家電製品ミニレビュー

無印良品「LEDスリムデスクライト」

~可動範囲も照射範囲も広いLEDデスクライト
by 藤原 大蔵

無印良品「LEDスリムデスクライト」
 無印良品の家電製品は、シンプルでいながら実用的なものが多いので、買うつもりはなかったのに、「あっ、ほっ、欲しい!」と心動かされてしまう事も多い。今回紹介するLEDスリムデスクライトもそんなもののひとつつだ。

 とにかくあっけないぐらいアッサリとしたデスクランプだ。円形のベースに、折れ曲がる棒が一本ささっているだけ、というような風貌。LED電球は小さくて軽く、発熱量が低いため、器具のデザインの自由度が高いとされるが、その特徴を、「ここまでやっちゃう?」と思えるぐらいシンプルで大胆にまとめたデザインにヤラレテしまったのだ。

 とはいっても、照明の光源としてのLEDはまだまだ開発途上。明るさはかなり改善されてきている印象だが、蛍光灯や白熱灯と比べて、光の広がり方には不満の残る製品も多い。

 そこで今回は、この「LEDデスクライト 3.5WハイパワーLEDx2灯」の実力を探ってみることにしよう。

メーカー無印良品
製品名LEDスリムデスクライト 3.5WハイパワーLEDx2灯
購入価格12,000円


組み立ては簡単。安定感があり傾きも片手で調整可

 本体は組み立て式だが、ベースに本体を差し込み、ACアダプターを本体のコードに差し込むだけで、あっけなく準備は完了。あとはスイッチを入れるだけで使用できる。見た目もシンプルなら、その準備もあまりにも簡単だった。

本体は全長705mm、断面は30x17mmのスリムデザイン。コードの長さは約1.8mベース部。直径は185mmで重さは1.4kgとずっしりと重い。底はウレタンが全面に張ってあり安定性が良い専用ACアダプター。小型なのでコンセントを占領しない
ベースピンに本体を差し込み、電源コードの先の連結プラグにACアダプターを差し込んだら使用準備完了本体の少し太いところにスイッチがある。スイッチを押すごとに、High→Low→消灯と点灯モードが切り替わる

 ライトの可動域は広く、デスクライトとしては十分。シェードをベースの真上から500mmぐらい先まで片手でラクに動かせ、さらに器具全体はベースを軸として、軽いタッチで360度回転する。ヒンジの動きもスムーズで、止めたいところでちゃんと止まる。ベースの重さが1.4kgありとても安定しているので、ベースをささえていなくても調整ができるのが快適だ。

 ヒンジ部分の硬さは調節できないが、片手で調整しても硬すぎず緩すぎずといったところ。何度も折り曲げてみたが、緩んでしまう気配は特に感じなかった。

ヒンジは計3カ所。それぞれに設定できる角度が異なるシェードの部分のみ、本体を軸としてひねる事ができる

可動部をいろいろ動かしてみた

照射面は広範囲、しかも明るい

 ここまでは使い勝手の良さそうなLEDデスクライトであるが、肝心の明るさはいかほどか。ただでさえ、コンパクトなシェードの内側には、小さなLED電球と反射鏡が2セット組み込まれているだけ。こんな小さな光源だけで、デスク上全体を十分に明るく照らし出すことができるのか心配になってしまう。

幅150mmの短いシェード内部に、小さなLEDと反射鏡が2セット組み込まれている直径35mmのミニクリプトン電球と並べてみると、シェードの厚みはその半分。こんなに薄くて大丈夫だろうか

 しかし、それは杞憂であった。デスクいっぱいに十分過ぎる明るさが得られ、実力は十分。杞憂どころか、想像を超える明るさと照射範囲が得られたのである。

 テーブルの真上45cmのところに光源部が来るように設置し、その直下の明るさを実際に計測した。すると、「Highモード」では1,112lx、「Lowモード」でも612lxと十分過ぎるほどの明るさが得られた。しかも、光源の位置を変えずにそのまま新聞誌を広げてみたのだが、新聞誌一面の上から下まで、隅々に光が届いていた。

