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[ダウン症児と私47]やっと始まった縫合手術、止まない泣き声が辛い

手術前の丁寧な問診が終わり、怪我したユキトくんの舌の縫合手術が始まりました。今回は、縫合手術と終始聞こえてくるユキトくんの泣き声、その間のナナさんのお話です。もたもたしたつもりはなかったものの、タクシーの移動や手術前の入念な問診などで、結局舌を切ってから2時間後に手術が始まりました。ナナさんは1秒でも早く縫って欲しいと、2時間も願っています。

 

待ちに待った手術が開始

手術は、手術室ではなく診察室の診察台で始まりました。診察室に入るとユキトはものすごく泣き叫び、その叫び声は部屋中に鳴り響いていたので、私は胸が締め付けられ苦しくなってしまいました。先生にお願いして、すぐに部屋から出ようとしましたが、「パパとママはユキトくんの側で見守っていてください」と言われ、その場を離れられなくなってしまいました。

 

泣き叫ぶ声に絶えられず、診察室を途中で退場

いよいよ手術が始まってもユキトの叫び声は止みませんでした。どうしても耐えられなくなった私は、「問診票を記入してくるので失礼します」と言って、ユキトの泣き叫ぶ部屋から逃げ出してしまいました。手術前の問診では、ユキトが生まれてから今までの経過やアレルギーのことなどを3人の先生に詳しく話しましたが、さらに5~6ページもある問診票も書かなければならなかったのです。待合室で問診票を書いていても、ユキトの大きな叫び声が聞こえてきたので、またとても辛い気持ちになりました。

 

術は20~30分であっと言う間に終了

実際の手術は、縫合をしてくれた口腔外科の先生以外に、麻酔の先生、ユキトの様子や手術全体を見てくれた歯科の先生、歯科衛生士さん2人の合計5人で担当してくれました。ユキトはまず、脚から点滴でブドウ糖と抗生剤を入れてもらいました。そして、舌に部分麻酔の注射をしてもらい、手術が始まりました。抜糸は大変なので、溶けてなくなる糸で6針縫ってもらいました。

手術時間は20~30分くらいで、あっと言う間でした。手術が無事に終わってホッとしたのも束の間、ユキトは全身を固定されていたネットやバスタオルを外されると、自分の手で舌を触ろうとします。ユキトが暴れないように押さえながらベビーカーへ乗せて、ユキトが手で舌を触らないよう常に誰かがユキトの手を握ってないといけません。私とパパは、ユキトの手を握りながら、ベビーカーを押して隣の部屋へ移動しました。

 

先生から手術状況の説明を受け、次回の診察日が決まる

術後の説明の間も、ユキトは泣きながら舌を触ろうとするので、私はユキトの手を握り続けていました。先生からの指示は次のようなものでした。

 

  • 糸は1週間くらいで溶ける
  • 絶対に舌を触らないように、手を優しく握っておく
  • 本人や大人の手を清潔にしておく
  • しばらくの間は、まだ絶対に目を離さない
  • 本人に無理はさせない
  • 舌に麻酔が効いているので、今日は何も与えなくてよい
  • 明日から飲み物とゼリーやプリンなどをあげて、本人が食べられるようなら、柔らかい食事をあげてよい
  • 次の日から、お風呂も入れてよい

 

そして、次回は2週間後に見てもらうことになりました。

 

おじいちゃん、おばあちゃんに預け訓練施設へ説明に

手術中に診察室を出たとき、義父母に連絡を取ると、すぐに病院まで駆けつけてくれ、ずっと握っていたユキトの手を握るのを代わってくれました。先生たちのおかげで手術が無事に終わり、義父母が来てくれたことで、私はやっと気持ちが落ち着いてきました。おじいちゃん、おばあちゃんにユキトをお願いして自宅へ戻ってもらい、私は状況を説明するために、1度訓練施設に戻ることにしました。

 

 

ナナ

5歳のダウン症の息子「ユキト」と、3歳半の弟「マサト」のママの「ナナ」と申します。ダウン症の子どもを育てている様子や、母親の気持ちなどを率直にお話ししたいと思います。