家電製品ミニレビュー

小泉成器「レッグヘアトリマー KMC-0280/K」

~2,000円以下で買えて、水洗いできるボディシェーバー
by 伊達 浩二
小泉成器「レッグヘアトリマー KMC-0280/K」

冬はボディシェーブ入門に最適のシーズン

 11月に入り、東京もようやく寒くなって上着が欠かせなくなった。もちろん、シャツも長袖だ。

 こういう季節こそ、髪の毛やヒゲ以外の体毛を剃るための、ボディシェーバーと呼ばれる製品を初めて試すには良い時期だ。

 肌を見せる機会の少ないこの季節になぜ、と思われるかもしれないが、肌を出す夏にこの手の商品を初めて試すと、うまく仕上がらず、悲惨な結果になってしまう可能性があるからだ。人にもよるが、体毛は髪の毛やヒゲに比べると伸びるのが遅いので、失敗して長さが整わず、まだらになってしまったときのダメージの回復には数週間かかることもある。秋から冬にかけて、ひそかに試しておけば、失敗した場合でも衣類でそれを隠すことができるというわけだ。

 というわけで、今回はボディシェーバーの入門に向いている、小泉成器の「レッグヘアトリマー KMC-0280/K」を紹介しよう。

 


メーカー小泉成器
製品名レッグヘアトリマー KMC-0280/K
希望小売価格オープンプライス
購入場所ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba
購入価格2,000円

 

ボディシェーバー初心者向けの製品

 レッグヘアトリマー KMC-0280/Kのパッケージは、ブリスター型のシンプルなものだ。パッケージ内容も、本体、長さ調整用のコーム、掃除用ブラシだけ。取扱説明書は紙1枚の簡単なものとなっている。

赤い台紙がとても目立つパッケージ裏面は製品説明ではなく「ショートパンツ姿の強い味方」、「ムダ毛をカット!」などの売り文句が躍る

 本体のデザインは、地味で目立ちにくい。本体色はブラックとなっているが、濃いグレーに近い。パッと見ただけでは、頭髪用のバリカンのようで、誰かに見られても恥ずかしさは感じないデザインだ。

パッケージの内容はごくシンプル本体は濃いグレーの地味な色合い。目立たなくて良いちょっとバリカンのようにも見える

 この製品がボディシェーバー初心者に向いている理由は、3つある。

 1つ目は、価格が安いこと。今回は2,000円で購入したが、通販ではこれより安く売っている例が多い。もし、試してみて自分には不要なジャンルの製品だとわかっても、なんとか納得できる価格だ。

 2つ目は、本体が水洗いできること。ボディシェーバーは毎日使うものではなく、使用頻度が低いので、清潔さを保つための手入れが大切だ。使ったあとで軽く水で流せるのは便利で良い。

 最後の3つ目は、樹脂製のコームが付属していて、毛の長さを調節できること。コームの無い製品だと、一部分だけゾリッと短く剃ってしまい、人前で見せられない状態になってしまうことがある。コームがあれば、とりあえず余りひどいことにはならない。

短くトリムするのがグルーミングのコツ

 電源は別売りの単四形乾電池2本を使う。電池は、アルカリ乾電池が指定となっている。電池ボックスのフタは、あまりカチッとはまっておらず、スリーブというか茶筒のような構造になっている。開けにくいときは、本体を電源スイッチが下になるように持ち、フタ全体を下に押すようにすると外れやすい。

乾電池は単四アルカリを2本使う乾電池を入れる方向を示すシール

 コームは、本体にはめる方向がわかりにくくて、迷ってしまった。外す時は、側面のツメの部分を片方だけ押すと外れやすいのだが、これも最初は迷った。

コームを付けた状態コームは3段階に位置が調整できる
コームの構造。支える部分と透明な樹脂、スライドスイッチの3つでできているコームを調整するツマミの部分は、こんなふうに簡単に外れてしまう。

 というわけで、いきなりまごついてしまった。まぁ、価格が価格なので諦めがつく。ただ、コレが毎日使うヒゲ用のシェーバーだったら、ちょっとイラつくいてしまいそうだ。

 さて、セッティングが済めば、本体は使いやすい。スイッチは電源ON/OFFスイッチ1つだけで、強弱の調整もない。グリップの形は握りやすいし、滑り止めもついている。

 初めて使う時は、肌が強く失敗しても目立ちにくい、足のスネ毛で試して見よう。スネ毛に使うときは、コームを付け、コームの設定を一番短くして使うことをお勧めする。コームを付けるのは、剃りすぎてしまうのを防ぐため、一番短く設定するのは、この状態でも、体毛がかなり長く残るからだ。

