走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

高い通気性で真夏でも快適に走れる「アディダス クライマクール」

実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!

 アッパーだけでなく、アウトソールにも通気孔を設けることで、シューズ内部にフレッシュな空気を送り続ける構造を採用したのが、アディダスの「クライマクール」。2002年のデビュー以来、毎年改良を続け、その快適性をアップさせてきた。そんなロングセラーシリーズから、今年もニューモデルが登場。早速最新バージョンを履いて走ってみた。

アディダス クライマクール
メーカー名アディダス
製品名クライマクール
実勢価格10,800円(ABCマート)

 日本の夏は高温多湿で知られる。それだけに夏季のランニングでは大量の汗をかくので、吸汗速乾性に優れたアパレルは不可欠だ。しかしながらシューズに関してはアッパーにナイロンメッシュを採用するくらいで、あまり進化というものを感じなかった。転機となったのが2002年に発売されたアディダスの「クライマクール」だ。

 筆者はこれまでいくつかの歴代モデルを着用してきたが、シーズン毎に通気性、快適性をアップさせてきたので、今回も最新モデルを履いて走るのを楽しみにしていた。早速足を入れてみると、シューズのフィット性のよさと軽さを感じる。実際に走ってみると、アディダスが誇るブーストフォームほどではないが、このモデルに搭載されたミッドソール素材は衝撃吸収性&反発性が高く、シューズの推進力を感じることができた。

 そして肝心のアッパーの通気性は、期待以上。ストライドごとにアッパーから空気が入り、アウトソール側の通気孔から排出される。その一連のアクションにより、シューズ内部はフレッシュな状態が保たれ、シューズの蒸れとは無縁となる。

アッパーにはエアメッシュを採用し、ストライドの度に新鮮な空気がシューズ内部に送り込まれる。
通常のスポーツシューズと異なり、アウトソール部分にも通気孔を配する。アッパーから入った空気は、この通気孔から排出されることで抜群の通気性を確保している。

 夏のランニングという過酷なシチュエーションでも、快適な履き心地をキープしてくれる。6kmのランニングを終え、シューズを脱いでインソールを触ってみると、湿気をあまり感じず、このシューズの高い通気性を証明していた。

 あくまでビギナー~中級レベルのランナーに対応するモデルなので、上級ランナーには向かないが、「真夏でも快適に走りたい!」「長い距離を走るので、シューズ内部の快適性には人一倍こだわる!」といったランナーには最適な1足。リーズナブルな価格設定も嬉しいモデルだ。

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間56分09秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。