家電製品ミニレビュー
シャープ「プラズマクラスター乾燥機 DI-AD1S」
シャープ「プラズマクラスター乾燥機 DI-AD1S」 |
曇りや雨が続くと困るのは布団干し。我が家のベランダは、狭いので布団を干すスペースが限られている。天気がいい日は、子供の布団から優先的に干しているので、天気が悪い日が続くと、大人の布団はいつまで経っても干せず、ペッタンコになる。
そこで、布団を乾燥する乾燥機を探していたところ、シャープの「プラズマクラスター乾燥機 DI-AD1S」が発売されたので、使ってみることにした。
メーカー | シャープ |
製品名 | プラズマクラスター乾燥機 DI-AD1S |
購入場所 | ヨドバシ.com |
購入価格 | 22,400円 |
DI-AD1Sは、シャープ独自のイオン技術、プラズマクラスターイオンを発生させる乾燥機だ。プラズマクラスターイオンとは、脱臭や静電気の除去に効果のあるプラスとマイナスのイオンのことで、DI-AD1Sでは、1立方cmあたり約10万個ほどのプラズマクラスターイオンを温風と一緒に放出する機能を備える。このイオンの働きで、乾燥のほか、除菌や脱臭もできるという。
布団だけでなく、靴や押し入れなどの乾燥、脱臭にも対応する。我が家の場合、子供達の上履きを毎週洗濯しているので、靴の乾燥にも使えるとなると嬉しい。
本体サイズは290×155×348mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約3kg。消費電力は500Wとなっている。
アタッチメントとして、布団用の「乾燥マット」、衣類用の「衣類乾燥カバー」、ブーツ乾燥用の「ブーツ乾燥アタッチメント」が付属する。
運転モードは、ふとんや衣類の脱臭・乾燥機能と、室内や押入れでのイオン送風や温風機能を備える。
最長60cmも延びるホース | 厚さは15cmほど | ボタンは見やすくシンプル |
布団用の「乾燥マット」、衣類用の「衣類乾燥カバー」が付属 | ブーツ乾燥用の「ブーツ乾燥アタッチメント」 |
本体上部には、風とイオンを送り出す送風ホースが付いている。送風ホースは最長60cmで、本体を含むとホースの高さは最大85cmとなる。
ホースは伸縮性があり、本体の背面と上部の2カ所から引き出せるので、送風の向きは自由自在だ。スポット的に使用するときも自由度が高いので、扱いやすい。
背面はカバーを収納できるようになっている | 吹出口にはカバーが付いている | カバーを取ったところ。もしカバーをつけたまま電源を入れてしまっても、自動ではずれるようになっている |
少しだけホースを伸ばした状態 | 背面からホースを出したい場合はこちらの穴を利用する | 低い場所にホースを向けたい場合にも便利 |
■布団乾燥は1時間でフワフワに。加齢臭も薄くなった!
