家電製品ロングレビュー

シンプル操作で家族みんなが使いやすいAQUAの冷蔵庫 後編

ハイアールアクアセールスの冷蔵庫「AQR-FG50C」

 消費増税を前に買い替えたのが、ハイアールアクアセールス(AQUA)の冷蔵庫「AQR-FG50C」。定格内容積495Lで、省エネ性と使いやすさへのこだわりが詰まっている冷蔵庫だ。

 前回は、設置の話や、冷蔵室のドアを開けた時に庫内の温度上昇を抑える「スマートエアカーテン」機能を中心にお伝えしたが、今回は使ってみて良かった点や、気に入ったポイントをご紹介しよう。

メーカーハイアールアクアセールス
製品名冷蔵庫 AQR-FG50C
希望小売価格オープン価格
購入場所ヨドバシ.com
購入価格239,600円

家族みんなが使うものだから、簡単操作が嬉しい!

 さて、従来の古い冷蔵庫を使ってきた家族にとって、これまでの冷蔵庫とは“扉の開け閉めをするだけの家電”。機能といえば、食材を冷やして保存し、長持ちさせてくれればそれでいい、という感じ。ところがこのたびやってきたAQR-FG50Cは、ボタン1つで庫内温度を部屋ごとに調節したり、節電モードの設定ができたりと、賢い機能を搭載している。うちの家族にも使いこなせるだろうか……と不安だったが、実際には簡単だった。

 AQR-FG50Cのタッチ式操作パネルはかなりシンプルで、無駄な文字表示がなく、説明書を熟読しなくてもアイコンを見ればすぐに操作できるレベルなのだ。これなら、操作ボタン付きの冷蔵庫を買うのは初めて……という方もトライしやすいだろう。

まず冷蔵室のドアにタッチ
ドアにタッチすると、操作キーが表示される
各室をアイコンで表示。右側にチャイルドロックキーと、省エネの「節約ecoモード」ボタンも用意する

 そして、このタッチキーから設定できるのが、「節約ecoモード」だ。コンプレッサーの回転数を抑えることで、庫内の冷却を約1~2℃高めにし、消費電力量を最大約10%節約してくれる。室内の温度が低い今のシーズンには、さっそくecoモードで運転している。

 なお、もっとこだわりたい人には冷蔵室や冷凍室の温度を20段階から細かく設定することも可能だ。

「節約ecoモード」とチャイルドロックを設定すると、アイコンがカラーで点灯する
冷蔵室の温度調整。5段階から冷却の強さを調節できる
冷凍室の温度調整の様子

 AQR-FG50Cの年間消費電力量は220kWh。5年前の国内家電メーカー各社の同容量の冷蔵庫に比べ、半分程度に抑えられている。使い始めてから1カ月たっていないので、まだはっきりとした電気代はわからないが、次の電気代の明細を見るのが楽しみである。

ピザがまるごと入る、広いフレッシュルーム

 使い勝手の面で1番気に入ったのは、食品を0℃前後で低温保存する「フレシュルーム」が広いこと。フレッシュルームは冷蔵庫の下部に2段が位置している。その上段は、端から端まで幅570mmの引き出しになっていて、例えば直径約25cmのピザや、刺身の盛り合わせ、大皿に盛りつけた料理などもまるごと収まる。下段は2つの引き出しで、小分けした食材の保存などに便利だ。

冷蔵室内の様子
幅570mmのフレッシュルームはピザが余裕で収まる広さ
下段も、パック入り食材などをそのまま収納できる

 冷蔵室内では「じざい棚」も便利。じざい棚は、半分に折りたたんで奥行きを浅くできる棚で、例えば大きなタッパーや鍋を入れる際に、折りたたむとすっきり収まる。逆に、買いだめして食材が増えた日には引き出した状態で使えば、多くの食材を並べられる。こうして収納量、容器に合わせて使えるので気に入っている。

 冷蔵室上部の棚は、大きなヨーグルト容器も立てておけるほど高さに余裕がある。庫内灯が奥まで明るく照らすため、以前の冷蔵庫のように「あれ~どこにいったっけ」などと言いながらゴソゴソと手を伸ばして食材を探り出す手間がかからなくなった。

じざい棚を折りたたんで半分にした状態
自在棚を引き出すと、より多くの食材を置ける
冷蔵室上部の棚には、ヨーグルトの大きな容器もそのまま立てておける

 冷凍室も上下に2段が用意されていて、広い。下段の冷凍室には、上部に引き出しが付いていて、ここによく使う食材や背の低い食材を入れている。横幅が50cm以上あり、スペースに余裕がある。普段あまり使わない氷枕は、下段の奥に収納している。いざという時のためにいくつも凍らせておけるのが嬉しい。

パイシートや枝豆など背の低い食材は、下段冷凍室の浅い引き出しに入れておくと、取り出しやすい
かさばる氷枕をいくつも凍らせておくことができる

 上段右の引き出しとなっている冷凍室は、約265×380mm(幅×奥行き)で、奥行きに余裕がある。

 この冷凍室は、急速冷凍機能を搭載している点がポイントだ。急速冷凍とは、専用ファンから勢いよく冷気を送り出すことによって、通常よりも素早く食材を凍らせる機能だ。食材を素早く凍結させることで、ドリップの流出を抑える効果があるという。食材をおいしく保存できるなら使わない手はない。我が家では、果物類や自家製のコンポート、肉類を凍らせる際に活用している。

 底面にアルミトレイが敷いてある点も、食材を冷やす効果がありそうだ。このアルミトレイは下段の冷凍室にも同じく搭載している。

設定は、ドアに付属するタッチキーからワンタッチで行なう。運転時間は約2時間半
右側の冷凍室に急速冷凍機能を搭載している。果物や肉類の美味しさを保ちながら冷凍する

ダークブラウンの木目調家具にマッチするデザイン

 最後に、デザインについて触れておきたい。カラーはホワイトとシルバーとブラウンの3色があって、我が家のキッチンに合いそうなブラウンを選んだ。透かし模様が入った赤味の強いブラウンなので、思ったほど派手ではなく、ダイニングキッチンに設置してみると、ダークブラウンの木目調家具と色が合い、落ち着いた雰囲気になった。家族からは「高級感があっていいね」と好評だ。

 最近、こういうミラー調デザインの冷蔵庫が増えた。ドア表面は、キズがつきにくい強化処理ガラスだ。ドアに部屋の様子が映り込み、空間に奥行きを演出している。以前設置していたマットなグレーの冷蔵庫に比べ、威圧感がなく、部屋が広く感じた。

透かし模様が入ったブラウンカラー
自然光だと、透かし模様は目立たない。周りの木目調家具と合う色味だ

冷蔵庫の本質機能にこだわりを感じる、誰でも使いやすい冷蔵庫

 AQR-FG50Cは、美味しく、長く、食材を保存するにはどうしたらいいか、という冷蔵庫の基本機能にこだわりを感じる設計だ。例えばドアの開閉による庫内温度の上昇を防ぐ「エアカーテン」機能や、食材の長期保存に適した広いフレッシュルームや冷凍室を備えている。広い庫内にたっぷり見やすく収納できるよう、庫内灯は奥まで明るく、冷凍室や野菜室には上部に引き出しがついている。

 そして無駄な機能のないシンプル操作。節電モードや各室の温度調節は、タッチキー1つでとても簡単だ。最新の家電は操作が難しいのでどうも……という我が家族にも、わかりやすいと好評だった。

 シンプルで使いやすい、最新の省エネ冷蔵庫をお探しの方は、ぜひ選択肢に入れてみてはいかがだろうか。

小林 樹