家電製品レビュー
サラサラの床が想像以上に快適! 床拭きロボット「ローラン」を使ってみた
2019年5月9日 06:00
お掃除ロボットと言えば吸引してくれるタイプが主流だが、このところ注目度が上がっているのが床拭きタイプのロボット掃除機だ。掃除機を掛けてゴミはないものの、何となく床がベタついている時は、皮脂など見えない汚れが知らぬ間に溜まっていたり、小さな子どもがいる家では食べこぼしを綺麗に拭き取れてなかったり、我が家では猫が毛玉や食べ過ぎたフードをそこそこの頻度で吐いたりしてくれる。なので床拭きは必須だ。
家中を定期的に雑巾掛けをするのは中々大変だし、スティック型のクイックルワイパーなどでせっせと掃除できなくもないけれど、吸引式と同様にお掃除ロボットが隅々まで勝手に雑巾かけてくれた結果、想像以上に快適なサラサラ床生活がやってきた。
こちらのロボット掃除機「Rollan(ローラン)」は、パナソニックから今年の2月に発売された床拭きロボット掃除機だ。形はシンプルな四角。25cm弱の四角い形で高さは80mm。10cmもないので結構狭い家具の足の下の隙間も掃除できる。
充電台がないというのがとても意外だったけれど、この高さを考えるとテレビ台の下などの狭いデッドスペースでも収納&充電できるので、隙間活用を考えると、充電台がない事は利にかなっているのかもしれない。
バッテリーゼロの状態からフル充電にかかる時間は約2.5時間。連続運転時間は60分なので、1回の充電でかなりの広さの床拭きが可能だ。私は1時間も連続で床拭きとかできないから、ローランに任せて正解だなと思う(笑)。
メーカー名 | パナソニック |
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製品名 | ローラン MC-RM10 |
実売価格 | 36,455円 |
ローランは業界初の回転式ローラーを採用。雑巾掛けロボットなのにローラー式!? と思ってしまう私は超凡人。子供の頃から雑巾掛けをして来て、平らにしてなるべく広い面を使って拭いてきた私が持っていた固定概念ごとグルンと回転させられた。
なぜなら1面だけで最初から最後まで拭きあげるのではなく、約5分半おきに約30度ずつ回転して、常に綺麗な面で拭き掃除をするというのだ。なるほどすごい!
形だけでなく、ロボットとしても非常に賢い。目の役割をするセンサーもたくさんついている。本体底面には前後合計4つのセンサーが付いていて10cm以上の段差がある場合は回避するようになっている。進行方向の面についた大きな赤外線センサーを始め左右にも障害物検知センサーが付いているので、無茶な巻き込みや乗り上げ走行をすることもない。
吸引式の掃除機の場合、多少の段差は登って掃除してほしいものだが、床拭きの場合は、逆にカーペットなどは濡らしたり、毛羽立たせたりして欲しくない。ローランはそこもちゃんと熟知。カーペットなどの段差はセンサーで判別して乗ったり引きずったりしないように回避してくれるのだ。
我が家にはカーペットを敷いていないので、実験で大判バスタオルを2つ折りにして実験してみた。タオルなので軽いから少しだけシワが寄っているがちゃんと引き返して行った。賢い!(※巻き込み防止のため、通常は洋服やタオルなど床には置かないようにしましょう)
雑巾部分にあたる専用のお掃除マットは、ローラー部分に脱着できるマジックテープ付き。水拭きにも乾拭きにも対応しているので、日替わりで使い分けてもいいし、2枚あると水拭きした後にマットを変えて乾拭きすることもできる。後述の市販のクイックルシートと組み合わせて、専用モップでしっかりと水拭きして、仕上げの乾拭きは市販のシートでというのも良さそうだ。
ローラーに専用のマットを巻いて、カチッと本体にセットする。水拭きの場合は、タンクに水を入れておく。水は約180mlと結構入るので、広いリビングなどでも全然余裕。本体裏にある8箇所の噴水口から適量の水が出て、びしょびしょでもなく、途中から乾いてしまうわけでもなく、常に最適に掃除してくれるのだ。
モードを設定してスタートボタンを押すのではなく、水拭きと乾拭きでスタートボタンが分かれているという設計はシンプルで分かりやすくて良いなと思った。スタートボタンを押すと、それぞれのモードに合わせてスタート。動くスピードは想像していたよりもかなりゆっくり。丁寧で几帳面な性格のようだ。
スピードは緩やか、音もほとんど出ない静かさなので、就寝時でも大丈夫そう。静かにスーッと進んで行く様子に、我が家の猫としては追いかける獲物でもなければ怖い敵でもないという、得体が分からないけれど気になるものとして、遠巻きにお掃除が終わるまでじーっと見ていた(笑)。ペットがもしもちょっかいを出すタイプの場合は、ケージなどに入れておくことが推奨されている。
ローランは基本コの字型に走行するのだけれど、往復時に重ね拭きすることで丁寧に仕上げてくれる。拭き漏れがないどころか二重に拭いてくれるという、丁寧な仕事っぷり。ただ、部屋の中は家具などの障害物もあるので、ずっとルート走行ができるわけではない。