Highモードの明るさは1,112lx。なお、光源はテーブルから450mmの位置で固定しているLowモードは612lx。これでも十分に明るいそのまま新聞誌を広げたが、一面まるまる明るい

 読み書きやPC作業であれば、500lxもあれば良いので、普段使いではLowモードでも十分だろう。より細かな作業をする場合に備え、広い範囲を確保しながら、1,000lxを超える明るさが得られるのはなんとも心強い。デスクライトとしての基本的な実力は十分と言える。

消費電力は、Highモードで5W(写真左) 、Lowモードではたった2W(写真右)
 もちろんLED電球を使用している以上、消費電力はとても低い。Highモードで5W、Lowモードでは2Wしか消費しない。したがって、Highモードで毎日8時間使用したとしても、月の電気代は27円弱と経済的。電球は変えられないが、光源の寿命は40,000時間あるので、毎日8時間使用しても13年以上使えるので、十分「モト」は取れる印象だ。

勉強や仕事用デスクライトにピッタリ、LEDの特性を活かした使い方も

 実際のデスク上に置いて使ってみたところ、室内照明を点灯しなくても、手元まわりは十分に明るい上、430mmの高さのモニターの上に光源を設置しても、器具からの眩しさが感じられず、光色もニュートラルな白色で快適であった。もちろん器具からの熱も感じない。

 アームをぐっと目線よりも下げる事ができるので、リビングルームのローテーブル上での活用も良いだろう。テーブルがテレビの前にあっても低い位置に設置できるので、テレビの視聴にもそれほど邪魔にならず、手元を一時的に明るく照らし出すこともでき、重宝する。

実使用例その1。デスク上は十分な明るさが得られる実使用例その2。間接光の明るさを抑えた部屋では、読書などちょっと明るさが欲しい場合にも活用できるだろう

 また、本体が回転することを利用した配置も良いだろう。例えばソファとダイニングテーブルなどを背中合わせで置いたレイアウトでは、テーブル使用時は高い位置から照らし、ソファ使用時は本体をクルリと180度回し手元付近だけを照らせる。こんな芸当も軽くこなしてくれるのだ。

ダイニングテーブル上で利用してもまったく問題ない。一応デスクライトではあるが、小さいシェード、スッキリとしたシンプルなデザインのおかげで違和感はないベースはそのままで、本体だけをクルリと180°回転させると、今度はソファの読書灯としても活用できてしまう。本体を最大限に傾けても安定していた

 しかし、使っているうちにいくつか気になった点があった。まずは光だ。光源はLEDなので、直線的な光を放つ。デスク上では実用十分の光の拡散性は期待できるが、白い壁に垂直に照らしてみると、光の形状はくっきりと四角い面で照らし出され、強い指向性が伺える。蛍光灯や白熱電球のような拡散的な光とは明らかに異なる。


 このクセを欠点とすれはそれまでだが、逆にそれを特性として利用するならば、さらに活用の場が広がる。例えば、家族で共有する寝室。明るい面と暗い面の差がハッキリと出るため、隣で寝ている家族をまぶしがらせることはない。

照射域はクセがあり、くっきりと四角い照射面となるセードをちょっと傾けるだけで、明るい面と暗い面がハッキリと分かれる。この性質を活かして、家族と共有する寝室での活用に向きそうだ

正式な使用方法ではないが、本体部分は軽いのでイザというときのハンドライトとしても重宝しそうだ
 また、移動面での手間もある。本体はベースに差し込まれているだけで固定されていないため、持ち運ぶ際にはベースと本体を両手で持って移動しなければならないのも面倒だ。

 ただし、本体はコードを含めてもたったの302gと軽く、片手で持ったまま、普通の懐中電灯では届かないような場所も明るく照らせる。コードは2m近くあり機動性もある。これはこれで便利と言えるだろう。


実力十分、暮らしのさまざまなシーンで活躍するライト

 スリムでシンプルな外観なのに、広範囲を照らし出せるとても明るく、安定性も良い。実力十分なデスクライトだ。値段もデスクライトとしてはまずまずといったところなので、仕事や勉強などはもちろん、暮らしのさまざまなシーンに応用の利くLEDライトとしてお勧めしたい。




2010年3月3日 00:00