調理の下処理

[調理の下処理71]「レンコン」下処理と、3種の食感を楽しむ切り方コツ

「レンコン」は、炒め物、煮物、揚げ物などさまざまな方法で調理され、いろいろな食感も楽しめる野菜ですね。今回は、「レンコン」の下処理方法と、切り方で変化する3つの食感についてご紹介します。「レンコン」は、今や1年中見掛ける野菜ですが、旬は秋から冬。下処理の基本をおさらいして、「レンコン」の特長を楽しんでみませんか。

 

レンコンの選び方

レンコンは、蓮の地下茎で、楕円形の茎が数珠つなぎになって土に埋まっています。産地では、茎がつながったままの1mほどあるレンコンを見掛けますが、スーパーでは、カットされて並んでいますね。カットレンコンは、切り口を見て選びます。穴の中が黒いもの、切り口が紫色のものは避けましょう。また、できるだけ重みのあるものを選びます。購入後は、乾燥しないように、ラップやビニール袋へ入れて冷蔵庫で保存しましょう。

 

レンコンの下処理:色を白く保つ方法

レンコンを切って放置すると、茶色~黒に変色してしまいます。変色する理由は、含まれるアクの成分が空気中の酸素と結びつくからです。レンコンの皮を剥いて切り分けたら、空気に触れないよう水に浸けましょう。このとき水でなく酢水に浸けると、酸の働きでより白さを保てます。酢の分量の目安は、水500mlに対して小さじ1です。また、熱湯で茹でると空気と触れても白さを保つことができるようになります。茹でると、変色するときに作用する酵素の働きが阻害されるからです。茹でるときに鉄製の調理器具を使うと、鉄と反応して変色しやすくなるため避けましょう。

 

レンコンの切り方1:薄切り

ここからは、切り方で変化する食感についてご紹介していきましょう。キンピラや酢の物は、シャキシャキとした食感に仕上げたいですね。歯応えを良くするには、レンコンを薄切りにして、火の通りを早くします。また、余分なデンプン質を取り除くと、さらに歯触りが良くなります。熱湯で約2~3分茹でたり、粘りを取り除く働きがある酢水に浸しても良いでしょう。

 

レンコンの切り方2:厚切り・乱切り

筑前煮や豚汁など、レンコンをホクホクした食感に仕上げるには、厚切りや乱切りにします。じっくりと加熱すると、レンコンのデンプン質に粘りが出て、ホクホクとした食感になりますよ。このとき下処理で酢水に浸してしまうと、粘りを取り除いてしまうため避けるようにしましょう。

 

切り方3:すりおろす

レンコンはすりおろすと、モチモチした食感に変わります。レンコンの皮を剥いてから酢水に浸け、おろし金ですりおろします。片栗粉を混ぜて円盤型にしてからフライパンで焼くと、レンコン餅の出来上がりです。分量の目安は、レンコン150gに対して片栗粉大さじ1。醤油とみりんを1:1で混ぜたタレを絡めると、みたらし風になりますよ。レンコンの特長を活かして、3つの食感を楽しんでみてくださいね。

 

 

じゅん(管理栄養士)

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。