趣味の節電道入門

第15回:ノートパソコン+パソコン台の組み合わせで仕事周りも節電

 今回は、筆者にとって商売道具でもあるパソコンの節電について。一般に知られるように、パソコンはデスクトップタイプよりノートタイプの方が消費電力は少ない。

 5年ほど前にメインマシンをWindowsのデスクトップパソコンから、Macのノートパソコン(MacBook Pro)に置き換えた。当初は、OSが変わったことに意識がいってしまったが、節電の面でもかなりの効果があった。

 常に電源のファンが稼働しているデスクトップパソコンは、アイドル時でも50W以上の電気を食っていた。これは、ディスプレイを除く数値で、ディスプレイの消費電力を15Wとすれば、合計65Wで、LED電球であれば8個ほどに相当する。それって明るすぎ……。

 今年、買い替えたMacBook Pro(15インチRetinaディスプレイ)の消費電力は、アイドル時(ディスプレイON)で16.6W。CPUの進化やら、HDDからSSD化されたことでも省エネ化が図られている。ノートパソコンの場合、バッテリーを積んでおり、ACアダプター経由なので、正確な数値にはならないが、ワットモニターで計測してみると、15Wほど(バッテリーが100%の状態にて)と遠くない値が出た。

 電気代にすると、1時間あたり0.3円ほど。これまでカフェなどで電源を借りているときに、多少のうしろめたさを感じていたが、そんな必要はないと開き直ってしまいそうだ。以前に使っていたデスクトップパソコンとざっくり50Wの差があるとして、1日12時間稼働×1年分の消費電力の差は219kWh。電気料金としての差は5,913円となる(1kWh27円で計算)。

サンワサプライの「ワットモニター付きコンセントタップ」にて計測。アイドル時の消費電力は、15Wほど
1時間当たりの電気代は0.3円と計測された。机上で計算しても、だいたいこのぐらい。1年で約1,770円(1日12時間、1kWh27円として)

 もちろん、ハイスペックなグラフィック性能を求めるような人は、簡単にノートパソコンに乗り換えるわけにはいかないだろうが、一般的なユーザーであればデスクトップパソコンにこだわる理由は少ないだろう。画面の広さを求めるなら、ディスプレイを外付けで利用する方法もあるし。

放熱と身体への負担軽減を兼ねるパソコン台

 ノートパソコンの節電にちょっと効果がありそうなのが、ノートパソコンを浮かせて設置するためのスタンドだ。いくつかのメーカーから販売されているが、筆者が使っているのは、パワーサポートの「スパルタかます」。パソコン作業中の姿勢を楽にしたいという理由で購入したのだが、結果として節電にもつながっている。

パワーサポート「スパルタかます」。2010年当時の購入価格は約8,000円。左上に貼られているのは、パソコンの熱を伝導するためのシリコンシート
裏側には放熱のためのアルミ製フィンが。夏場にはほんのり暖かくなっており、その効果が実感できる
普段は、このようなセッティングで使っている。キーボード面の角度は可変式。スタンドの下にスペースができるので、周辺機器などの置き場所としても使用できる

 これらのパソコン台は、パソコン本体に熱が溜まりにくい構造になっている。実際、机に直接置いていたときは、たまに暴走するかのように回っていたファンが、まったく作動することがなくなった(もちろん壊れたわけじゃなくて、必要がないだけ)。ファンの音に煩わされることもなくなるし、「一石三鳥」と言えよう。

小口 覺