家電製品ミニレビュー
三洋電機「ホットプレート HPS-MW3」後編
三洋のホットプレートHPS-MW3 |
今回も三洋のホットプレートHPS-MW3を引き続き紹介していく。前回は家族5人分のステーキを同時に焼いても、まだ回りで付けあわせまで作れてしまうというそのサイズに注目したが、今回はHPS-MW3を使ったタコ焼き&朝食での活用法などを紹介しながら、その他の機能や注意点を見ていこう。
■たこ焼きプレートは関西人じゃなくても大活躍
さすが関西の電気メーカー、三洋電機だけに、たこ焼きプレートも付いてくる。「たこ焼きは自宅で作るもの」という常識を持つ関西人には必需品だ。しかもおよそ5cmの大きなたこ焼きが、同時に21個も作れるので、いくつか作り置きしてから「いただきます」なんてジレンマもない。
でも、たこ焼きプレートは、たこ焼きを作るためだけにあるわけじゃない。子供のいる家庭でお勧めしたいのは、たこ焼きプレートで焼いたホットケーキ。いつもの形がまん丸に変わるだけで子供は大喜び。我が家では、焼きおにぎりもコレで作る。
前の晩に余ったご飯をたこ焼きプレートにいれ、少ししょうゆを垂らしてもよし、たらこを一緒に焼いてご飯に乗せてもいい。カレー粉と塩を振れば、ドライカレー焼きおにぎりにもなる。
変わった使い方としては、チーズ焼きなんて楽しみも。とろけるチーズを穴に入れて焦げるまで待つだけ。平らなプレートだと、溶けたチーズがどんどん広がってしまうが、たこ焼きプレートならそれがない。酒の肴にぴったりの香ばしいチーズ焼きができるのだ。
また騙されたと思って、たこ焼きをおかずにご飯と味噌汁(必需品!)を味わって欲しい。「え~っ!」と思うかも知れないが、実に美味なのだ! だってソース味なんだから、トンカツやコロッケを食べるのと同じ。1回やれば、たこ焼きとご飯、味噌汁の奏でるハーモニーにハマること間違いない。
アダプタ用プレートの上に、たこ焼きプレートを乗せる | ごはんと味噌汁とたこ焼きで夕食。画面奥にあるのは、かつおだしに塩としょうゆを加えた明石焼き風のタレ |
■とやかく言う前に作ってみよう! たこ焼き編
金属の急須みたいなものがなければ、大きめの軽量カップを使ってもOK。最初は凹みの2/3ぐらいまで注ぐ |
では我が家のたこ焼き晩ごはんの様子をご紹介しよう。
1)プレートを暖めたら油を引きたこ焼きミックスを入れる
温度は最高の250℃まで上げる。たこ焼きの元は、市販のたこ焼きミックスを使った。「こんなにシャブシャブでいいの?」と思うぐらいの液体だが、それで十分だ。
2)具の投入! 別にタコじゃなくてもいい!
ここではオーソドックスにタコを入れているが、鶏肉なんかでもおいしい。またトッピングとして、モチやチーズなんかを入れてもウマイ。外せないのは、ネギと天カス。特に天カスは、コク出し用に大量に使うので、スーパーのお惣菜コーナーで揚げたての天カスを入手しよう。
タコの頭の部分は、柔らかい部分をむしり取ってしまえば、足と同じようにウマい。頭は捨てちゃダメだ | ネギは大量に使うので注意。5人家族の夕食なら、長ネギ2~3本をみじん切りに |
天カスもまんべんなく振りかける。穴に入っていなくてもOK | トッピングで紅しょうが、チーズ、モチなどを入れてもおいしい |
3)凹みからあふれるぐらいたこ焼きミックスを追加投入
後から追加するたこ焼きミックスで、乗せた具をひとまとめにする。
4)ミックスが固まりだしたら凹みに合わせ串で切り分けひっくり返す
タコ焼きミックスが少し固まりだしたところで、凹みから溢れているミックスを竹串で切っていく。
凹みから軽くあふれるぐらいがちょうどいい。たっぷりかけると、大きなたこ焼きができるが、ひっくり返すのが難しくなる | 一度にひっくり返すのは難しいので、半分ぐらいまでひっくり返す | 凹みからはみ出た部分を凹みに戻すようにしてひっくり返すのがポイント |
なかなか便利だったのは、凹みと凹みの間についているスジ。このスジをガイドにして竹串を移動すると、きれいに切り分けができる。今まで多くのたこ焼き機を使ってきたが、このアイディアに出会ったのは初めてだ。
また返しも非常にスムーズ。新品ということこもあるかも知れないが、マーブルコーティングの実力見たり! といった感じだ。
5)ここまで返したらあとは簡単。家族全員で完全にひっくり返す
ここから先は、小学校低学年でも参加できる。串でくるくる回しながら全体を焼いていこう。
6)完成! 食べながら第2弾を作っていく
小さいたこ焼き機だと誰か1人が作るのに専念しなければならないが、このホットプレートは直径5cmのものが21個もできるから、みんなと一緒に食べられる。これはうれしい。
7)焼き肉同様お手入れは簡単
キッチンペーパーで軽く油を拭き、軽く洗剤で流してやればOK。
表面がキツネ色になったらできあがり。1度に21個もできるので、大皿にとって第2弾を作り始めよう | 各自にはお箸と一緒に1本のマイ竹串を持たせて、たこ焼き番を交代でする | たこ焼きプレートも焦げ付きは一切ない |
■収納ホルダーで縦置きも可能に!
