家電レビュー

ボッシュの電動空気入れがイイ感じ! 自転車タイヤも楽々

ボッシュ「コードレスエアポンプ EasyPump」

ボッシュ(BOSCH)のe-bike試乗イベントで、発売前製品のコードレスエアポンプ「EasyPump(イージーポンプ)」に触りました。充電式の電動空気入れで、自転車や浮き輪などの遊具、スポーツ用ボールなどに対応しています。そのときに試用してみて「これは便利!」と感じたので、発売後に購入しました。

充電式の電動空気入れで、タイヤやボールなどへ最大150psi/10.3barの圧力で空気を入れられます。価格は11,400円(税別)ですが、購入時はネット通販で9,000円弱でした

EasyPumpは、主にスポーツ自転車タイヤに空気を入れることを想定した電動空気入れだと思われます。というのは対象に入れられる最大空気圧力が「150psi/10.3bar」という仕様になっていることと、仏式バルブ対応のアダプターが付属していることからもわかります。

たとえばロードバイク用タイヤの場合、入れてもよい最大圧力は(高いものでも)150psiくらい。130psiくらいまで入れていいタイヤが多いと思いますが、多くのライダーは最大圧までは入れないと思いますので、この空気入れなら「ロードバイク用タイヤにも十分対応できる」と言えそうです。またクロスバイクやマウンテンバイクなどは、さらに最大圧力の低いタイヤを使うことが多いので、スポーツ自転車全般に対応できると思います。

加えて、アダプター類を本体に収納しておけたり、USB充電式で連続約20分使えて、「空→フル」への充電時間が約3時間など、なかなか納得できる要素が多い。ポケットサイズとは言えませんが、430gという重さも「サイクリングのお供に持っていこうかな」と思わせるところも好印象(ロードバイクライダーには重すぎるかもしれませんが)。そんな要素を総合して「以前に試用して便利だったし、ほかの部分の使い勝手もなかなか良さそう」と考えて購入しました。

付属する3種のアダプターはグリップ部に収納できます。また、本体前方のホースが出ている部分には白色LEDランプが内蔵されており暗所での作業にも便利です

本体サイズは49×215×106mm(幅×奥行き×高さ)。重量は430g。英式/仏式バルブ用アダプターのほか、ボールや遊具用のアダプターなども付属していて、タイヤ以外の空気入れにももちろん使えます。

付属するのは英式/仏式バルブ用アダプター(シティサイクル/ロードバイク用)、ボール用ニードルアダプター、遊具用テーパーアダプター(ビーチボール/浮き輪用)、充電用USBケーブル、収納用コットンバッグです。本体から伸びるホース先端には米式バルブ用アダプター(マウンテンバイクなど用)があります。ホースやアダプターは取り外せません

十分な機能性を備え、シンプルに操作できる

EasyPumpを触ってみてまず感じたのは「あら簡単!」ということ。使い方は、本体から伸びるホースを自転車タイヤのバルブやボールや遊具などの空気注入部につなぎ(必要に応じてアダプターを使用)、本体のボタンを操作するだけです。

ボタン操作は、赤いボタンを押せば電源オンオフで、左右のボタンを押せば入れる空気の圧力を設定できます。圧力の単位もボタン操作でbar(バール)→psi(ポンドスクエアインチ)→kPa(キロパスカル)→bar……と順繰りに変えられます。

電源ボタンを押せばオン(再度押せばオフ)。必要に応じて単位表記変更ボタンで圧力単位を選び、-/+ボタンで入れたい空気圧を設定し、START/STOPボタンを押せば空気の注入が始まります。空気圧が設定値になると自動的に空気注入が終了します
ディスプレイ表示例。ディスプレイ真下にあるUNITボタンを押せば、圧力単位がbar→psi→kPa→bar……と順繰りに変わります。-/+ボタンで入れたい空気圧を設定するわけですが、一度設定した値(PRESET値)は電源をオフにしても記憶され、次回電源をオンにしたときに引き継がれます。図中の「測定値表示」とは、現在タイヤなどにどの程度の圧力が入っているかをリアルタイムで示す値です

ちなみにEasyPumpは、公式には自動車タイヤやバイク(モーターサイクル)タイヤの空気入れには対応していません。これは「自動車やバイクのタイヤ等の空気入れに使用する各種証明用器具としての使用を想定していない」からだと思われます。また連続使用時間の関係上、大きなエアマットレスなど大量の空気が必要な用途には向きません。

