走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

速めのペースでも快適に走行できるブルックスのニューモデル「ハイペリオン テンポ」

実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!
ハイペリオンテンポ

2月29日にブルックスから全世界同時リリースされたカーボンプレート内蔵のランニングシューズ「ハイペリオンエリート」は、日本のランナーから注目を集めることに成功。税込で3万円近い価格にもかかわらずリリース間もなくほぼ完売した。

そんな話題となったモデルと同時にリリースされたのが兄弟モデルともいえる「ハイペリオンテンポ(HYPERION TEMPO)」だ。軽量性と弾むような走行感で、快適な履き心地を失うことなく、軽快にペースアップできる1足なのだ。

メーカー名ブルックス
製品名ハイペリオンテンポ
実勢価格19,800円

「ハイペリオンテンポ」は、最新のミッドソールマテリアルであるDNA FLASHを採用することで、高いクッション性、反発性と軽量性を兼ね備えつつ、速めのペースで走行可能なスペックとなっている。DNA FLASHは窒素を含有させた合成樹脂で構成されている。硬さはなく、ある程度の柔軟性を感じられるのが特徴で、速めのペースで走っても快適な走行感をランナーに提供してくれるという。

ミッドソールに使用されたDNA FLASHは、素材内部の気泡に窒素を含有させることで、比類なきクッション性と軽量性を兼ね備えることに成功。反発性も高レベルにあり、速めのペースでの走行においてもしっかりとランナーを保護してくれる

足を入れてみるとアッパーのフィット感も高く、高いレベルでシューズと足の一体化を感じさせてくれる。サンプルサイズで重さ207gと発表されているが、フィット性の高さからか、これまでの経験からすると180g前後の軽さに思えた。立っている状態では沈み込みはそれほど大きくないが、押し返す力が強く、どちらかいうと反発性を重視したミッドソール素材であることが理解できた。

アッパーには伸縮性に優れ高いフィット感を提供するストレッチウーブンアッパーを採用。高いレベルのシューズと足の一体化を実現

実際に走り始めると、DNA FLASHのミッドソールの変形は最小限であり、着地から蹴り出しまでの動きがクイック。反発性能も高レベルで、知らず知らずのうちにペースが上がっていく。アウトソールのグリップ性も高いので、脚力を効率よく路面に伝達してくれる。

その後も軽快にペースが上がり、最終的にはKm/4分05秒ほどで走り終えたが、このシューズよりも薄手のミッドソールを採用し、見た目にはより本格的な雰囲気のランニングシューズと遜色のないパフォーマンス性能を、ブラックとブルーのスタイリッシュなカラーリングで実現し、さらには適度なクッション性もプラスしている点は注目に値する。

アウトソールはアスファルトやコンクリートで最高のグリップ性を発揮するパターンだが、土の路面でもある程度のグリップ性能は有していた

本来は中上級レベルのランナーの速めのペースでのトレーニングやレースに最適な1足だが、ある程度の保護性能も有しているので、フルマラソンでサブ4(4時間切り)レベルのランナーが、日々のランニングやハーフマラソンくらいまでのレースでも着用できるだろう。

税込で19,800円という価格から購入できるランナーは限られるだろうが「ビギナーからワンランクアップしたい!」とか、「速めのペースでトレーニングするたびに怪我をしてしまう……」といったランナーは、試す価値のある1足だと思う。

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間52分00秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。