走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!
その抜群の反発性能は、レースでも実力を発揮! 「ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%」
2020年10月6日 07:00
エリウド・キプチョゲが、非公式ながら42.195kmを2時間切るタイムで走った際、大迫傑が今年の東京マラソンで日本記録を更新した際に着用するなど、現時点で最も高いレベルの推進力を誇るランニングシューズと言われているのが「ナイキ 」だ。
そんな最速シューズと同様の前足部のズームエアポッドを採用したトレーニングモデルが、今回紹介する「ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%(AIR ZOOM TEMPO NEXT%)」。トップアスリートの日々のトレーニングに最適な1足として開発されたが、その比類なき反発性能により、一般ランナーのレース用としても活躍してくれそうだ。
メーカー名 | ナイキ |
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製品名 | ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト% |
価格 | 24,200円 |
シューズに興味のあるランナーなら「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」の存在を知っているだろう。ここ数年、その抜群の推進力を武器に長距離ランニングを席巻してきたナイキの厚底シューズの最新作で、現時点で“世界最速”の呼び声も高い。
外観で最も大きな特徴は前足部に配されたズームエア。ナイキエアの一種で、特に反発性を重視したユニットであり、力強い蹴りだしをサポートしてくれる。この独自構造のシューズを履きこなすためには、「ある種の慣れが必要かも!」という声が着用したランナーの一部から聞かれたが、それに対応してくれるトレーニングモデルが「ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%」だ。
同じく前足部にズームエアポッドを採用し、毎日のランニングにも対応すべく、ミッドソールやアウトソールには高い耐久性も持たせている。
まず足を入れてみると、ナイキ フライニットを用いたアッパーは、シュータン部分と一体化されており、シューレースが斜めに配されたこともあり、一般的なスポーツシューズと比較して、踵部分から中足部、前足部にかけての高いフィット感を感じる。
立っている状態でもズームXフォームをメインに、フルレングスプレートを内蔵し、ヒール部分にナイキリアクトフォーム、前足部にズームエア ポッドを配したソールユニットの優れた反発性能と安定性の片鱗が感じられる。
実際に走り始めると、自然とペースが上がり「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」や「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」譲りの、高いレベルの推進力を感じられる。
手元のスント5で確認すると、自分で思っているよりも1kmあたりのペースで15秒~20秒ほど速く走っている。最初はヒール着地、次にフラット、その次はフォアフットというように着地位置を変えてみたが、どの位置で着地しても走りにくいということはなかった。そのように、あらゆる着地タイプのランナーにも対応しそうで、いわゆる厚底に分類されるが着地時の安定性も問題ない。
またペースに関しても、日課としている6kmランの間に5分50秒/kmから4分20秒/km程度まで試したが、それぞれのスピードに無理なくアジャストしてくれた。このように「ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%」は、アスリートのタイプ、レベルにアジャストする能力が高い1足だということが理解できた。
前述の通り、元来「ナイキ エア ズーム テンポ ネクスト%」は、「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」を履きこなす、トップアスリートのトレーニング用シューズとして開発された1足。だが、その走行性能の高さ、あらゆるタイプの着地、走力レベルに対応する優れた汎用性を考慮すると、トップアスリートだけに独占させておくのはもったいない。一般市民ランナーの日々のランニングはもちろん、レース用シューズとしても活躍してくれるだろう。