はじめに布団の乾燥を行なった。布団乾燥には、付属の乾燥マットを使用する。乾燥マットのサイズは1,750×1,160mm(縦×横)で、送風口が2カ所備わっており、布団やベッドの形状に合わせて選べる。ダブルサイズの布団にも対応しており、横からホースをいれることができる。
乾燥マットに吹出口をセットしたら、掛けふとんと敷ふとんの間に乾燥マットを設置し、運転モードを選択する。運転モードは、冬用と夏用があり、所要時間はそれぞれ、空気の乾燥している冬で60分、夏はクールダウンも含めて90分。操作ボタンでどちらか選ぶ。今回は冬用のボタンを押してみたところ、すぐに乾燥マットがふくらんだ。マット全体が膨らむのではなく、風が通る部分だけ膨らむ。
ただし、実際に布団の間に入れて膨らませてみると、我が家の掛け布団は重いせいか、なかなか膨らまなかった。
乾燥マットに吹き出し口をセットする | マット全体が膨らむわけではなく、このように風の通り道だけ膨らむ |
プラズマクラスターイオンが布団に十分行き渡るように中央に3ヶ所、メッシュ部分がある | 乾燥マットの送風口。2カ所あり、布団の形状に合わせて選ぶことができる | 布団乾燥中。60分でフワフワに! |
60分後、自動的に電源が切れたので、布団の状態を確認する。DI-AD1Sの特徴は、単に布団を乾燥するだけでなく、プラズマクラスターイオンを放出し、付着したニオイを脱臭しながら乾燥することができる点にあるので、まずニオイをかいでみた。すると、最近特に加齢臭が気になる旦那の布団だったが、確かにニオイが薄まっている気がする。
また旦那は汗かきなので、布団は湿気を含んでせんべい布団のようにずっしりとしていたのだが、乾燥後の布団はふわふわに。寝てみると、ちゃんと布団らしい弾力が戻っていた。
寒い冬なら、寝る前に乾燥しておけばフワフワで、とても幸せな気分だ。旦那も「布団を買い換えたようだ」と大変喜んでいる。
なおDI-AD1Sでは、ダニ対策もできる。敷き布団の上に、布団と乾燥マットをセットし、別の布団または毛布をかける。この状態で「衣類」ボタンを押す。120分後に自動停止したら、ダニ対策対象の布団を裏返して再び行なうので、合計4時間はかかる。さらに最後に布団に掃除機をかけて完了する。手間はかかるが、布団乾燥するよりも、さらに掛け布団のフワフワ感がアップした。
ダニ対策の場合は、このように乾燥マットをはさみこむようにする | さらに上から毛布をかける |
■天気が悪いときは衣類乾燥カバーで乾燥可能。嫌な生乾き臭がない
衣類を脱臭、乾燥するときは、付属の衣類乾燥カバーを使用する。別途、450×650mm以下のハンガーを用意し、衣類乾燥カバーをかける。衣類を吊るしたらファスナーを閉め、ホースを送風口にいれる。「衣類」ボタンを押せば、温風が出てくるので、2時間後には自動的に運転が停止する。
ファスナーの解放口は広く、洗濯物がすっと入る。2時間経過して中を確認してみたところ、8割ほど乾いていて、子供用帽子のツバや、バスタオルの一部などがまだ生乾き状態となっていた。バスタオルや子供の帽子がなければ、2時間でも十分乾きそうだ。
そこでもう一度「衣類」を押し、さらに2時間延長して乾燥させた。仕上がったタオルはふわふわで肌触りがよく、イヤなニオイもしない。気になる4時間の電気代は1.89kWhとなっており、約42円かかったことになる。
衣類乾燥カバーがあれば天気が悪いときも安心 | 一度に乾いた洗濯物。やはりバスタオルや帽子のツバは時間がかかる。小さいタオルや下着は2時間あれば十分乾きそうだ |
4人家族の我が家では、衣類乾燥カバーに納まる衣類の量は、ふだん一度に洗濯する量の半分以下なので、ちょっと物足りない。ふだんの洗濯物をそのまま乾燥させるというよりも、週末のうちに洗って乾かさなければならないような、子供の体操着や制服など、急ぎで乾かしたい衣類に重宝する。また、外に洗濯物を干したくない1人暮らしの女性がもの干すときにも便利そうだ。
■玄関のシューズボックス脱臭に挑戦! 玄関ごと脱臭できた
最初、ニオイが逆流してきてビックリ! その後、玄関ごと消臭できて一安心 |
DI-AD1Sは、布団や衣類の乾燥だけでなく、クローゼットや下駄箱の消臭・除菌にも利用できる。吹出口は、長さや方向を自由に変えられるので、扉の狭い隙間から差し込める。
我が家では、シューズボックスのニオイが気になっていたので、DI-AD1Sで脱臭を試みた。扉を少し開けてホースを差し込み、イオン送風を「強」で運転する。
ホースの吹出口からは勢いよく風が出るので、扉の隙間からモワッとニオイが逆流して驚いてしまった。我が家の玄関は狭く、せいぜい3畳といったところなので、一気に玄関中にニオイが充満してしまい、慌てて逃げ出した。
そのまま1時間ほどシューズボックスを脱臭したところ、ニオイがずいぶん消えたので、吹出口をシューズボックスから出してさらに1時間、玄関ごと除菌・脱臭することにした。
運転が終わると、玄関に充満したニオイごと消えていた。シューズボックスの中も、顔を近付けておそるおそるニオイをかいでみたところ、やはりいつもよりニオイは抑えられている。靴本来の皮のニオイは無理のようだが、前のようなホコリっぽい独特のニオイはなくなった。
ここで鼻が鈍感になってしまった気もしたので、外に出かけた後に改めて玄関を開け、再度ニオイをかいでみた。やはりいつものように玄関独特のモワッとしたニオイがなくなっている。これは嬉しい!
