走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!
初心者ランナーに嬉しい汎用性に優れた1足、デサントの「DR-MOVE」
2020年5月12日 07:00
昨年の11月14日、ランニング業界の誰もが注目するコレクションが発表された。それがデサントの「GENTEN」と「MOVE」である。前者は日本人ランナーの為のど真ん中のランニングシューズをコンセプトに、シリアスランナー向けの3モデルがラインアップされた。そして後者は日常生活の中でスポーツを楽しむ人に向けたスタイリッシュな1モデル。今回は、その「MOVE」シリーズの「DR-MOVE」をピックアップする。
メーカー名 | デサント |
---|---|
製品名 | DR-MOVE |
実勢価格 | 9,790円 |
デサントといえば、学生時代に部活動を経験したことがあれば、何らかの接点があっただろう日本を代表するスポーツブランド。しかし、それはユニフォームや練習着といったスポーツウェアであり、スポーツシューズのイメージはあまりないかもしれない。
そんなデサントだが、かつては日本市場におけるアディダスブランドの総代理店であり、その時代には日本発信でいくつものシューズを企画開発し、シューズ作りのノウハウをしっかりと蓄積していた。そんなブランドがリリースするコレクションだけに、今回のランニングシューズコレクションも機能性は高レベル。順天堂大学時代に箱根駅伝で活躍した富士通陸上競技部所属の塩尻和也選手とアドバイザリー契約を締結したことも、その証明のひとつだ。「MOVE」シリーズの「DR-MOVE」は、ビギナーから中級レベルのランナーなら充分に対応してくれるはずだ。
足を入れてみると、日本人ランナーの徹底研究から誕生したプロダクトだけに、フィット感が高い。
シューズの全長と横幅である足囲のバランスが秀逸で、無駄な隙間があまりないのだ。これならロスなく脚力をシューズ、そして路面へと伝えてくれるだろう。最近は柔らかく、立っている状態でミッドソールが沈み込むタイプの素材がポピュラーだが、「DR-MOVE」のミッドソール素材は固め。特にクッショニングを強調したテクノロジーも内蔵していない。立っているときには素材の変形はほとんどなく、グラつきが全くないので、着地安定性の高さが期待できる。
実際に走り始めると、他ブランドの初心者向けシューズと比べて、ミッドソールの固さを感じるが、km/5分30秒~6分30秒程度のペースであれば、着地衝撃に悩まされることもない。逆にランナーの脚力を効率よく伝えてくれるので、スイスイとペースが上がる。身長にもよるが体重が80㎏を超えるようなランナーは、クッショニングテクノロジーを装備した衝撃吸収性能に注力したシューズをセレクトしたほうが良いと思うが、一般的な体型のランナーなら、このシューズの持つ効率の良い走行性能を体感できるだろう。
そして、もうひとつ注目したいのは、そのスタイリッシュなデザイン。ランニングだけでなくカジュアル用途でも活躍してくれるので、1足であらゆるシチュエーションに対応してくれるはずだ。
STAY HOMEが要請される昨今においても、ランニングは散歩とともに推奨されていることから、これを機会に走り始めた人も少なくない。そういった人はフォームが固まっていないのと、テニスシューズやカジュアルスニーカーを履いていたりすることも多いから、一目でわかる。せっかく走るのなら、きちんとしたランニングシューズを履いたほうがケガの心配も少なく、カラダのためにもよい。1足でランから普段履きまで対応してくれる「DR-MOVE」のような汎用性の高いモデルなら、金銭的な負担も少ないだろう。