マップ機能はないので、どうやって全体を掃除するのかというロジックは謎だが、同じ箇所を何度か通ることはあるものの、上手いこと床面全体を拭きあげてくれるので、中々賢くすごいなぁと感心しきり。テーブルの足の狭いところもすいーと入って消えていくので、お掃除ロボット本体のコンパクトさは大事だよなと思う。
付属の専用モップ以外に、市販のフロアシートも使用できる。動作が保障されている市販シートは、花王のクイックルワイパーの「立体吸着ドライシート」「立体吸着ウェットシート」「ウェットシート」の3つだ。
フローリング用掃除具と言えば「クイックルワイパー」と言う商品名が出てくる王道の花王製品達。それを問題なく使えるよう、検証&保証しているのは流石国内メーカーだなと思った。そして、動作だけではなく、掃除の質も担保できるというのは、クイックルの質の高さなんだろうなぁ。
やっぱり市販のシートを使えるのはマストというか大事! 掃除が終わった後は、ぽいっと捨ててしまえばよいので、雑巾を洗う手間すら面倒な私にはぴったりだったりする(笑)。
まずは、ローラーに市販シート専用パッドを装着する。そして1度「シート巻きつけボタン」を押すと、ローラーが回ってローラーの場所が調整される。「ピッ・ピッ・ピッ」と音がなったら、広げたシートの上に本体を乗せる。ちょうど広げたシートが半分隠れる場所だ。
そして再び「シート巻きつけボタン」を押すと、フロアシートがグルーっと吸い込まれていく。お、面白い……。いや、すごい! 再び「ピッ・ピッ・ピッ」と音がしたら、本体を持ち上げてローラーを確認。専用パッドに綺麗に巻きついていて、「マジで?」と正直感動する。綺麗にシートが巻きついていることを確認したら本体を床に置き、3度目の「シート巻きつけボタン」を押すとお掃除が開始される。
まだお掃除終わっていない時に「ピーピー」と悲鳴をあげたので寄ってみると、なんか3箇所光っている。ディスプレイなど複雑な表示箇所が付いていないローランは、5つのボタンの組み合わせでエラーの内容をお知らせしてくれる仕組み。
吸引式の掃除機と違い、ゴミ捨てなどのお知らせなど普段必要もないし、普段使わないアラートの機能をこうしてライトの点滅組み合わせでお知らせする工夫は面白い。エラーの組み合わせは8パターン。この場合はモップローラーに何か詰まっているのでは? というお知らせだった。
確認してみると「確かに!」とぎっしりの猫の毛が詰まっている。正直「ぎょえー? マジで?」と驚いた。普段掃除機をかけても、吸引式の場合は風でふわふわの猫の毛が舞い上がったりしているのだ。その点、雑巾掛けロボットは風も起こさないし、静かに静かに床に落ちた猫の毛もフロアシートに絡め取ってくれるのだ。
掃除機をかけてしばらく経って、舞い上がった花粉や埃、猫の毛などなど床に落ちた後にウェットシートで拭き取るのは、アレルギー対策にも非常に効果的だと実感した。
絡まった毛を取り除き、再度新しいシートをつけてから再度雑巾掛け。最初からになるけれど、2回目は無事に掃除完了した。掃除後のシートを見て「そんなに汚い?」と正直最初数回凹んだりもしたけれど、回を重ねる毎にシートの汚れが減ってくるので、逆にちょっとがっかりしている自分がいたりする(笑)。
お掃除が終わった後は、「シート取り外しボタン」を押すと、ベローンとシートが排出される。巻きつけも取り外しも自動。ハイテクなローラー式!
日々のお掃除にもバッチリ実力を発揮してくれるローラン君ではありますが、緊急事態にもバッチリ。食べこぼしがどばー! とか、小麦粉ばーん! とか、我が家の場合は猫がうげー! とか、そんな緊急事態の時に実力を発揮してくれるのは「スポットモード」だ。食べこぼしなどの固形物を拭き取った後、液体汚れやベタつきが気になる部分を集中掃除できる。
開始位置から、前方向約1.6m×右方向約2mの範囲を集中的に水拭きしてくれるというスポットモードは、噴水口から水を出しながら、同じ場所を複数回水拭きしてくれるので、集中的にお掃除したい時にはとても便利だ。そして、部屋全体を拭き掃除するよりもかなり短い時間で掃除できるので、あえて今日はダイニングのあたりだけー。なぁんて選択も悪くない。
床がすべすべだと、不思議と少し気持ちが上がる。何故か普通に歩かず、ルンルンでスケートのように滑って移動している自分がちょっと可笑しい。目では分からないけれど、足裏がめっちゃ体感する気持ちの良さ。
素足文化の日本では、床って本当に身近で、雑巾掛けって本当に大切なんだなぁと実感した。1度使うとローランがない生活に戻るのが想像つかないくらいに快適で、QOLがめっちゃ上がる! 吸引式ロボットと雑巾掛けロボットのどちらか1つ迷っているとすると、私なら迷いなく雑巾掛けロボットを選ぶだろうなと思う。なぜなら掃除機を自分でかけるより雑巾掛けを丁寧に自分でする方がものすごく大変だからだ。このサラサラ床生活の感動を大声で叫びたい!
ただもし我が家独自にカスタマイズできるならば、この手の家電全部、ボタン系は側面に配置したい。我が家の猫はこれくらいのサイズの小上がり状態の場所が大好きで、頻繁に上に乗ってお手伝い稼働しちゃったりするのだ(笑)。他のおうちの猫さんたちはどうなのかしら? 棚の下の隙間に収納すれば解決なのかなぁと思いながら、かわいい猫との家事分担も悪くないかも。なぁんて思っている猫バカなのでありました。