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【ダウン症児と私35】書類を揃えて申請、オーダーメイドインソールを制作

1人で歩けなかったユキトくんは、療育施設で靴の中に入れる「オーダーメイドのインソール」を勧められました。今回は、インソールを実際に作ったときのお話を伺いました。前回は、インソール作成に補助が受けられるよう、身体障害者手帳の取得を申請しました。いよいよ、整形外科でインソールを作ります。

 

◇【ダウン症児と私34】4歳を迎え1人で歩けず、身障者手帳でインソール制作
https://kaden.watch.impress.co.jp/docs/column/lifestyle/1162715.html

 

身体障害者手帳を取得して、整形外科を予約

Q.身体障害者手帳を取得されたとき、ユキトくんの症状はどんな診断でしたか?

A.ダウン症による四肢体幹機能不全という診断でした。身体障害者には、症状の重い順に1級~7級までの等級があります。ユキトは、伝い歩きはできますが1人では歩けないのでという診断で、2級の手帳を交付してもらいました。

 

Q.インソールを作るには、どうすればいいのでしょう?

A.理学療法や作業療法で通っている療育訓練施設へ、定期的に回診に来ている整形外科の先生の予約を取りました。ユキトは3~4歩なら1人で歩けること、身体障害者手帳も取得したことを先生へ伝えると、「屋外用と室内用に1つずつ、合計2つインソールを作りましょう」と言って、区役所の福祉課へ提出する「補助具費支給制度」用の意見書を書いてくれました。次に、療育訓練施設の別の部屋で、インソールを作っている技士さんを紹介してもらいました。

 

一回り大きい靴を用意して、オーダーメイドでインソール作り

Q.インソールはオーダーメイドですね。靴はどうするのですか?

A.インソールを入れて使う靴は、事前に私が用意しました。ユキトは関節が柔らかいので、小さいときから足首を支えてくれるハイカットの靴をはいていました。今回も、アシックス「スクスク」の足首までサポートするハイカット靴を買いました。この靴は、理学療法の先生から教えてもらって小さい時から愛用したものです。今回はインソールを入れてはくので、今までよりも1cm大きいものを用意して、技士さんへ渡しました。

 

Q.足の型はどのように取るのですか?

A.白い紙へユキトの足を乗せ、技士さんが足を押さえて力を加えると、足の裏で押した部分へ色が着きました。次に、柔らかいスポンジにユキトの足を乗せて押さえ、ゆっくり力を加えると、力が加わった部分だけスポンジがつぶれてユキトの足形が立体的にできました。事前準備はここまでです。

 

出来上がったインソールを整形外科でチェック

Q.見積書などインソールに必要な書類を揃えたら「補装具費支給制度」の申請ですね。

A.はい。足型を取ってから数日で、技士さんからインソールの見積書が届きました。その見積書と、先日もらった整形外科の先生の意見書を区役所の福祉課に提出しました。2週間後に役所から、私の支払い額が書かれた書類が届きました。負担額は収入などの条件によって異なります。インソール1足の値段は4万円弱でしたが、今回私は9割の補助が受けられました。

 

Q.書類が揃ったので、いよいよインソールの制作ですね。

A.役所からの書類を技士さんのところへ持って行き、インソールを作ってもらいます。数日後、インソールが完成し、整形外科の先生にチェックしてもらいました。ユキトにインソールが入った靴を履かせると、立ちやすいようで、ニコニコしながら立つことができました。

 

ダウン症基礎知識35:障害者手帳の取得は自由

今回、ナナさんは、ユキトくんのインソールの作成費用を軽減するため、身体障害者手帳を取得しました。ダウン症は、療育手帳と同様に身体障害者手帳の対象でもあるので、手帳があると、さまざまなサービスが受けられます。ただし手帳の取得は、義務ではないので申請しなくてもかまわないのです。今回のナナさんとユキトくんのように、受けたいサービスがあるときに、申請するかどうかを決めるといいでしょう。

 

 

ナナ

5歳のダウン症の息子「ユキト」と、3歳半の弟「マサト」のママの「ナナ」と申します。ダウン症の子どもを育てている様子や、母親の気持ちなどを率直にお話ししたいと思います。