三洋電機「ホットプレート HPS-MW3」 前編
■今お使いのホットプレートは何年前のヤツですか?
「いまさらホットプレートか…」と思う人もいるだろう。でも自宅にあるホットプレートは何年前に買ったものだろうか。結婚当初? 子供が大きくなってから? ほとんどの場合5年以上、下手をすると10年以上も使っているんじゃないだろうか。かたや毎日使うフライパンは、フッ素樹脂加工が落ちてしまうとすぐ買い換える。長く使っても2年というところだろう。
そう、たいていの家庭では、フッ素樹脂加工が剥げてしまったホットプレートを無理やり使っているというのが実情だろう。焼きそばなんてやろうものなら、麺の1/3がプレートにくっ付き、鬼の形相でフライ返しで掻き取る。おいしそうに焼けた目玉焼きも、いざ取ろうと思ったら黄身がグチャーっと。どうです、図星でしょ?
三洋電機 ホットプレート HPS-MW3 | 「縄のれん」が作れるホットプレート。写真は7年前の製品 |
フライパンだったら絶対捨てているようなホットプレートを、いまだに使っている人にお勧めしたいのが、最新のフッ素樹脂加工と、いろんな料理に使えるプレートが何枚もセットになった三洋電機のホットプレート、HPS-MW3をお勧めしたい。
メーカー | 三洋電機 |
製品名 | HPS-MW3 |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 13,800円 |
■焼き肉をしても翌日カーテンが臭くならない!
特徴的なのは穴の開いたプレートと、その上にハメ込む焼き肉プレート&たこ焼きプレートだ。注目して欲しいのは、焼き肉プレート。通常の焼き肉プレートは、凸凹になった波状プレートだろう。肉から出た余分な脂は、凹の溝を伝いプレートの周囲に流れていく構造になっている。が! たいてい周囲では、もやしやたまねぎなどを焼いているため、せっかく落とした肉の脂をたっぷり吸い込んだ野菜を食しているわけだ。実にアンヘルシー。
たこ焼きプレートと焼き肉プレートを乗せるためのアダプタ | 焼き肉プレート。穴が開いていて余分な脂が落ちるようになっている | 関西人には必須のたこ焼きプレート |
しかしこの焼き肉プレートは、穴が開いていて脂が落ちるようになっている。これなら周りの野菜が脂を吸うこともない。しかも穴の下には水受けがあり、ガスコンロの魚焼きグリルのようになっているので、煙がほとんど出ない。その効果たるや、普段リビングで焼き肉をするときはフル回転する、居間の空気清浄機がアイドリング状態という具合だ。
従来機で焼き肉をすると2~3日はカーテンが焦げ臭く、ファブリーズが大活躍するところだが、新型ならカーテンのアノ臭さから開放されるのだ。
■あれこれ言う前に使って見よう! ステーキ編
というわけで、さっそく実際に調理してみよう。調理機器のレポートは、実に楽しい! 今回はプレートの大きさもレポートしなければならないので、アメリカ牛の128円/100gという格安ながらも分厚い肩ロースを使って、家族5人分のステーキを焼いてみた。
1)無煙用の水受けとヒーターの組み立て
ステーキなので焼き肉プレートを利用する。このため煙が出ないように、水受けをセットして、その上にヒーターをセットする。
煙防止用の水受けに、水を入れる | その上にヒーターをセット |
2)プレートのセット
焼き肉プレートを乗せるアダプタをセットして、その上に穴の開いた焼き肉プレートを置く。なるほど、ヒーターを避けるように穴が開いているワケだ。
アダプタのプレートを乗せる | さらにその上に焼き肉プレートを乗せる |
3)ヒーターが通っていない外周で付け合わせも同時進行
レストランのステーキのように、焦げ目を斜めに入れたかったので肉は4枚しか乗せていないが、写真で分かるとおりじゅうぶんに5枚同時に焼ける大きさだ。外周はヒーターが通っていなかったので温度が低いかと思い、付け合わせを焼いてみた。
プレートが広いのでまわりで付け合わせも同時に調理できる | 片面の焼き上がり。レストランのような焼け目も付いた |
待つこと10分ほどで片面が焼きあがる。ウマそー! 焦げ目をきれいに出すためには、頻繁に肉を動かさないこと。
4)にんじんのグラッセができたのでソースを温める
にんじんができあがったので、ステーキソースを温めなおす |
火力が弱いかと思っていた外周だが、あらかじめ茹でてあったにんじんのグラッセは完成。にんにくも徐々にいい具合にフライになってきた。
贅沢な悩みで申し訳ないが、肉の厚さが2~3cmほどあったので、上下裏表をそれぞれ10分ほど焼かなくてはならなかった。さすがにガスコンロなみの火力は得られないようだ。とはいえ、同時に4~5枚のステーキが焼けるので、家族一緒に「いただきます!」できるのは非常にうれしい。
5)長時間焼いたのに乾燥せずミディアムな仕上がりに!
ソースは、フォンドボー(なければ固形スープ)に、塩、砂糖(少し多め)、隠し味にしょうゆとワイン。忘れちゃならないのが、パイナップルジュースだ。牛のソースには、パイナップルが必需品!
クレソンが売ってなかったので、緑の代用として細ネギの先っぽを利用。レストランっぽい | いい具合のミディアムに焼きあがった。ウマそーでしょう。だってウマイもん! | 料理の写真の後にアレだが、かなり脂が落ちていることが分かる |
すばらしい焼き具合! 肉が分厚かったので計30分も焼いていたが、ロース肉なのにジューシーな焼き上がり。脂身も少なかったが、それでも水受けには、かなりの脂が落ちていったらしい。
■工具なしでバラバラにできるから手入れが簡単
ホットプレートで面倒なのがお手入れだ。プレートと本体の間に入ってしまった、ホットケーキミックスや焼きそばの麺など、つまようじで一生懸命ほじくり返してもなかなか取れない。
しかしこのホットプレートは、工具なしでバラバラに分解できるため、機器の奥に入ってしまった食べカスまでシッカリお掃除できるのが特徴だ。
下から、本体カバー、遮熱板、焼き肉プレート用水受け(焼き肉プレート利用時のみ)、ヒーター、焼き肉&たこ焼きプレートアダプタ、焼き肉プレート、たこ焼きプレート、平面プレート、ふた。写真は、合成によるもの |
ここまで分解できると、取り付け順や向きで最初は少し戸惑うかもしれないが、数回も使えばなれてくるだろう。
お手入れ面での難点は、プレートが巨大ということ。最近の住宅であれば、大型のキッチンシンクが使われているので、61×36cm(横×縦)のプレートも入るだろうが、古い住宅のシンクだとはみ出す可能性がある。こんなときは、お風呂場で洗うよりほかないだろう。場合によっては、同じシリーズの四角い省スペースタイプ「ローフォルムスクエアタイプ」を選ぶといい。
キッチンペーパーでさっとひと拭きすれば、洗い物も楽チン |
プレートの掃除も簡単で、キッチンペーパーでさっとひと拭きして、洗剤で流せばOK。3回ほど最大火力で使用したが、焦げ付きは一切なかった。ただ焼き肉プレートは、穴が開いており裏側にはフッ素樹脂加工されていないため、穴の周囲から焦げが堆積していた。焼き肉プレートに限って、裏側からたわしで洗ってやる必要がある。
次回は、たこ焼きを作りながらこのホットプレートのポイントを見ていくことにしよう。
2009年8月17日 00:00