ぷーこの家電日記

第442回

貸し農園での週末家庭菜園が楽しすぎる

9月も中旬。まだまだ暑いけれど、夕方になると少し涼しくて、外を歩いていても気持ちが良い。夜寝ていると「ちょっとお布団が恋しい」となるくらいに涼しくなって、もう完全に秋だなぁ! 先週畑に行ったら、たくさん生えている大葉に一気に花が付いて夏の終わりを告げていた。秋冬野菜の準備も真っ只中。そろそろ計画立てなきゃなぁと思っている間に時間が過ぎてしまって既に結構焦っているところだ。

趣味の家庭菜園、きっかけは9年前にリリース記事を読んで、「何これ面白そう!」と思って購入した水耕栽培器だ。それで育てたレタスがぐんぐん大きくなるのが楽しくて、植物ってすごい! 成長ってすごい! と毎日見ているだけで楽しくなった。水耕栽培楽しい! とかなり感激した。それまでは観葉植物はもちろんサボテンですら枯らしてしまうほどだったので、私には植物を育てるなんて絶対に無理だと思い込んでいた。

水耕栽培器で数回育てて、「もう少し育てたい」と、ペットボトルなんかを使って簡易水耕栽培器を増やし、さらにエスカレートして、100均のバケツやゴミ箱などを利用して育て始めた。オクラにきゅうりに茄子など実が付く夏野菜を育て始めて、収穫という楽しみで家庭菜園にどっぷりハマり始めたのだ。

実が取れる野菜は本当に楽しいのだけれど、成長してくるととにかく水を飲む。朝も夕方もいくつものバケツに水と液体肥料を入れるのは結構な手間だ。水耕栽培にこだわっていたのは、土は捨てるのも簡単じゃないし、虫が苦手なので敬遠していたから。けれど、もっと色々育てたい欲が勝って、小さなプランターを買って栽培を始め、徐々にプランターの数は増えていった(笑)。

飽きっぽい私なので一瞬で去りゆくブームかと自分でも思っていたけれど、ブームは去るどころか加熱する一方。種苗会社のカタログを見ているだけで育てたいものが無限大に出てくるし、ついつい種を買いすぎちゃったりもする。狭いベランダでは物足りなくなり、この間に1度引っ越して日当たりと通気性が悪くなってから野菜たちの生育もイマイチ悪くて不満だった。

さらに、持病の悪化で数年間活動的に動くことができなかったのだけれど、ちょうど元気を取り戻し体を動かせるようにもなった! 憧れの畑を借りちゃうぞー! と決めて契約したのが4年前で、今年も4回目の更新をやった。もう4年? という気もするし、まだ4年? という気もする。借りた時と変わらず今もほぼ毎週せっせと通ってワクワクしながら野菜を育てている。苦手な虫はいまだに苦手なままだけれど、「ヤダヤダヤダ」と全身に鳥肌を立てながらもビシバシ補殺しちゃってる(笑)。

借りる前は、私の住んでいる地域にも、区が運営している抽選で借りることができる区民農園があるので、そこに応募しようかとも思ったけれど、すぐに始められないことや、近所の畑はその年の募集がなかった上に抽選倍率が3倍以上と結構高く、待っても借りられる保証もない。やりたい時がタイミングだ! と民間の貸し農園を2区画借りることにした。

区民農園よりはもちろん高いけれど、借りられる期間が限定的じゃないことが1番嬉しい。4月から2年間という区民農園では、春をまたぐものは1回しか作ることができない。期間が終わるタイミングで収穫を終わらせて綺麗な状態で返さなければいけないという不便もあるし、前の人がどんな作物を育てて土がどんな状態か分からないので、手探りで育てながら慣れてきた頃に期間が終わってしまうのも寂しい。

長期で借りることができるなら、土を育てるというか、土づくりも自分でコツコツとやっていけるのがまた楽しい。基本のお手入れなどをサポートしてくれるような貸し農園もあるので、時間があまり取れない人にはそういう畑が向くかもしれないし、私は土づくりも育てるものも自分で好きにできる(もちろんルール内で)自由度の高さが気に入ってマイファームという貸し農園を借りている。

「野菜作るの上手だね」なぁんて時々言ってもらえるけれど、違うのだ。上手に育った野菜しか写真に残していないからとても上手に育てているように見えるだけだ(笑)。そしてよく言われがちな言葉は「買った方が安くない?」だ。

私は家庭菜園が趣味なのであって、節約のために家庭菜園をしているわけではない(笑)。カラオケが趣味の人に、「音楽はCD買った方が安くない?」とはならないのに、家庭菜園してると時々言われる。楽しいから好きでやっているだけなのだ。とにかく楽しい上に食べ物が付いてくるくらいのありがたい趣味の家庭菜園なんだけれど、結構いい運動になるし、同じ趣味の人が同じ場所に集まるというのがこれまたとても良い。

貸し農園なので、当たり前だけれど複数人が区画割で場所を借りている。年齢も性別も仕事も全然違うのだけれど、唯一で最強の共通点の趣味がある。「次は何植えますか?」とか「これどうやって食べてる?」とか「よかったらこの苗どうぞ」とか、べったり仲良いわけではないけれど、たまに会うと共通の話題でお喋りできるのもとても心地が良い空間だ。

ゴーヤやカボチャなんかは何十個も食べきれないので、誰かに1つ2つ分けてもらう気満々であまり育てないし(実際に今年も分けてもらった)、種買いすぎても「まぁ誰か育てるかもしれないし」とお裾分けしたりもする。濃厚で親密すぎる人間関係はちょっと苦手なので、あまり人を気にしたり詮索したりしない東京のこの環境は気楽で過ごしやすいのだけれど、それでも時々こうやってお裾分けしたり世間話(野菜の話ばかりだけど)することで、自分をリフレッシュさせてリセットできる。土に触れるということ自体も楽しいけれど、副産物的な楽しさもあるので貸し農園は結構おススメであーる。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。