ぷーこの家電日記

第289回

夫の愛情が私の祖母と重なって胸熱と胸焼けだった1週間

 学校も夏休みに入り、毎日お昼ご飯が大変だ! と悲鳴が聞こえてくる季節になりました。全国のお父様お母様お疲れ様です。と本当に頭が下がる。我が家は夫婦二人暮らしの共働きなので、特に何も代わり映えのない生活。

 長かった梅雨がやっとで明けそうだけれど、先週まで全然夏感覚はなかった。週明けに電車に乗ったとき、いつものギュウギュウ満員で結構空いてて「あ!」と夏休みに気付いたくらい。そんな夏な実感があまり沸かない中、夫が「休みが取れそうだから来週休む」と言ってきた。

 会社員の夫は、有給は毎年流れちゃうくらいに余ってるし、世の中働き方改革が推進されている今、休める時に休もうよと言う流れ。中々1人でゆっくりとかできないし、「良かったねー!ごゆっくり!」なぁんて言いながら「どっか行くの?」とかって聞いたら、「特に予定も立てずにゆっくりするよ。」と言っていた。私は完全夜型人間で、朝がとても弱い。夫は早起きの朝型なので「明日からおやすみだからゆっくりするだろうけど、朝は起こして!」と、休みだけれどそこだけは頼んでた(笑)。

 休み初日の朝、「朝だよー!起きてー!」と言われて、「うーん……。う、うん」とボケボケしながら起きると、入れたてのコーヒーとホットサンドがされてた。いつも通り早く起きて、お休みだから出社準備がいらない夫は出社準備の代わりに私の朝ごはん準備をしてくれてて、「天使?」な感じ。お陰で目もバッチリ覚めていつもよりもすっごいご機嫌な朝のスタート。

 仕事に行こうとすると「お弁当作っておいたよ」と、お弁当箱の袋に、スープジャー、アイスコーヒーが入った水筒が! これはもう出社なんてせずにピクニックに行くべきなんじゃないだろうか。逃亡したい気持ちがムクムク沸いて来たくらいにめっちゃテンションが上がる!

 こんなに幸せでいいんでしょうか? と、古典的にほっぺたつねってみたりとか(笑)。夢じゃないらしい。

 「じゃぁ、良い休日を!」と私はそのまま出社。夫も昼間は散歩に行ったり買い物したり、特に計画はないけれど、それなりに楽しくは過ごせているようだが、夕方に「ご飯作るから、帰る時連絡して」とLINEが入った。休暇中じゃない私の方が「休みって最高!」と夫の休みを喜んでいる(笑)。定時回ってすぐに「帰るよ!」と連絡してルンルンで帰宅。

 家に帰ったら、ほかほかご飯が並んでる! そしてそれだけじゃなくて、少し部屋が綺麗になっている!折角のお休みなのに、掃除洗濯ご飯の準備までしてくれて迎えてくれるとか最高過ぎる。仕事が忙しくて夜遅くしか帰ってこれなかった昭和の企業戦士の父も、帰って来たときにこんな気持ちだったのかなぁって、自分の両親のことまでぼんやり考えてしまったよ。

 翌日も翌々日も、3食据え膳上げ膳のもてなされ状態で、「あと1週間くらいお休み取れたらいいのにー」なぁんて言ってる私(笑)。元々私は家事全般が苦手だし嫌いだし、夫の方がよっぽど頑張ってくれてるのに、お休みとなるとその威力が益々爆発している感じ!

 そして何より感じたのは「人が作るご飯って美味い!!!」だ。とにかく美味しい。美味しいお店で食べるのとはまた全然違う種類の「美味しい」がそこにはある。お味噌汁1つとっても、ちょっと味噌が濃かったり、溢れそうな程波波に注いであったりするんだけれど、とにかく美味しいのです。

 この感動を表現する語彙力を持ち合わせていない自分に悔しくなるくらいとにかく旨い。感動を上手く表現できないので、我が家の猫に習って、ご飯の後はめっちゃ舌なめずりと入念な毛づくろいをしてアピールしてみた(笑)。誰かが自分に用意してくれる料理のこの感動はずっと忘れないようにしたい。

 そして、夫の休みの最終日。「今日でこんな天国も終わりかぁ……」と思うと同時に、いつもの1.5倍くらい食べてるんじゃないかと言う程ガッツリと3食食べているもんだから、胃もたれと胸焼けがしてきてた(笑)。

 前日の晩御飯は大葉を挟んだトンカツ作ってくれて、本人も「揚げ物初めてした!」と言いながら、上手すぎてびっくりしたし、翌日のお弁当にはカツ丼を持たせてくれて「お弁当でこのレベルのカツ丼食べられるとかすごすぎる!」と完食したけれど、夫の全力が私の40代の体に堪えてきたぞ(笑)。

 「今夜はお茶漬けくらいで……」な気分だったけれど、こんな生活も最終日だし、リクエストは無しで夫の手料理を楽しむことにして、最寄駅から1駅だけ歩いて帰ってみたら、山盛りの唐揚げが鎮座されておりました(笑)。

 爆笑しながら、「何だかさぁ、おばあちゃんちに行った時の気分! いくらお腹いっぱいって言っても、どんどん出てくるの。遠慮しないでって言うのよ。お腹いっぱいだっていくら言っても若いんだから遠慮しないでって。」と、亡くなった祖母を思い出してホロリとしつつも、夫と祖母が重なる事に何だか可笑しくて泣き笑いとなったのでありました。

 よーし、お礼に私もご馳走作って夫を感動させるぞー! と、2人で順調に幸せ太りの中年太りに拍車がかかりそうな我が家なのでありました(笑)。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。