ぷーこの家電日記

第527回

久々の野球観戦で元気を充電

以前にも書いたが、私はもともと大の野球ファンというわけではない。むしろ野球にチャンネルを奪われるのがイヤで嫌いだったといってもいい。夫が野球をはじめとにかくスポーツ観戦が大好きで、その影響で好きになった。といえば聞こえがいいが、シーズン中毎日好きでもない野球を見なければいけないので、嫌いなままだったら毎日苦痛すぎる。どうせ見るのならば好きになれたらいいなぁと、自らを暗示にかけつつ、そして本当に楽しく思えるようになり好きになれたという矯正型野球ファンだ(笑)。

贔屓の球団は我々夫婦の出身地、福岡を本拠地にする福岡ソフトバンクホークスである。にわかな矯正型ファンとはいえ、ファン歴も10年を超えたし、ファンクラブも7年継続しているので、そろそろただの野球ファンと名乗ってもいいかもしれない(笑)。

テレビ中継も悪くはないのだけれど、やっぱり球場での観戦は格別だ。臨場感と解放感と一体感、野球ファンじゃなくてもつい興奮してしまうであろうあの空間は1度行くとかなりヤミツキになる。とはいえ、本拠地が福岡なのでそんなに頻繁に観戦できないのが残念なところ。でもソフトバンクホークスは年に1度、東京ドームをホームにした試合を行なう。お祭り的なその試合では入場者全員にお揃いのレプリカユニフォームも配られて、球場がユニフォーム色で埋めつくされて圧巻。人気の試合なのでチケットはいつも完売である。

「今年も行くぞ!」と張り切っていたのに、チケット発売のタイミングをうっかり失念してしまい、購入が遅れてしまった。並びの席はどこも空いておらず、なんとか取れたチケットは夫婦別々の席。もしお互いの両隣の席で1人で来ている人がいたら、ビール1杯くらいでなんとか代わってもらえたら嬉しいねぇなぁんて話していたけれど、お互い1人でどこにでも遊びに行けちゃうタイプの人間なので、「ま、いっかー」とさほど気にせず。いつも一緒に詰めていたおつまみは、今回は別々にランチバッグに詰めて準備した。

野球観戦の楽しみの一つは観戦しながら飲むビールとおつまみだ。各球場で名物的なグルメが売っていたり、選手プロデュースのドリンクやフードなんかも売っていたりして、そこでしか買えないグルメを食べるのも楽しいのだけど、せっかちな性格上、並んで食べ物を購入するということが好きではない。並んでいる時に観客席から「わー!」って大きな歓声とか聞こえてきたら、「え? 今いいところ見逃した!?」とそわそわしてしまう。

そしてさらに、球場ではやたらと出費が嵩む。気持ちが高揚してついつい毎年買い足してしまうグッズに散財し、そして何より飲み物も高い! 東京ドームでは生ビール1杯900円だ。「え? 800円じゃなかった?」と思ったら、すでに去年の3月から価格改定されていたらしい。そんなこんなで、我が家ではつまみは作って持っていくことが多い。今回は卵サンドとローストビーフサンド、そして唐揚げがお供だ。

試合観戦の当日、テレワークでの仕事が終わって、下ごしらえしていたおつまみを詰めて準備をし、夫と2人で家を飛び出した。応援グッズや推しグッズなどは、準備する時間もなかったし、現地で買えばいっかーと思い、球団帽子を被ったくらいでほぼ何も持たず。家を出た時間から考えると、きっと3回が始まる頃には着くはずだ。地下鉄の駅の改札をくぐってホームに向かう途中で電車が入って来る音が聞こえたので、「急げー!」と階段を駆け上がった。年甲斐もなく階段1段飛ばしなんて何年ぶりだろうか。つい気持ちが昂ってしまった(笑)。

急いでドームに行くと、仕事帰りに来たであろう格好の人たちが足取り軽くどんどんドームに吸い込まれていく。言葉にせずとも伝わるウキウキ感がとてもいい! 私たちは会場に入る前に特設のグッズショップで軽く物色。結局今年もタオルを自分用に1枚とお土産用に2枚買った。メガホンも買おうかなと思ったけれど、今回は大声で張り切って応援するような席ではないので出番はナシと判断して買わなかった。

入口で夫と別れ、別々に入場。結局お互いの両隣は家族連れとかで代わってもらう余地なしということで1人観戦を楽しむことにした。1列15席くらい並んでいる中でど真ん中。そんなに広くないので「すみません。すみません」と言いながら歩くスペースを空けてもらう。野球観戦に行くといつも感心してしまうというか感動するのが、この譲り合いの精神というか、みんな嫌な顔ひとつせずにさっと立って空けてくれるし、売り子さんからビールを買う時も、当たり前にみんなビールもお金もバケツリレーのように運んでくれる。キャッシュレス決済を使うためにスマホを渡したら、当たり前のようにスマホを受け渡しバーコードをかざしてくれて、名も知らない同列の人に対して一緒に観戦に来た仲間のような感情が芽生えるから不思議だ(笑)。

久々に球場で見る野球はやっぱり格別だった。味方が塁に出たら感激するし、点が入ったら知らない人とハイタッチをして喜ぶ。お高いビールも美味しい(笑)。加齢のせいか年々覚えが悪くなっている私は、個人応援歌を歌える選手の方が少なくなってきてしまっていてちょっとショックだった(笑)。でも応援歌のおかげで隣の人と話が盛り上がったりしてめちゃくちゃ楽しかった! プロ野球はスポーツでありエンターテイメントだな!

めちゃくちゃ元気を貰ってエネルギーも充電されて「また頑張るぞ!」という気持ちになれた。コロナ禍以降、以前のようなペースであちこちに観戦に行くことがなくなってしまっていたのだけれど、今年はまたどこかに遠征したい! それまでにこの古びた脳みそを酷使して、応援歌の予習もしておきたいところであります(笑)。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。