除菌・脱臭といっても、ニオイをとりたい場所にホースを向けてスイッチをいれるだけで、特に手間はかからない。除菌できているかどうかは残念ながら測れないものの、いやなニオイがとれるだけでも気分がよかった。
■子供の靴なら小一時間で乾燥終了! ニオイもとれた
小一時間でバッチリ乾燥! |
次にDI-AD1Sを使って、靴の乾燥をした。子供のいる我が家では使用頻度が高い機能だ。上履きを持って帰ってくる週末には必ず洗って干さねばならないし、それでなくとも子供はすぐ靴を泥だらけにして帰ってくる。よく洗ってしっかり干したいのだが、今の時期はなかなか乾かない。生乾き状態だと嫌なニオイも出やすいので、日照時間の短くなるこれからの時期は苦労するのだ。
靴を乾燥するときは、付属のブーツ乾燥アタッチメントをつま先に向けて差し込む。子供の上履きでは、靴が小さく、アタッチメントが先まで入りきらなかったが、乾燥を続けた。
イオン送風を「強」にして、温風ボタンを押すと勢いよく温風が出てくる。アタッチメントは棒の中心部で穴があいており、そこからも風が出ている。
きちんと風が当たっているのか心配だったが、小一時間でしっかり乾燥した。これなら天気が悪くても、靴の乾燥で困ることはなさそうだ。子供特有の汗くさいニオイもなく、パリパリに乾いてとても気持ちが良い。
■寒い日の朝は、衣類をあたためておけばポカポカ
洋服をかけられるちょうどいい場所がなかったのでこんなに離れてしまったが、ちゃんと温まった |
寒い日の朝は冷たい衣服を着るのがツライもの。そんなときは、DI-AD1Sで衣類を温めておくと快適だ。
DI-AD1Sの上にハンガーにかけた衣類を設置し、下から温風を吹き付ける。イオン送風を「強」にして、温風ボタンを押せば、数分で衣類がほんわかと温かくなる。
右の写真のように、我が家では高い場所に衣類をかけたが、十分温風は届いて快適に着ることができた。
特に便利だったのは、フリース素材。乾燥した日だと、着ると静電気が起きてしまうのだが、DI-AD1Sでプラズマクラスターイオンを含む風を吹きつけたあとには、静電気を感じることなくすんなり着ることができた。衣類を温める効果もあるが、静電気の防止効果も感じられる。
■静電気で逆立った子供の髪の毛、まとわりついたスカートも効果アリ
そんなわけで、静電気が気になるスカートの裏地でも、プラズマクラスターイオンによる静電気の除去効果を試してみた。静電気は、空気が乾燥する冬場には非常に不愉快だ。具体的には、タイツやストッキングを履いてから薄手のスカートを履くと、足にまとわりついてしまう。女性なら誰でも経験はあるのではないだろうか。
本当にこの静電気が取れるのか、実験してみることにした。乾燥した日だったので、数歩部屋で歩くだけで、足にスカートがピッタリくっつく。足回りのモワッとした静電気がとても気持ち悪い。
DI-AD1Sのホースを伸ばし、吹出口をスカートまわりに吹きかけた。自身がグルッと回って、後ろのまんべんなく風が当たるようにする。裏地のナイロン生地やタイツまわりも静電気が発生していたので、スカートの中に吹出口を入れて風を当ててみた。
するとスッと静電気が落ちた。風を当てた時間はたった15秒程度である。
足にまとわりついていたスカートは、ストンと落ちた。これからの時期、出かけるときにスカートの静電気が気になるときには、DI-AD1Sでササッと風を当てれば、邪魔な静電気も取れて、気持ちよく出かけることができそうだ。
