ぷーこの家電日記

309回

なかなか良い1年だったかもと振り返りつつ、「今年買って良かったもの 2019」

 今年も残すところ半月……を切ってる! あっと言う間に2019年が終わってしまう! そういえば令和元年のお正月ってないのかぁなんて、よく分からない振り返りをしつつ、年末行事に向けて追われている日々だ。この時期は忙しいくても、クリスマスで街中がキラキラふわふわした感じが大好き。我が家の近所のスーパーにはしめ飾りと鏡餅が山積みにされていて、クリスマス感ゼロだけれど、それはそれで季節感あって大好き(笑)。

 毎年この時期は色々振り返って、「あー、今年も目標を立てないまま、なんとなく過ぎて、何もやってない」という、反省にもならない後悔しか残らない私。土日に夕方までゴロゴロ寝てしまって、「折角の休みなのに、何もせずに終わってしまったー。なんてダメ人間なんだろう」と凹む感覚に似ている。

 その毎週末の後悔の集大成として、12月の大後悔がやってきていたのだけれど、今年は不思議とその感覚がない。なんだかとても充実していたのだ。振り返ると大きな要因はおそらく2つ。

 ひとつめは去年の秋から借りた畑のおかげ。夏場だと昼間は暑過ぎて家庭菜園なんてやってられないので、週末はひとまず早起きして畑に行くことから始まる。そのためには「わーい! 週末だー!」と金曜日にはしゃいで飲み過ぎたり夜更かししてはいけない(笑)。

 そして土曜に朝早く起きるという習慣が付いたら、畑でひと汗かいて帰ってきて、シャワーを浴びて洗濯とかしてもまだ午前中だったりして、「こんなに時間がある!」と、かなり感動したのだ。

 普段から規則正しい生活をしている人には当たり前のことだろうけれど、とにかく私は感動した。仮に時間が2倍になったとして、細切れの数時間よりも、長くまとまった時間をとれることで体感的には3倍くらいに感じる。とにかく充実感が違う。もうひとつの要因は「何もやらないという予定を入れること」を実行したことだ。

 週末にやることをためていると、「やらなきゃ、やらなきゃ」って気持ちばかりが焦って、何も出来なくても罪悪感と焦燥感で疲労だけが半端ない。「やらなきゃいけないことがイッパイあるし」と、友人との約束とかもなかなか出来ずにいた。

 ある時「今日は遊ぶ日、明日は仕事の日」と最初から割り切る事にした。気持ちだけ焦っても疲れるだけと分かっていながら、なかなか切り替えられずにいたのだけれど、「やらない」を頑なに決めて粛々と実行してみると、何も恐ろしいことは起こらなかったし、気持ちもめっちゃ楽だし、特に何も困らなかった。

 最初は意識的に、慣れてくるとすんなり受け入れていけた、この「何もやらない予定」。それを決めておくだけで、お誘いも「どうしよう」なんて思わずに空いてたらOK、予定があったらNGとシンプルに考えられる。結局何もやらない訳じゃなくて予定を入れちゃうんだけど、非常に充実度が増した気がする。

 この歳になって、時間の使い方が少しずつ上手になって来たということかな。やりたいこともたくさんあるし、少しずつでも実行でき始めてるしということで、今年はなかなかいい1年だったなぁと、及第点をあげたい。

 そして恒例のというか、年末に振り返る「今年買って良かったもの」。私が買って良かったものの1番は「冷凍庫」だ。畑で野菜がたくさん採れすぎたら食べきれなーい! と、まさしく捕らぬ狸の皮算用な動機で買ったのだけれど、今年の夏の変な気候のせいで(本当は私の腕のせい)、困る程の収穫には至らず、結構ガランとした状態が続いた。

 でも、私の趣味というかストレス発散は、料理をする事でもある。大量の食材を黙々と捌いていって、全部料理した時の達成感と快感ったらない! そして、私は日々の料理が特別好きなわけでもないので、作りたくないときはトコトン作りたくない。いつかの自分といつかの自分の橋渡し役の冷凍庫の存在が、めっちゃくちゃ快適なのだ。

 冷凍庫を開けるとまるで本棚に綺麗に並ぶ本の様に、ジップ袋が並んでいる様にうっとりする。多分私は冷凍庫フェチだ。いやジップ袋フェチだ(笑)。買って良かったー! と本当に思う。

 そしてその延長でというか、新たな趣味を見つけてしまった気がする。前に友人家族が遊びに来てくれたとき、わいわいとご飯を食べてお喋りをした。すごく楽しかったんだけれど、帰った後に夕ご飯を作って子どもに食べさせるの大変だよなぁって思って、レンジで温めたらすぐ食べられるように、前日に肉まんを作って冷凍しておいたんだ。ご飯の余ったものと一緒に持って帰ってもらったら、自分が思ってたよりも100倍くらい喜んでくれて、「なんだこれ、むしろ私こそありがとう」みたいにめっちゃくちゃ嬉しかった。

 「おかずとか届いたら嬉しい?」と聞いたら、「めちゃくちゃ嬉しい! 子どものご飯に追われてて割としんどい」と言っていて、ちょこちょこと作り溜めをして、段ボールに詰めて1度送った。モグモグ食べてくれてる写真付きで連絡来たときの私の幸福感ったら、「あー、私の祖母もこんな感じで、子どもの私にイッパイ食べさせてくれてたんだろうなぁ」と完全に思い出モードと祖母モード(笑)。こんなに幸せになれる趣味があるだろうか!? と、気付いてしまった2019年。来年は「勝手に友人のお婆ちゃん」が趣味に加わりそうです。

 誰にも邪魔されず餃子を黙々と包みながら、「小さな子どもがいたら、こんなことも出来ないんだよなぁ……」と気づき、友人への敬意と愛をたっぷり込めながらお料理しつつ、私の「四次元ポケット」冷凍庫にほくそ笑みながらストックしているのであります。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。