ぷーこの家電日記

第315回

収集癖が消えものだとずっと集め続けられる! そして一石二鳥だった

 正月休みに散々飲み食いして、その後通常生活に戻った時、特段仕事に憂鬱になることもなく、すんなり日常生活を取り戻せたんだけれど、食欲だけが暴走したまま止まらなかった。ダイエットする! と言いながら秋からゆるりと3kgちょっと落としたのに、あっと言う間に2kg戻った。悲しすぎる。ほぼ振り出しじゃないですか。それでも食欲は収まらず、普段ならしない間食なんかもしちゃう始末。

 お弁当も今年に入って持っていかず、ランチは毎日外食でお腹いっぱい食べてた。そりゃ太るよね……。そして自分で選んで食べるものなんて、結局自分が好きなものばっかりな訳で偏りがち。さらに外食は味が濃いめの物も多く、1カ月もせずに食傷気味というか、段々飽きてやっとで落ち着いた。

 暴走特急停車よーし! ということで、1週間くらい弁当生活に戻ってみて、「やっぱり落ち着くねぇ」と満足。朝は1分でも寝ていたいグウタラ派なので、お弁当といっても作り置きの野菜たっぷりスープをスープジャーに入れて、冷凍しておいたおにぎりを温めて持っていく程度。

 いい感じの粗食が、無駄な食欲も抑えてくれてとても良い。寒い冬には温かいスープが染みて最高だ。そして何となくで支出を重ねちゃうランチ代に「勿体ないなぁ」と思っていたもんだから、残り物みたいなランチが「実質ランチ代ゼロ♪」みたいな気分で嬉しい。

 ある日、晩ご飯を食べながら「やっぱり毎日お弁当持って行こうって思ったよ。節約したいってよりも、メリハリをちゃんと付けたいのよ。メリハリのハリ部分を大きくしたい!」と言うと、危うく飲み物を噴き出しそうになる夫(笑)。「言いたいことは分かるよ!」と節約志向が欠如している私に爆笑してる。外食に限らず、その浮いたランチ代があれば、美味しい野菜や魚やお肉をお取り寄せできるじゃないですか。

 家庭菜園が趣味の私だけれど、この時期は大根がちょっと採れるくらいで、収穫は落ち着いている。そんな中ハマっているのが、直売所や直販サイトでの野菜や魚の購入だ。スーパーじゃ売っていないような品種のものもあれば、普通の野菜1つ取ってもべらぼうに美味しい。

 「やっぱりプロは凄いなー」と自分でも栽培してみて心底思うのだ。野菜ソムリエの資格を取ったタイミングでちょっと体系的に勉強を始めたもんだから、味だけじゃなくて姿形や、それに合う料理は何だろうと考えたりと楽しみが止まらない。葉物1つ買っても、根っこまで綺麗に洗浄されている様を見て「いい仕事されてますね」と野菜と農家様に敬礼! みたいになっちゃう(笑)。

 興味が薄い頃って、日常で食べる野菜に対しては高い安いとかの値段ファーストになりがちだし、拘っても国産って事くらいで、毎日食べるものに送料払ってまでは勿体ないかな。とかって思っちゃってた。それが興味が湧くと新しい世界が広がってどこまでも追求したくなる(笑)。

 何気に垂れ流していたランチ代で、毎日でも送料賄えるじゃん! なぁんて事に気付いてしまったのですよ。そして「これは日用品でもあるけど、ある意味趣味だ」と、自分の趣味にかける娯楽費である事にも気付いた(笑)。

 あれもこれも欲しくなる私が「私の収集癖が食べ物っていうか、消えもので良かったー! 延々と集め続けられる!」と言うと、夫は「確かに! レゴとかフィギュアとかの収集が趣味だったら、増えていく一方だもんね!」と、ちょっとホッとしている(笑)。

 「次は何買おうかなー♪」なぁんて言いながら、毎日夫婦で美味しい野菜を美味しく調理してしっかりと食べると言う食生活が送れているので、結果体にも良い。「家族の為にも体に良い食生活を心がける」などと言う、高尚な責任感と義務感には何度も挫折して全然できなかった面倒臭がりでズボラな私だけど、なぜかハマった趣味が健康的食生活に辿り着くという、一石二鳥でかつ、その打ち落とした鳥が青い鳥だったみたいな感じで、回り回って落ち着いたのがすごくラッキーだった。

 自他共に認める「オタク気質」な私は、さらにこの趣味を突き詰めていこうと、野菜ソムリエの1つ上の、野菜ソムリエプロを目指して来月から通学の予定だ。年々落ちてきた記憶力に苦戦しそうだけれど、今後の人生において、今の今が1番若いのだー! と思って、どこに向かっているかは分からないけれど、ガンガン突き進んで行く所存。趣味を持っている生活ってめっちゃ楽しいのねぇー。と、ここ数年で知った快感なのでありました。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。