写真ではわかりづらいが、静電気が発生して足にまとわりついてしまった。非常に不快だ | お見苦しいので状態なので見せられないのですが、スカートの中に風をいれると静電気がスッと消えました。スカートがまとわりつかない! |
さらに着替えの際に、静電気で髪の毛が逆立つことがある子供の髪にもDI-AD1Sの吹出口を近付けて風を当ててみた。
寒い朝だったが、イオン送風の「弱」で温風をいれればソヨソヨとした温風が当たるだけなので、冷たく感じることはないようだ。子供は「気持ちいい」と喜んで温風に当たっており、数十秒で髪の毛は落ち着いた。お風呂上がりにドライヤー代わりとしても使えそうだ。子供が座ったときにちょうど風が当たるので、親はずっとドライヤーを持つ必要がないというのも、非常に助かっている。
子供の髪の毛の表面が静電気で立ってしまっている | イオンの風は「温風」にできるので、子供が寒がることもない | 静電気はおさまって、髪の毛もきれいに! |
■一年中出しっぱなしでも、色々な用途に使える乾燥機
最後に、収納や手入れについて触れておきたい。まず、布団や衣類の乾燥に使うマットは、ホースから外せばさっと折り畳んで片付けられる。DI-AD1Sの本体背面には、マットの収納部がある。ここに、乾燥マットか衣類乾燥カバーのどちらか1つを収納するとこができる。スペースに余裕があるため、きっちりマットを折りたたまなくても収納できた。冬場の乾燥した時期には、こういったポリエステル素材の袋は、静電気で非常に折りたたみにくかったりするのだが、そうした静電気なども特に感じない。マットを2ついっぺんに収納できないのは惜しいところだが、私のように収納が苦手でおおざっぱな人にとっては、きちんと折り畳まなくても収納できるというのは嬉しい。
ホースは蛇腹式で、使わないときは縮めて収納できる。フィルターの手入れは、月一度程度、掃除機で吸い込むだけと手軽だ。
フィルター掃除は約月1回、掃除機で吸い込むだけ | 本体背面にはマットの収納部があり、パッと折り畳んで収納できる | マット1枚が入る大きさだ |
安全面にも配慮されている。感心したのは、稼働中にちょっと持ち上げただけでもすぐに運転停止となる点。暖房器具としての使用も想定し、安全性に配慮しているのだろう。本体4カ所に過度な温度上昇を防ぐ装置を搭載し、転倒時には自動で運転が止まるようになっている。
レビュー期間中は、朝の出かける前の服の静電気除去や、出かけている間の靴箱などの除菌・脱臭、夕方からは布団乾燥機、夜には子供の髪の毛を乾かすドライヤー代わりなど、ほぼ毎日何かしら使っていた。
DI-AD1Sは、コンパクトで軽く、女性でも軽々持ち歩けてあらゆる場所に設置できるのも助かる。我が家は一戸建てなのだが、階段の上り下りも苦にならない。主張しすぎないシンプルなデザインも気に入っている。
価格は2万円台で、布団乾燥機として考えると高価だが、これだけ用途の幅が広く、1年中使えるなら、それだけの価値はあるように思える。使用する前は乾燥もできて除菌や脱臭効果もあるとは半信半疑だったが、使ってみると、その便利さを実感できた。幅広い世代に自信を持っておすすめできる製品だ。
2011年11月28日 00:00