家電製品ミニレビュー

パナソニック「ヘアドライヤー ナノケア EH-NA94」

~髪だけじゃない、頭皮にも効果。男性こそ、このドライヤーを使うべき
by 正藤 慶一
パナソニックのドライヤー「ナノケア EH-NA93」

 若い頃は「ドライヤーなんて女の使うもの!」と虚勢を張っていた。しかし、歳を取るごとに、髪の毛は少なくなり、セットするのに時間がかかるし、頭皮はベタつきを増してくる。この現状を目の当たりにすると、そうも威張っていられなくなる。ここはドライヤーでもなんでも文明の利器を駆使して、頭の環境を少しでも整えたい。

 そんな中、パナソニックのドライヤーの最高級モデル「ナノケア EH-NA94」を導入したところ、“頭の問題”の多くが解決された。今では「こんな良いものを女のモノだけにしてはいかん! 男こそドライヤーを使うべきだ!」と思うようになってしまった。今回はこのドライヤーを紹介しよう。


メーカーパナソニック
製品名ヘアドライヤー ナノケア EH-NA94
希望小売価格オープンプライス
購入場所ヨドバシカメラ
購入価格11,800円


女性用と思いきや、男性向けのカラーも揃えている

 数あるドライヤーの中から、なぜこの商品を選んだかというと、ただ単純に「色」の問題だ。

EH-NA94のカラーバリエーション。女性向け用の色もあれば、性別を問わないカラーも用意されている

 EH-NA94には、全5種類のカラーバリエーションが用意されている。そのうち2つは、「ペールピンク」、「ルージュピンク」というピンク系で、いかにも“これは女子が使うものよ”という威圧感を感じるカラーリングだ。

 しかし残りの3つは、ホワイト、グリーン、ブラックと、別段女性向けとは言えない色になっている。特に、ブラック、グリーンの2色は、過去2年のシリーズにはなかった。単なるカラーだが、“オッ、今年は男のことも考えてくれているのかな?”という気分になった。

 最終的に選んだ色は「白」。今年5月にパナソニックの洗髪ロボット「ヘッドケアロボット」を取材した際に、設置されていた店「スーパーヘアーセオ」の瀬尾オーナーが、この白モデルを使っていたからだ。


ナノケアの特徴は「速乾」「温度切り替え」「ナノイーイオン」

本体は206×87×228mm(幅×奥行き×高さ)と大きく、重量も約585gと重め

 本体は206×87×228mm(幅×奥行き×高さ)と割と大きめ。持ち手部分も太く、その上の本体部もかなり大きい。重量も約585gと、ズッシリと感じる。世の女性はこれを毎日使っているのか……。

 付属品は、「セットノズル」という吹き出し口に付けるノズルのみというシンプルなもの。これは髪をセットする際にピンポイントで使うためのもので、説明書には「風が絞られて乾燥性能が低下する」とあった。何も付けないと、濡れた髪をほぐしてバラつかせながら乾かす「速乾ノズル」となるため、通常はノズルを付けない方が良いようだ。

 ナノケアの第一の特徴は、この「速乾ノズル」にある。一般的なドライヤーとは違い、吹き出し口をタテにすることで、風速を早めて、乾燥スピードを向上する効果があるという。また、吹き出し口の中央からは温風が、その外側から冷風が出る「温冷ツインフロー」という仕組みを採用。毛の流れを整えて、ツヤを出す効果があるという。

ナノケアの特徴である「速乾ノズル」吹き出し口を縦にすることで、風速を早めている付属品の「セットノズル」。髪をセットする際に使用する。付属品はこれだけだ速乾ノズルの逆側の、空気の吸込口。面積はかなり広い

 第二の特徴は、温風と冷風を使い分ける複数の運転モードだ。通常は温風だが、本体側面の「風温切替ボタン」を押すと、温風と冷風を交互に切り替えて、髪のうねりを抑えて、髪にツヤを出す「温冷リズムモード」に切り替わる。もう1度押すと、今度は冷風モードになり、さらにもう1度押すと、温度を抑えた温風でやさしく乾かす「スカルプモード」に変わる。

写真中心部のUの字になっているボタンで、運転中の温度を切り替える通常は「HOT」モードで運転する。運転中はモニターに「HOT」と表示される
温風と冷風を切り替えることで、髪のうねりを抑える「温冷リズムモード」「スカルプモード」は、HOTモードよりも弱い温風を送るモード。地肌が傷みにくいという

 第三の特徴は、パナソニック独自のイオン機能「ナノイーイオン」と、もう1つの異なるイオン「ミネラルプラチナ」の放出機能を備えていること。このイオンが髪に浸透することで、髪のキューティクルの密着性が高まり、髪が強く美しくなるという。また、ナノイーイオンは地肌の水分を保ちつつ、余分な皮脂を低減する効果もあるという。ちなみに、イオンなしの設定にはできない。

