家電製品レビュー

キッチンが狭くても大丈夫。三菱の冷蔵庫は天板が広くて“ちょい置き”に大活躍

三菱電機の168L冷蔵庫「MR-P17F」。カラーは、「マットホワイト」と「マットチャコール」で迷いましたが、今回は落ち着いた「マットチャコール」をチョイスしました

私事ですがこのたび、自宅から徒歩圏にオフィスを借りました。40m2ちょっとの小さなアパートですが、自宅に山積みになっていた家電の段ボールが6畳間にすべて収められ、リビング的な洋室(6畳)とダイニングキッチン(6畳)もあって、そこそこ快適。今後はこのオフィスと自宅から、家電レビューや新製品情報などを発信していきたいと思っています。

さて、そんなわけで少人数世帯向けの家電や家具を少しずつ用意しているのですが、特に悩ましいのが小型冷蔵庫選び。大型冷蔵庫のように目新しい機能が搭載されることは少なく、大きな違いはありません。

となれば選ぶ基準は、デザインが気に入るかどうか、部屋に置きたいと思えるかどうか。そのうえで、使い勝手がよければ言うことありません。そういう意味で私が気になっていたのが、三菱電機の168L冷蔵庫「MR-P17F」(実売価格60,000円前後)。インテリアになじみそうなマット調の質感と、天板の広さが作業スペースや“ちょい置き”に便利そうだったので、今回試用させていただきました。

最初に悩んだのは、冷蔵庫をキッチンのどこに置くか?

キッチンの中には、最初から冷蔵庫置き場が決まっている場合も多いですが、今回はほかの家具も置いていない状況だったため、まず「どこに置いたらいいか?」ということから考える必要がありました。最初はシンクの真横につけようかと思いましたが、扉が右開きなので、開閉時にシンクが邪魔になりそう。水の飛び散りで汚れそうなのも心配です。

まだ何も置いていない状態のキッチン。ほかの家具が入ってくる前に冷蔵庫の置き場所を確定したいところです

右開きであれば、ガスコンロ側の壁面に置くと、動線的にはバッチリかも? と思いましたが、ちょうどここにインターホンが設置されていて、残念ながら設置できず……。結局、シンクから離した左側に設置することにしました。

ちなみに片開きの冷蔵庫は、開閉の向きを左右で選べるものが多いですが、小型冷蔵庫などで選択肢がない場合は右開きが多いようです。私は左利きなので、おそらく左開きのほうが開けやすいのですが、そこは慣れれば問題なし。ただ「左開きだったら、シンク側からアクセスしやすかったのにな」と思ったのですが、この点は実際に使い始めてから、「やはりここがベストだった」ということになりました。

というのも、ダイニングキッチンの隣がリビング兼仕事部屋として使う洋室なのですが、冷蔵庫がキッチンと洋室の中間に置かれたため、洋室からのアクセスもよかったのです。リビングにいながら「ちょっと飲み物を」「ちょっとデザートを」と冷蔵庫を使うシーンも多いので、ここがわが家の“正解”だったようです。

隣のリビングからも冷蔵庫が使いやすく、結果的にここが置き場所としてベストでした!

さっそくドアを開けて中をチェック。高さは133.8cmで、私の身長より35cmほど低い高さです。冷蔵室には4段分のスペースのほか、一番下には低温ケースもあるので、温度管理に気を使いたい生ものはここでよさそう。ドアポケットも3段あり、上段には250ml缶が9本、中段には500mlペットボトルが10本、下段は2Lペットボトルが3本入り、少人数世帯には十分な容量を確保しています。

4段のガラスの棚は高さが微調整できるので、収納する食品に合わせて高さを変えられます

冷凍室は引き出し式になっているので、上から見下ろすことができます。やはり下段の収納は引き出し式がいいですね。わが家のキッチンのシンク下収納はいまだに扉タイプなので、かがんで奥まで見るのが面倒だし、整理しづらくて苦労しています(笑)。

冷凍室には、深い引き出しと浅い引き出しがあるので、見やすく整理できそうです

さて冷蔵庫の置き場所が無事決まったので、隣にキッチンラックを設置しました。ふだん使う電気ケトルやコーヒーメーカー、オーブントースター、炊飯器などの家電を置いていきましたが、スペースが限られているので、厳選しないとあっという間に“満席”に。その点でも、オーブンレンジが冷蔵庫の上に置けるというのはありがたいです。

冷蔵庫とシンクの間にちょうど収まるサイズのキッチンラックをネットで探しました!

168Lと小容量でも意外と入って使いやすい!

