走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

シューズが筋力の衰えをサポート!? ブルックスの「アドレナリン」

実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!
BROOKS ADRENALINE GTS25(ブルックス アドレナリンGTS25)

ブルックスが誇るロングセラーのひとつ「アドレナリンGTS」。このシリーズは、脚力が十分でない初心者や、X脚・O脚のランナーに多く見られる、着地時の極端な足の倒れこみ(オーバープロネーション)をサポートする構造を採用している。余分な動きを抑制し、正しい着地から蹴り出しまでの動きを導いてくれる。そんな人気シリーズの最新作が「アドレナリンGTS25」である。価格は22,000円。

最近のランニングシューズ市場では、衝撃吸収性、すなわちクッション性を特にアピールするモデルがワールドワイドで支持されている。この傾向はかなり長く続いており、2000年代半ばにポピュラーだった、着地から蹴り出しまでを正しい方向へと是正するサポートタイプのシューズは、かなりシェアを落としているのが実情だ。実際にシューズ売り場での会話を聞いていると「このシューズはフワフワして気持ちいいですね!」「立っている状態でクッション性のよさが伝わります!」といった声が少なくない。

しかし、ここで注意すべきなのは「売り場で感触の良かったシューズが、実際に走ってみて良いシューズとは限らない」ということだ。前述のように、着地時に極端な足の倒れこみが生じるオーバープロネーションのランナーは、その動きを抑制し、正しい着地から蹴り出しへと導いてくれるサポートタイプのシューズを選ぶべきなのである。

部位によって編み方を変更したエンジニアードメッシュのアッパーは、優れた通気性とフィット感を両立

私がブルックスのアドレナリンGTSを履くのは、第11弾の「アドレナリンGTS11」以来だから、かなりのご無沙汰となる。その間は、サポートタイプと対をなすニュートラルタイプの傑作「ゴースト」シリーズの歴代モデルをほとんど履いてきた。というのも、自分自身がほぼ毎日の5~6kmランを継続したことで、14年前と比較して脚力が向上したからだ。

その間、ニュートラルタイプのゴーストシリーズで走っていても何ら問題はなかった。しかし、還暦を迎えて(上半身はともかく)明らかに下半身の筋力の衰えを感じ始めたため、試しにサポートタイプの「アドレナリンGTS25」を履いて走ってみた。すると、着地時のぐらつきがなく安定感があり、足を正しい方向へと導いてくれることがはっきりと体感できたのだ。かつてのサポートタイプは着地時に硬さを感じさせるシューズが多く、それがかつての隆盛を終焉させた理由のひとつだったのだが、このシューズにはそれがない。ごく自然な感覚で、正しい足の動きへとサポートしてくれるのである。

アスファルトやコンクリートといった舗装路で最高のグリップ性を発揮するアウトソールパターンだが、ある程度刻みの深さがあるので、公園などの土の路面での走行も問題なかった

アドレナリンGTS25は「健康のために走り始めたが、3kmくらい走ると膝や足首が痛くなる」「クッションが効きすぎたシューズだと着地時にふらつく」といったランナーに、ぜひともトライしてほしい1足だ。また、普段のランニングではオーバープロネーションの傾向が出ないものの、フルマラソンの25~30km以降に疲労からその症状が現れ、悩まされるというランナーも珍しくない。そういったランナーのフルマラソン本番用シューズとしても、アドレナリンGTS25はおすすめだ。終盤の失速を回避するための大きな助けとなってくれるだろう。

ミッドソールには窒素を注入したDNA LOFT v3フォームを採用し、ソフトでなめらかな履き心地を提供。ガイドレールズの革新的なテクノロジーを搭載し、余分な動きを抑えながら、自然な動きの経路で身体をサポートしてくれる
南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『人は何歳まで走れるのか?』『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間50分50秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。