ホットプレートで困るのは、その収納場所だろう。キッチンの吊り棚に入れるには大きく重すぎ、たいていは食器棚の一番下に鎮座しているか、押し入れや机の下に置いておくという荒業もある。しかしこのホットプレートには、縦置きができる収納ホルダが添付されている(HPS-MW3、HPS-SX3)。
本体にプレートを重ね、電源コードを入れたあとでふたをして、最後にホルダでカチッ!とロックしてやれば、大型のアタッシュケースほどの大きさにまとまる。取っ手もついているため、持ち運びも簡単だ。なにより専用ホルダを使うと縦置きができるため、ソファーと壁の間といったデッドスペースに収納が可能となっている。
専用ホルダで挟み込めば、コンパクトかつガッチリ固定される | こうして縦置きにもできるので、デッドスペースにも収納しやすい |
重量は省スペースタイプが7kg、写真の機種は9kgとかなり重いが取っ手のおかげで持ち運びはかなり楽だ。
■ふたがステンレス製で中が見えないのが購入の分かれ目
蒸し焼きが多い家庭には、不向きなステンレス製のふた |
このホットプレートのふたは、ステンレス製のため中の様子が見えない。そのため餃子をはじめとした蒸し焼き料理が多いという家庭には不向きだろう。フライパンのように、後でふただけ市販品を購入することもできないので、購入の分かれ目はココにありそうだ。
しいていえば、餃子の場合は焼き上がりで音が変わるので、これを聞き分けられれば不便することはない。
■朝食で使うと家事の長時間短縮に!
朝食を家族そろって食べる家庭にお勧めしたいのが、朝食でのホットプレート活用。ベーコンやハム、ソーセージに卵を食卓に置いておけば、子供たちは喜んで自分の朝ごはんを作るので、お母さんは大助かり! 写真ではホットケーキミックスを出しておいたが、食パンを置いておけばトーストだって簡単にできる。
朝ごはんのホットプレートの温度は、だいたい200℃ぐらいだ。これならたいていのものがうまく焼きあがる。
トーストを焼く場合は、あらかじめバターを落として、その上に食パンを乗せる。こうすれば、バターを塗る手間も省けて便利だ | 200℃にしておけば、ホットケーキの焦げ目もバッチリ、ベーコンも炭にならない。目玉焼きだって、半熟でおいしそう。硬い目玉焼きが好みの場合は、ターンオーバー(ひっくり返してもう1度焼く)にすればいい |
我が家で定番の「マックグリドル」っぽいもの。ホットケーキの間にチーズ、目玉焼き(ターンオーバー)、ハムやベーコンを挟み、メイプルシロップをかけてできあがり。
レタスやトマトをはさんで野菜も一緒に食べるのもいいだろう | 朝ごはんならコレ1個で十分。晩ごはんにもなるボリューム |
■1,350Wのハイパワーはコンセントに注意!
15A(1,500W)まで対応している延長ケーブル。購入時は注意書きをよく読むこと |
プレートが大きい分ヒーターの消費電力も1,350W(シリーズすべて)とかなり高めだ。これは電子レンジ(火力の強さを示す出力W数ではない)や、エアコンをフル稼働させた状態に等しい。
電子レンジやエアコンに延長ケーブルを使う人がいないように、このホットプレートも延長ケーブルは原則で利用禁止だ。必ず元のコンセントから電源を取るようにすること。
ただ添付されている電源コードは1.8mしかなく、ほとんどの家庭ではコンセントまで届かないだろう。そんなときは、15A(1,500W)タイプの延長ケーブルを使うこと(家電量販店などで入手できる)。市販されているケーブルの大半は12A(1,200W)タイプなので、間違えないようにして欲しい。
さらに部屋のコンセントは、いくつかのコンセントがまとまって20A(2,000W)という上限がある(エアコン用のコンセントはたいてい独立している)。焼き肉をやっている最中にヘアドライヤーを使うようなことでもあれば、確実にブレーカーが落ちるので注意が必要だ。
■シリーズラインナップ
今回紹介したホットプレートは、シリーズの中で一番大きく多機能タイプ。これ以外にも価格やスペースに合わせてラインナップが用意されている。
・ワイドプレートタイプ
型番 | 消費電力 | 寸法 | 総重量 | プレート温度 | プレート寸法 | 平面プレート | たこ焼き&焼き肉用アダプタ |
HPS-MW3 | 1350W | 605×360×150mm | 9.2kg | 250℃ | 510×310×21mm | ○ | ○ |
HPS-MW2 | 1350W | 605×360×150mm | 7.0kg | 250℃ | 510×310×21mm | ○ | × |
HPS-MW2は、穴あきの焼き肉プレートの代わりに従来式の波型プレートとなっていて、たこ焼きプレートは付属していない。また収納ホルダがないので縦置きはできない。
・ローフォルムスクエアタイプ
基本機能はそのままに、プレートサイズを一回り小さく四角にしたタイプ。
型番 | 消費電力 | 寸法 | 総重量 | プレート温度 | プレート寸法 | 平面プレート |
HPS-SX3 | 1350W | 520×360×150mm | 7.4kg | 250℃ | 435×305×25mm | ○ |
HPS-SX2 | 1350W | 520×360×150mm | 6.1kg | 250℃ | 435×305×25mm | ○ |
ローフォルムスクエアタイプは、ワイドプレートと違いヒーターと本体を分離でない。HPS-SX3は、紹介したホットプレートにミニサイズ版で縦置きホルダ付き。HPS-SX2は、従来式の波型プレートで、たこ焼きプレートは含まれない。
デジタル家電の進化ばかりに目が行ってしまうが、アナログなホットプレートも確実に進化している! 買い換えてみるのはいかがだろうか。
2009年8月18日 00:00