家電製品ミニレビュー
アピックス「ブラックスレンダーファン AFM-300R」
■スピーカーのような見た目の扇風機
アピックス「ブラックスレンダーファン AFM-300R」 |
東京では連日30℃を超える暑さが続き、いよいよ夏本番といった感じだ。エアコンが活躍する時期だが、実は我が家にはエアコンがない。これまでは、引っ越した先のマンション備え付けで置かれているエアコンを使っていたのが、昨年末に引っ越したマンションはファミリータイプで、エアコンが設置されていなかったからだ。
引っ越した先が都内に比べ人口密度が低い場所ということもあって、これまでは窓を開けてなんとか暑さを凌いでいたが、30℃を超す日が続くと、さすがに寝苦しさを覚えるようになってきた。もともと、エアコンの冷風が苦手ということもあって、とりあえず扇風機を導入することにした。
実は、扇風機を使うのは20年ぶり。改めて売り場を見てみると、いわゆる昔ながらの扇風機はもちろん、サーキュレーターと名前を変えたオシャレな小型の製品もたくさん並んでいる。エアコンがない我が家では、風を循環させるというよりは、風を身体に当てる、という用途が中心になりそう。そのため、風はある程度パワフルなもの、風が当たる範囲が広いもの、を条件とした。これならばパワフルそう! と選んだのは、ファンが3つ並んだアピックスの「ブラックスレンダーファン AFM-300R」だ。
メーカー | アピックス |
製品名 | ブラックスレンダーファン AFM-300R |
希望小売価格 | オープンプライス |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 12,000円 |
製品パッケージ | 製品正面。本体サイズは335×335×1125mm(幅×奥行き×高さ) | 製品側面。奥行き35mmでスリムな本体 |
何よりも特徴的なのは、3つのファンがならんだその外観だ。真っ黒な本体に小型のファンが3つ並んだデザインは扇風機というよりはスピーカーなどのAV機器のようなデザイン。パッケージを見るとかなり大型の製品に見えるが、実際に設置してみると、ずっとスマートで6畳の部屋に置いても違和感がない。一般的なサイズの扇風機よりも場所を取らないくらいだ。
1つのファンの大きさは、手のひらに収まってしまうサイズ | 羽根の色はブルー | 3つのファンが並んでいる様子はまるでスピーカーのような雰囲気 |
使い始めるまでには簡単な組み立てが必要になる。土台部分を最初に組み立てる | 土台部分は、はめ込み穴を組み合わせて結合させる | 支柱となる本体底部には固定ナットがはめられている |
固定ナットを外し、支柱に土台をはめ込んだら土台の上から固定ナットをはめ直す。これで本体の組み立ては終了だ | 付属のリモコン | 本体背面にはリモコンホルダーが設けられている |
■3つのファンを組み合わせて、動きは21通り!!
実はこの製品、扇風機やサーキュレーターを多く取り扱うアピックスの中でも上位機種に当たる製品。価格帯も他の製品は、3千円~9千円という価格帯が中心なのに対して、この製品は12,000円となっている(Amazon.co.jpでの販売価格)。
本体の操作パネルはタッチパネルになっている |
高機能のポイントとしては、まず3つの扇風機を組み合わせて、全部で21通りの動きができるということ。もう1つは操作部分がタッチパネルになっているということがある。黒光りする本体デザインにくわえ、ここらへんの細かいスペックもメカっぽい雰囲気が漂う。
そのほか、特徴的な機能としては香りが楽しめるアロマパッドが付属している。
アロマケースとアロマパッドが付属する。アロマパッドは3つ付いてくるので、香りによって使い分けることも可能だ | アロマパッドにアロマオイルを1~2滴垂らす | ケースの蓋を閉めたら、ファンの前に設置する。こうすると香りが部屋中に広がる |
まず“21通りの動き”について少々説明する。3つのファンは、それぞれON/OFFが操作できるほか、風の強さもHI/MID/LOWの3段階で別々に操作できる。また、左右80℃に方向を変える首振り機能も搭載されている。
それ以外の運転モードとしては、ノーマル運転のほかに「リズム風」と「おやすみ風」が搭載されている。風に強弱がついているリズム風は扇風機の機能としてはごく一般的なものだが、ユニークなのは、経過時間に応じて風が弱くなるという「おやすみ風」機能だ。
たとえば、風の強さをHIにして、運転モードをおやすみ風にした場合、最初の30分間はHI設定の強風だが、次の30分間は風の強さはMIDに切り替わる。更に1時間経過すると、LOWになる。特に睡眠中は、一定の風量を身体に当て続けると身体が冷えてしまうので、便利な機能だ。そのほか、タイマーとして1・2・4・8時間が設定できる。
ファンの運転状況は青色LEDで表示される。写真は3つ全てのファンが動いている状態。左右に矢印が出ているマークは首振り機能を設定している時に表示される。風の強さは一番強いHIに設定している。このように運転状況は常にアイコンで表示されるためとてもわかりやすい | 1番上と1番したのファンを運転している状態 | 1番下のファンだけを運転している状態。タイマー設定は8時間で、風の強さは弱いLOWになっている |
■暑さ対策に一定の効果あり
我が家ではもっぱら寝室での使用がメインとなっている |
また、確かに風そのものはパワフルなのだが、1つ1つの扇がそれほど大きくないため、風で体温を奪われるといったこともなさそう。私の場合は音もそれほど気にならなかった。
動きについては、購入当初は色々試してみたが、エアコンのない我が家の場合は、第一に涼しさを求めているので、3つ全てのファンをフル稼働して、起きている時はHI運転、寝る前はLOW運転が定番になっている。身体が冷えやすい私の場合、連続的に風に当たるのが苦手なので、運転モードは常に首振り設定で、寝る前はおやすみモードもONにしている。
3つのファンがそれぞれ動くという機能は、今のところ使いこなせていないが、季節に応じて、1番上のファンだけを回転させ、サーキュレーターとして使うなど、使用用途に合わせて使うことができるのでやっぱり便利だ。
気になったのは、本体の造りだ。特に気になるのが台座部分。本体が倒れるというような心配はないものの、移動する時などにぐらつく感じが頼りない。継ぎ目の見えるプラスチック製の台座は、高級感のある本体の造りとアンバランスな印象なので、ここだけはちょっと改善していただきたいなと思う。
また、表示パネルが黒いため、暗闇で操作するのはほとんど不可能。運転モードは常に青色のLEDで表示されているので、できれば電源ボタンだけでも表示してもらいたい。
本体のデザインや機能に凝っている製品だけに土台の造りがちょっと気になる | 暗闇でも運転状況は確認できるが、操作ボタンは全く見えない |
AFM-300Rを買ったことで、もうしばらくはエアコンなしの生活を続けられそうだ。インテリアのアクセントとしても充分使えるので、エアコンを買ってからもサーキュレーターとして使い続けるつもりだ。
2009年7月16日 00:00