調理の下処理

【調理の下処理8】ワタ付きの魚の「下処理法」と「塩焼き」のコツ

「ワタ付きの魚」が安く売っているけれど、下処理方法が分からないからと購入を避けていませんか?今回は、実は簡単な「魚の下処理方法」と「塩焼き」のコツをご紹介します。魚の下処理では、鮮度が落ちないようにできるだけ頭や尾ビレを持って取り扱うのがポイントです。ワタ付きの魚を避けていた方でも、コツをつかめば魚の下処理は簡単にできますよ。

 

ポイント1:ウロコ・ゼイゴ・エラ・内臓を取り出す

魚の表身(おもてみ、盛り付けたときに上になる側)は、頭を左、腹を手前に置いて上になる面です。魚の下処理をするときは、見た目をきれい保つために、表身へ傷をつけないよう大切に扱います。魚の下処理では、付いていると食べにくかったり、臭味があったり、火の通りが悪くなる部分を取り除きます。取り除く順番を見ていきましょう。

 

1.ウロコを尾から頭へ向かって包丁の背でこそげ取ります
2.アジの場合は、尾から伸びる固い部分のゼイゴを、尾の付け根側から包丁でそぎ取ります
3.背ビレを下に腹を上に向けて置いて、両方のエラブタを開き、包丁の先にエラを引っ掛けて取り出します
4.表身を下にして、胸ビレと腹ビレの間に切り目を入れて内臓を取り出します

 

ポイント2:水洗いしたあと、水気をよくふき取る

魚のワタなどを取り除いたら、腹の内側に付いている血合いを流水で洗い流しましょう。次に、キッチンペーパーで魚の表面と腹の内側の水気を拭き取ります。こうすることで塩焼きにしたとき、キレイに焼き上がります。魚の切り身を焼くときも、同様に水気を拭き取りましょう。

 

ポイント3:塩をまぶす

魚を焼く前に塩をまぶすのは、味付けをするだけでなく身の型崩れを防ぐためです。また、旨味を閉じ込める働きもします。魚全体に塩をまぶすには、塩を20~30cmの高さから振り掛けるのがポイントです。そして塩を振りかけたら、20~30分置いて焼きましょう。尾やヒレは焦げやすいので、塩を塗りつけておくかアルミホイルを巻くと焦げを防いできれいに仕上がります。

 

ポイント4:焼くときのコツ

家庭で魚を焼くときは、焼き網、魚焼きグリル、フライパンを使いますよね。どの調理器具を使うときも、基本は表身から焼いていきます。何度も触ると身が崩れるので、ひっくり返すのは1回だけです。表面が焦げすぎない程度に焼き色を付けます。焼き網を使う場合は、火と網の間隔が近いなら中火、遠いなら強火にして火加減を調整しながら焼きましょう。グリルを使うときは、魚を焼く5分くらい前から火を付けて温めておくと、焼き網に魚の身が付くのを防ぐことができますよ。

 

魚に切れ目を入れない「つぼ抜き」の方法

魚のワタを取り除く方法に「つぼ抜き」があります。つぼ抜きは、腹に包丁で切り目を入れずにワタを取り除く方法です。エラブタを広げ、エラを包丁で引っ張り出し、押さえながら身をスライドさせます。そうすると鮮度が高い魚の場合は、エラに内臓が付いて一緒に出てきます。内臓が残ってしまったときは、指を入れて取り除きましょう。そのほか、魚の口から箸を2本挿し込んでワタを挟み、回転させながら引っ張りあげる方法もあります。

 

 

じゅん(管理栄養士)

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。