家電製品ミニレビュー

パナソニック「プチリフレ」

~じんわり温めながらツボを押す小型マッサージャー
by 小林 樹
パナソニック「プチリフレ」

 このところ、急に肌寒くなり、身体がかじかむようになった。そこで今回は、かじかむ身体を温めながら揉みほぐしてくれる、ヒーター機能付きのマッサージャーを取り上げよう。

 パナソニックの「プチリフレ」は、会社の椅子の背もたれに置いて使えるエアーマッサージャーなのだ。



メーカーパナソニック
製品名エアーマッサージャー プチリフレ EW-NA52
購入場所ヨドバシ.com
購入価格7,890円

 コンパクトなマッサージャーで、本体にヒーターとエアーバッグを内蔵し、じんわり体を温めながら、腰や背中のマッサージができる点が特徴だ。

 サイズは224×224×71mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約630g。本体は丸みを帯びたデザインで、素材はプラスチック。触感は固く、クッションの代わりにはならないが、正面の中央に布地が付いていて、タオルのような手触りがする。

 カラーはストロベリーピンク、チョコレートブラウン、キャラメルベージュの3色があり、今回はピンクを選んだ。

 なお本体には、ACアダプターと、ポイントアタッチメントが付属している。このポイントアタッチメントは後述するが、簡単に言えばより強い指圧が欲しいときに、本体に装着して使うものだ。

タオルのような肌触りの布地が表を覆う。内部には2つのエアーバッグを備えるACアダプターとポイントアタッチメントが付属する

 操作ボタンは、左から、「動作OFF/ON」ボタンと「ヒーターOFF/ON」ボタンが並ぶ。動作OFF/ONボタンを連続して押すと、マッサ-ジの「強/弱」が選べる。

 マッサージの強/弱と、ヒーターがONの状態は、それぞれ緑色のランプが点灯して知らせる。ヒーターとマッサージを同時に動作させることもできる。

左から「動作OFF/ON」ボタンと「ヒーターOFF/ON」ボタンマッサージの強/弱と、ヒーターがONの状態は、それぞれ緑色のランプが点灯して知らせる

 さっそく会社の椅子ででプチリフレを使用した。まずはマッサージは「弱」に、ヒーターをONに設定し、腰と椅子の間にプチリフレを挟んだ。

 この時注意したいのが、背骨の両側に1つずつエアーバッグが当たるよう、横向きに設置することだ。プチリフレのマッサージは、2つのエアーバッグによる一気加圧や、3段加圧によって行なわれる。

背骨の両側に1つずつエアーバッグが当たるよう、横向きに設置する会社の椅子と腰の間にプチリフレを挟んだ

 プチリフレに身をもたれると、2つのエアバックが、グーッと膨らみ、背中を圧迫。しばらくすると、プシューと空気が抜けた音がして、同時にどっと背中の力が抜けた。

 例えて言うならば、指圧系のマッサージに近い感覚だった。背骨に沿ってローラーを流すような、揉み玉を採用したマッサージャーや、オイルを使ったアロママッサージの店とは、マッサージのやり方が異なる。これはこれで気持ち良いが、もう少しツボをグイグイ押すような、強さが欲しいと思った。

 そこで、ポイントアタッチメントの出番だ。付属のポイントアタッチメントを装着すると、エアーバックの先端が尖り、ググッとツボに入るような強めのマッサージが可能となる。ポイントアタッチメントの装着は、本体の表面にある布地が二重になっている部分に挿入するだけで、簡単だ。

ポイントアタッチメントを本体に取り付けるポイントアタッチメントを取り付けると、エアーバックの先端が尖り、より強い刺激が得られる

 マッサージを「強」にすると、さらにエアーバッグが膨らむ。背中に当たる力が強くなり、さらにエアーバッグの空気が抜けたときの解放感も大きい。自然と自分の呼吸が深くなるのを感じた。

 マッサージは約10分で自動的に停止するが、ヒーターはその後も温め続け、最大で約90分の連続運転が可能となっている。ヒーターは本体の片面に内蔵されており、表面温度は約40℃まで上がる。室内で使うぶんには、これ位ほんのり温かい程度がちょうど良い。特に冷えが気になる腰周りなどに当てるとだいぶ楽になる。

 腰以外にも、背中や肩、首のマッサージにも使える。首に使う際は、ベッドなどの上に横たわって、首の下に敷く。エアーバッグの力で首が心地よく伸び、ストレッチのような感覚が味わえる。

 背中や肩をマッサージするには、椅子の背もたれの高い位置に、プチリフレを設置する必要がある。背が高い椅子や、リクライニング機能のない固い椅子のほうが椅子がベターだ。ただしマッサージ中、背もたれにしっかり体重を預けていないと、プチリフレが下にずれてきてしまう。パソコンで仕事をしながらだと、この姿勢はちょっと厳しい。結局私は肩や背中のマッサージはあまり使わず、腰に当てるほうが多かった。

布団の上で、プチリフレを使用。エアーバッグの力で首が心地よく伸びる会社の椅子の背もたれの高い位置に設置して、肩をマッサージ

 オフィスでマッサージ機器を使う場合、静音性も気になるポイントだ。プチリフレに関して言えば、動作音は最大約47dBで、マサージが「弱」であれば、オフィスで使うぶんには全く耳障りではない。ただし、「強」にすると、「ヴーヴー」と言うモーター音と、「プシュゥー」というエアバッグの音が気になるので、注意が必要だ。

 このほか、消費電力は、マッサージが10W、ヒーターが5Wとなっており、少なめだ。先ほど触れた通り、最大連続運転時間は、マッサージで10分、ヒーターで90分となっていて、もし万が一スイッチを切り忘れてしまっても、自動的に停止してくれるから安心だ。

 残念に感じたのは、背中に挟んだ状態で操作ボタンを押せないことだ。ボタンは本体に備え付けなので、いちいち背中から外して、ボタンを確認する必要がある。これはこれで本体がコンパクトという良さもあるのだが、別にリモコンなどを用意してくれればより使いやすかっただろう。

 ひと通り使ってみてわかったのは、凝りがほぐせる効果よりも、むしろリラックス効果が得られるということ。プシューという音と共にエアーバッグが萎むと、そこに身を預けていた体の力も抜ける。自分が普段、無意識のうちにどれだけ体に力が入っていたのか、気づかされる。凝りをほぐすというより、ストレッチのように力を抜いて、気持ちを落ち着かせたい時に、ピッタリだ。

 デスクを前に、つい肩がこわばっている方、無意識のうちに、仕事に力みすぎている方に、まず体の力を抜くための一助として、プチリフレをオススメしたい。






2011年11月24日 00:00