写真中心部が、ナノイーイオンの吹き出し口。その左右からミネラルプラチナイオンが放出される取っ手部分には、「『ナノイー』イオンチャージパネル」というものが付いている。握るだけで髪にたまったマイナスの電気を逃し、イオンが髪に浸透しやすいという

高速の風ですぐに乾く。温冷リズムモードもスカルプモードも気持ち良い

取っ手部分の電源スイッチ。風量が弱い順に、下から並んでいる

 本製品にはいろいろな効果が期待できるみたいだが、とりあえず使ってみよう。入浴後にバスタオルで軽く拭いた後、ナノケアの電源スイッチを「TURBO」に合わせる。なお電源スイッチは風のスピードを調節するためのもので、下から「SET」「DRY」「TURBO」の順で並んでいる。

 ここで驚くのが、TURBOの風の強さ。強力な風がブワーッと頭に吹き付ける。音は結構うるさい。セットノズルを取り付けると、さらに風が強力になる。1分もしないうちに、髪が乾いてしまった。これまでにもドライヤーをいくつか使ってきたが、ここまで風が速いものを使った覚えはない。温風の温度は、熱ずぎずぬる過ぎず、ちょうど良い感じだ。


風量をSET→DRY→TURBOの順に切り替えているところ。風量が強いぶん、運転音もかなりのものだ
※動画では風量をわかりやすく示すためにビニールテープを付けていますが、説明書では吹出口に異物を入れることを禁じています。絶対に真似しないでください

 各モードについても使ってみた。温冷リズムモードは、温風の途中に入る冷風が心地良い。またスカルプモードは、常にマイルドな温度で送風してくれるため、頭皮に過度の熱さを感じることがない。頭皮は湿ったままだと雑菌が繁殖しやすいが、逆に温めすぎると、頭皮を傷めることになる。しかし、このモードなら安心。冷風モードよりも温かいし、風も強力なので、乾燥スピードも十分に早い。毎回本体側面のボタンを押すのが面倒臭い点以外は、非常に満足している。

 なお、この温風の温度を変更するモードは、下位モデル「EH-NA74」「EH-NA24」には搭載されていない。

風速が「TURBO」で、温風の温度が「HOT」の際の消費電力は1,130Wと表示された風速が「TURBO」で、温風の温度を「スカルプ」にすると、消費電力は490Wと、HOT時よりも少なかった

寝ぐせが少なくなり、枕からイヤなニオイもなくなった!

 このドライヤーを夏からずっと使っているのだが、効果は抜群だ。

 まず、髪にまとまりが出てきた。以前は寝起き後は必ず髪にかなりの寝グセがついており、改めて髪を洗う必要があったが、今はそんなことはなく、軽く櫛を通すだけで収まるようになった。朝起きて髪爆発→シャワーというルーティーンは、ここ10年のお決まりのパターンだったが、これがなくなったことで、朝の時間に余裕が出てきた。

今では毎日使っています

 もう1つが、コレは本当に嬉しいのだが、頭皮のニオイが抑えられたこと。私は非常に汗っかきで、毎年夏になると頭が汗で蒸れてしまうのだが、今年はだいぶ抑えられたように感じられた。その証拠に、枕からイヤなニオイがしなくなった。ナノケア使用中は、そのほかの頭皮ケアグッズの使用を取りやめていたため、恐らくナノケアのおかげだろう。20代の頃から悩み、ドライヤーを使ったりも解決できなかったことが、30代になって解決できたことに、非常に感激している。

 ちなみに、温冷リズムモードによる、髪のうねりを抑える効果や、ナノイーイオンによる髪が強く美しくなるなどの効果については、正直、あまりピンと来ていない。言われてみれば、確かにそんな気もするし、髪にツヤが出てきたかも? とも思ったりするが、感覚の範疇を超えない。髪の長い女性なら、もっと効果は実感できるかもしれない。

 とはいえ、男の私でも、本製品を使って私の頭の環境が改善されたことは確かだ。毎晩風呂あがりに必ず使うのが欠かせなくなっている。ホテルなどに外泊した際、風量の弱いドライヤーが備え付けられているのを見ると「オイオイ、このホテルは何もわかっちゃいないな」と思うようになってしまった。ぜひ、日本じゅうのホテルにナノケアを置いてほしい。

 男性にも女性にも嬉しいドライヤーだ。一家に一台あれば、家族みんなの頭髪環境が改善されることは間違いない。






2012年10月15日 00:00