン」を本体内部に加工。イオンの効果がどの程度なのかは判定できないが、これまで旅先で使ったことのあるパワー不足のドライヤー達が揃いも揃ってパッサパサの質感に乾いたことを振り返ると、このイオンの効果もまんざらではないかもしれない。

高級ドライヤーユーザーも満足できる髪の仕上がり

左が東芝、右がクレイツ

 参考までに、以前レビューした、普段自宅で使っている大型の高機能ドライヤー、東芝ホームアプライアンス「ヘアードライヤー ウルオス HDH-900X」と比較して、用途や使い勝手の違いを表にまとめてみた。

 2つのドライヤーで最も異なるのはやはりサイズである。本体を見ると、スーパーモイストミニのほうが圧倒的にコンパクトで、重さも約半分となっている。また、風量や乾かすスピード、温度切替も異なるポイントだ。

東芝のドライヤーと運転音を比較。ED801Wのほうが風量と消費電力が少ないぶん、運転音が抑えられているようだ
メーカークレイツ東芝ホームアプライアンス
製品名イオフィール スーパーモイストミニウルオス
品番ED801WHDH-900X
用途携帯用自宅用
サイズ110×58×155mm176×87×225㎜
重量315g575g
最大消費電力900W1,200W
風量そこそこ大風量
運転音低騒音比較的静かだがクレイツより大きい
乾かす時間10分8分
風量切替2段階4段階
温度切替無し5段階
冷風無し有り
イオン機能有り有り
仕上がりしっとりサラサラとしっとりの中間

 スーパーモイストミニのメリットは、コンパクトで持ち運びやすく、持ち続けていても手が疲れにくいこと。海外電圧にも対応し、場所を選ばないこと。乾かすスピードや風量も十分に実用的であること。また乾かした毛がパサパサにならず、しっとりとまとまるように仕上がること、などが挙げられる。

 一方で東芝のウルオスのメリットは、大風量で素早く乾かせること、風量や風温を細かく設定して髪や頭皮をいたわりながら乾かせること、風量の割に運転音が抑えめなこと、などがある。高級ドライヤーならではのこうしたメリットから、結局自宅で毎日使うのは東芝だ。クレイツは出先用、東芝は自宅用、とハッキリ使い分けている。

手のひらサイズ
ポーチに入れて持ち運んでいる
バッグにもすっぽり収まる

 スーパーモイストミニのデメリットは、冷風機能が搭載されていないことだ。仕上げに冷風を吹きかけると、髪に熱がこもらず、ツヤ出し効果もあのだが、これがないのは惜しい。

 とはいえスーパーモイストミニは、風量や乾かすスピードの面では高級ドライヤーに劣るが、仕上がりの髪の質感には遜色がない。普段、高級機種のドライヤーをお使いの方にも納得できるはずなので、旅先や出張先用の2台目にオススメしたい。これからの行楽シーズン、出先での髪形をキメるアイテムとして、役立ってくれるはずだ。

小林 樹