EasyPumpで入れられる空気圧力は最大で150psi/10.3barとなっており、kPa換算だと最大1,030kPaです。筆者が乗っているモーターサイクルの場合、2人乗車時でのタイヤ最大空気圧は175kPa。EasyPumpが余裕でカバーする圧力範囲ですが……モーターサイクルやクルマのタイヤへの使用はメーカー想定外ということで、自己責任での使用になると思います。

自動でタイヤに空気が入るのはラク! でも若干の騒音も

続いて、実際にEasyPumpを使っている様子をご紹介します。使用感的な印象をまず書いてしまいますと、これまでフロアポンプで手動で空気入れをしていた身からすれば「電動空気入れはなにしろラク!」という印象です。EasyPumpの動作音は小さくはなくやや気になるレベルではありますが、労せず空気入れができるのはとてもありがたいです。

手持ちのミニベロの20インチタイヤにEasyPumpで空気を入れてみましたので、手順や使用感を紹介します。空気注入速度を知るための実験として、いったんタイヤの空気を全部抜いてから注入して時間も測ってみました。結論からいえば、目的の空気圧の通りほぼ正確に空気を入れられました。

この20インチタイヤは仏式バルブ。スポーツ自転車によく使われているバルブです
実験として、いったんタイヤの空気を全部抜いてみました。仏式バルブなので、EasyPumpに付属する英・仏式バルブ用アダプターをセット。アダプターにEasyPumpから伸びるホースを接続
タイヤは20×2.15サイズで、ミニベロ用のやや太めのタイヤ。適正空気圧は2.0〜4.0bar(30〜55psi)ですが、いつもは3.0barくらいにしていますので、今回は、空気が入っていない状態から3.0barになるまで空気を注入
3.0barになるまで空気を注入してみると……目標値の3.0barまでもう少し。この時点でのタイヤ空気圧は2.75barでしたが、ここまで約1分45秒
開始から約1分57秒後、タイヤ空気圧が目標値の3.0barに達し、EasyPumpの動作が止まりました
満充電状態から使いましたが、20×2.15サイズのタイヤを空から3.0barにしたところ、電池の目盛りがひとつ減りました
タイヤの空気圧を測ってみると3.05barくらい。EasyPumpの空気圧の正確性は、なかなか高そう

気になったのは、EasyPumpを満充電状態から使い、20×2.15サイズのタイヤを空から3.0barにしたところ、電池の目盛りがひとつ減ったこと。EasyPumpはそんなにスタミナがない?

ただ、空気が空状態のタイヤに対する空気入れは、まあパンクしたときくらい。通常は「ちょっと空気が減ったから追加で入れておこう」という感じで、たとえば今回のタイヤなら「2.65barを3.0barにする」ような使いかたが多いと思います。日常使いではスタミナの足りなさはあまり感じられないかもしれません。

もうひとつ気になったのはEasyPumpの動作音。予想よりモーター音が大きく、夜間の集合住宅の玄関の外など場所によっては、使用するか迷うかもしれません。

また、EasyPumpを手で握っての使用は問題ないのですが、EasyPumpを床などに置いて空気注入をさせると、その振動でEasyPump本体がゆっくり動いてしまいます。そういった音などを含め、EasyPump使用中の様子を動画でも撮ってみました。

空気を入れているときの動画。タイヤは空気が少し減った状態で、空気圧2.65barです。ここから目標値の3.0barまで空気を入れました。約12秒で目標の空気圧に達しました

もちろん空気をどの程度入れるかにより、かかる時間が変わってきます。これにより電池の減りも変わってきます。ともあれ、EasyPumpをしばらく使った印象としては「ときどき充電すればとくに不満なく使える」という感じです。

個人的に残念なのは、EasyPump本体から出ているホースの先端が米式バルブ用になっていることです。手持ちの自転車はどれも仏式バルブなので、EasyPumpで空気を入れるたびに自転車のバルブに英・仏式バルブ用アダプターを装着する必要があります。ほんの一手間なんですが、ちょっと面倒。

ともあれ、電動で空気を入れられるのはとてもラクでイイです。一度使うと後戻りできない感じ。便利なEasyPumpなので、機会があればぜひお試しください。

スタパ齋藤