 片手でトリマーを持ち、毛先から根本へと、毛の生えている方向とは逆に、ゆっくりと移動する。このとき大事なのは、本体の角度で、コームのあたる角度が一定になるように気をつける。また、強く押しつけすぎると、うまく剃れない。

トリマー本体の角度を一定にするのが大事カタログにある使用前/使用後の写真。ていねいにやると、これにかなり肉薄できる使い終わったあとは、水で流して、よく乾かしておく。完全防水ではないので、本体はあまり濡らさない方が良い

 たぶん、最初は「全然、剃れてないじゃないか」と感じるだろう。しかし、何度か繰り返して移動していると、思いの外多くの毛が、床に落ちているのに気づく。うまく剃れないときは、コームの当たる角度を調整すると、だんだんコツがわかってくる。

 ヒゲを剃るときと違って、一往復できれいに剃れるというよりは、何度も同じところをなでることで体毛の長さが一定になるという感じだ。また、毛が寝ていると剃りにくいので、手で軽く逆立てたり、横方向にこすって起こしたりすると有効だ。

 うまくトリムできると、重苦しかった体毛が、薄くなった感じに仕上がる。女性の場合と異なり、肌をつるつるの状態にするのではなく、毛は生えているが、量感が少なくすっきりした状態にするのが、男性のボディシェービーングのコツだ。

 剃ったあとは、シャワーなどで流すことをお勧めする。そのままだと、床に毛を落として回ることになるからだ。本体の刃の部分も忘れずに流しておこう。

足以外の場所にも使える

 スネ毛で練習して、トリマーを肌に当てる角度の感覚が身についたら、コームを外してカットに挑戦してみよう。場所は、手の甲や腕のあたりがお勧めだ。最初は、本体に内蔵されている「スキ刈ブレード」をスライドしておくことをお勧めする。スキ刈ブレードの無い状態だと、肌に当てる角度を間違えたときに、肌を傷めやすいのだ。

通常の状態スキ刈ブレードをスライドすると刃が隠れるので、角度を間違えても肌を傷めにくい

 手の甲や指などのむだ毛は、人前で物を指さすときなどに気になることが多い。冬場でも有効なトリミングだ。左手で右手の甲を剃るのも、慣れればそんなに難しくない。自信がついてきたら、スキ狩りブレードを戻して、根本からカットすれば良い。

 なおこの製品は、「レッグヘアトリマー」という商品名だが、足や手以外の場所についても使えるので、いろいろ試して欲しい。

壊れやすいので注意が必要だが、使いやすい

 この製品は、だいたい2,000円で購入でき、ボディシェーバーとして最低限の機能は備えている。電源も乾電池で手軽だし、ある程度の防沫処理もされているので使いやすい。とりあえず、髪とヒゲ以外の手入れを始めてみようかという人にはお勧めの製品だ。

 ただ、弱点がいくつかある。1つ目は、全体に安っぽいこと。これは、まぁ、価格が価格なので、しょうがない。

 2つ目は、使い方にコツがいること。電池ボックスのフタやスキ狩りブレードの脱着などは改善の余地がある。同じコツでも、トリマーを肌に当てる角度などは、学習する意味のあるコツだが、このあたりは本来なら覚える必要のないコツだ。

 3つ目は、壊れやすいこと。本体は丈夫にできているのだが、スキ狩りブレードの強度が弱く、壊れやすい。特に、長さ調整スイッチを移動していると、スイッチが外れてしまうことが多い。対策としては、スイッチを移動するときは、コームの部分にも手を添えて、力がスイッチに掛かりにくいようにすることをお勧めする。スイッチの部品を無くさなければ、自分ではめ直すことは難しくないが、あまりほめられたことではない。万一に備え、保証書はちゃんと手元に残しておこう。

 これらの弱点を承知の上であれば、このレッグヘアトリマーは役に立つ道具だ。とりあえず、これでボディシェーバーというものを試して見て、自分に合うと思えば、次はもっと良い道具を買えば良い。まぁ、もう500円高くなっても良いから、壊れやすいのだけは改良して欲しいとは思う。

 ボディシェーバーなどの製品は、昔に比べて、ずっと増えたとは言え、男性用の美容情報はまだ少ない。頭髪とヒゲ以外の体毛については、手入れをする習慣がない男性も多いし、試してみようと思っても手入れの方法は習うことはあまりない。

 とりあえず水泳や自転車を趣味とする人は、来年の夏に向けて、この冬にボディシェーバーを試してみることをお勧めしたい。新しいジャンルに挑戦する楽しみはあるし、冬の室内での暇つぶしに向いていることは保証する。






2011年11月18日 00:00