冷蔵庫が無事設置されたので、少しずつ食品を購入していきました。ふだん飲む飲み物から調理家電レビュー用の食材、パパッとランチを済ませたいときの冷凍食品、知人が立ち寄ったときのためのデザートなどなど。

さすがに168Lなので、自宅の冷蔵庫感覚で買いだめはできませんが、1人暮らし用と考えれば買い物の量も少なくなるので十分な容量です。逆にいえば、冷蔵庫の中身が一目で見渡せるので、「奥に入り込んで気づかなかった」「高い場所に入れたら、見えなくなって使い忘れた」といった食品ロスは起こらなそう。大は小を兼ねるといいますが、小容量には小容量なりの使いやすさもあるんだな、と感じました。

4段あるので、細々と仕分けながら収納できます。ただし下のほうが少し見えにくいので、早く使いたいものは上のほうに入れたほうがよさそう

いろいろ入れていったところ、今さらながら「野菜室がない」ことに気づきました。野菜は転がったり、皮が落ちたりするものも多いので、やはり棚に直接置きたくない……そう思い、急いで100円ショップでカゴを買ってきました。スペースに対してカゴが少し大きすぎましたが(笑)、取っ手付きにしたので、出し入れもラクチン。

カゴを野菜室のように使うことにしました。汚れたら洗えるのも便利です

一方で思ったより大容量だったのがドアポケット。特に奥行きがあるため、下段には2Lのペットボトルが幅の広い側を横向きにして入れられ、2Lを2本、1.5Lを1本入れても、まだ余裕がありました。出し入れもスムーズにでき、ストレスがありません。

ドアにもたっぷり収納できました。さすがに空の状態に比べると開閉が重くなってしまった気もしますが……(笑)

続いては冷凍室。深い引き出しと浅い引き出しの2段構成になっているので、パスタやチャーハンなどの冷凍食品、アイスクリーム、冷凍ご飯などを入れました。これだけ入れば1週間分のランチには困らなそう(笑)。もっと入りそうですが、冷凍庫はどんどん食品が溜まってしまうので、買いすぎないよう気をつけなければ……。

2段になっているので、積み重ねることなく収納できました。これ以上増えたら、ごちゃごちゃになる可能性はありますが……

オーブンレンジの前の“ちょい置き”スペースが予想以上に便利!

電子レンジやオーブンレンジを冷蔵庫の上に置けるのも、単身者向けの狭いキッチンにはうれしいところ。特に本製品は、天面を幅48×奥行き59.5cmとゆったり確保しているので、用意した幅45.5cm×奥行き37.5cmのオーブンレンジ(18L)も余裕で置け、手前側には22cmものゆとりが生まれました。これは確かに“ちょい置き”や作業スペースとして十分使えそう。

ゆったり広い天板がドアの上まで覆っているので、ドアを開けたら天板の上のものが落ちてきた、というトラブルも防げるそう
手前にこれだけスペースがあれば、近くにテーブルや作業台がなくても大丈夫。ちなみに手前側の耐荷重は10kgです

よくあるシーンとしては、冷凍したごはんをレンジでチンして茶碗に移すとき。熱々のごはんを、その場でサッと茶碗に移せるのは便利です。ほかにも料理の温まり具合をその場で確認して再加熱したり、牛乳を温めてインスタントコーヒーを投入したり、チンしたピーマンにツナや調味料で味付けしたり……。その場でできると便利なことって思った以上に多かった!

レンチンした冷凍ごはんを手前に置いた茶碗にポンッ!
冷凍パスタをチンして、その場で混ぜ混ぜ。しっかり中まで温まっていたようです

ただ気になったこともあります。高さ133.8cmの上にオーブンレンジを置いているので、レンジを使ったり作業をする際には、少し高く腕を上げないといけません。また小柄な人には見えづらいかも。天板の使い勝手を重視するなら、容量は小さくなりますが、容量146L、高さ121.3cmの「MR-P15F」を検討してもいいかもしれません。

身長169cmの私でも、レンジを使用するときは少し腕を高く上げることになります

また当たり前ですが、天板の手前にものがあるとレンジのドアが開けませんので、作業スペースとして使うのは、開いてものを出した後になり、置きっぱなしにはできません。もちろん、そもそもレンジは置かず、天板全体を作業スペースや食器や調理器具などの収納場所にすることもできます。

小型冷蔵庫選びでは天板の使い勝手も要チェック!

冒頭にも書きましたが、小型冷蔵庫は大型冷蔵庫に比べると単機能なので、メーカーごとの違いが見えにくいところがあります。その点では、まずは「見た目が気に入るかどうか」が冷蔵庫選びの大きな基準になると思いました。

そして今回試用してみて感じたのは、天板の使い勝手もチェックしたい、ということ。特にキッチンの作業スペースや収納が狭く、天板を活用したいと考えているなら、天板が広くて使いやすい三菱の「MR-P17F」や「MR-P15F」がオススメです。

三菱電機の168L冷蔵庫「MR-P17F」は、色といいサイズ感といい、ベストマッチでした! もしキッチンが白だったら、「マットホワイト」もカッコいいかも……と思いを巡らせています
田中 真紀子

家電を生活者目線で分析、執筆やメディア出演を行なう白物・美容家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、そのレビューを発信している。専門家として取材やメーカーのコンサルタントに応じることも多数。夫、息子(中学生)、犬(チワプ―)の3人と1匹暮らし。