片付け過ぎない片付け術

[片付け過ぎない片付け術66]思春期の子が反抗して片付けない!どうする

小学校高学年から中学、高校にかけて、思春期や反抗期を迎える子どもは、親が「片付けなさい」と言っても聞かなくなりますね。今回は、「思春期の子どもと片付け」について、親ができることをお話します。なぜ片付けないのか、片付けさせるにはどうすればいいのか、親にできることは?高校生の息子をもつ筆者自身の経験も交えて、お悩みに答えていきます。

 

思春期・反抗期の子どもには、言葉が通じない!?

小さいころは「お片付けすると気持ちいいね!」という声掛けに素直に反応していた子が、思春期・反抗期を迎えるとすっかり変わってしまうという話をよく聞きます。私の息子も同じで、誰の言うことよりも、親の言うことを最も聞かない状態でした。もちろん子どもによって程度は違いますが、これは成長過程の1つで、ごく自然なことです。ただ、物を出したら出しっぱなし、勉強机の上は物置き状態、自室の床は掃除も困難なほどに散らかり、ホコリが積もっている。こんな状態を改善したいと声を掛けても、「この年ごろの子どもには言葉が通じない」とお悩みのママも多いようです。もちろん、私も悩んでいました。

 

思春期の子どもが「片付けない理由」は?

多くの思春期の子は、いろいろなことに興味をもち、やりたいこともたくさんあります。出した物を片付ける時間があったら「次にやりたいこと」の方に気持ちを向けたくなるのではないでしょうか。私は息子を見ていて、「やりたいことを、やりたいときに思い切り打ち込むのも、片付けと同じくらい大切なことだな」と感じました。もちろん親としては「片付けてから次のことをやりなさい」と言いたくなりますね。しかし、親に言われたことを素直に聞かないのがこの年ごろの子どもです。また「彼氏・彼女ができたら、部屋へ呼ぶために片付けるようになった」という例もありました。必要に迫られればできるのですね。言えば言うほどますます反抗するようなら、本人が気付くまで大らかに見守るのも、1つの方法です。

 

でも「本人が困っている」のなら、親はヘルプを

では、親はどうすればいいのでしょう?手助けする目安の1つとなるのは「子ども自身が困っているかどうか」です。学校へ忘れ物をする、失くし物で家中を探す、といったことが多く、本人が困っている、あるいは学校から連絡が来るなどの場合は、親の手助けが必要なこともあります。ただ、もう自我が芽生えている年ごろですから、親のやり方を押し付けるのは逆効果。子ども自身が主導する形で、親はあくまでサポートに徹するのがいいでしょう。物が多いなら一緒に見直し、要らない物を自分で判断・処分して、必要な物は本人が使いやすい場所を定位置に決めるなど、できるだけ本人の主張を聞き、リラックスした雰囲気で進めていきましょう。

 

「本人が困っていない」なら、「親が困っている」ことを伝えて

子ども自身が困っていないなら、本来は親が手を出す必要はありません。私の息子もそうでしたが、散らかっている状態の中でも「本人は何がどこにあるか分かっている」ということもあるのです。我が家の場合は、自室はどれだけ散らかっていても親は手を触れないことにして、定期的に掃除機を掛けるためにだけ、床の物をどけさせるようにしました。またリビングや玄関などにまで物が溢れては困るので、そこはきちんと伝え、「パブリックスペースに私物を置きっぱなしにしない」というルールを設けるのもいいと思います。ただしこの場合、親も同様にルールを守ることが大切です。また「ここにゴミを捨てていいよ」と段ボールをさりげなく渡すと、いつの間にか自分で片付けることもありましたよ。うるさく言わないのが功を奏したようです。

 

まとめ

息子の学校は男子校で、いつも教室は非常に散らかっているそうですが、授業参観へ行くと、だいたいきれいに整っています。先生が言うには「今日は母さんたちが来るから」と生徒たちが自主的に片付けるのだそうです。

 

今は、親の言うことを聞かないだけ。必要なときが来れば、できるようになると信じることも大切だと思います。そのためには、まず親が自分の身の回りを片付け、ハッピーでいることが重要です。子どもはそんな親の姿を見て、知らず知らずのうちに片付け方を覚え、「片付けると気分がいいものだ」と知るからです。言葉でうるさく言うより、親の背中を見せてあげましょう。

 

 

NON(ライフオーガナイザー)

暮らしをシンプル=簡単にすることで、もっとラクに、ハッピーになれるアイデアをいつも探しています。片付け過ぎない片付け術、ラク家事、かんたん料理や手芸、子育てなどをテーマに、等身大のヒントを発信していきます。ブログは「のんびりシンプルライフ~NON*troppo」