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元保育士のアイデア、子どもが「生活習慣」を身に付けたくなる絵本6選 

子どもの生活習慣がなかなか身に付かなかったり、やるのを嫌がって困った経験はありませんか?今回は、子どもが生活習慣に興味をもつきっかけになる絵本を6冊ご紹介します。子どもは、自分で体験する前に、絵本で疑似体験できると、自分も同じようにやってみたくなるものです。保育園でも人気の絵本を、小学生と高校生の子どもをもつ元保育士がご紹介します。

 

なかなか寝ない子に「ねないこだれだ」

「ねないこだれだ(福音館書店)」は、子どもが寝る前に読んであげたい絵本です。出てくるのはフクロウにミミズク、黒ネコ、ドラ猫、ネズミ、泥棒……。夜の9時「こんなじかんにおきてるのはだれだ?」。寝ない子は、最後おばけの世界に連れていかれてしまいます。せなけいこさんのかわいい挿絵で、おばけの怖さが和らぎますね。怖いもの見たさはどんな子どもにもあるものなので、大人が面白く読み聞かせてあげると「自分も夢の中でおばけに会うためにもう寝る!」と言って、自分から布団に入ってくれますよ。

 

お風呂が苦手な子に「わにわにのおふろ」

「わにわにのおふろ(福音館書店)」は、お風呂に入るのが苦手な子におすすめの絵本です。物語は、主人公のワニ「わにわに」が「きゅるりきゅるり」と蛇口をひねってお風呂へお湯を入れるところから始まります。ワニがお湯を出したり、湯船に浸かったり、おもちゃで遊ぶときの音が、「じゃばじゃば」「ぽくんぽくん」「ずるずりずるずり」「じょろろーん」「ぷーららら」と、何やら不思議な音で表現されているので、ワクワクしてしまいますよ。「お風呂のお湯を入れに行こう」と子どもを誘って、「きゅるりきゅるり」と言いながら蛇口をひねってあげると、楽しんでお風呂に行くようになりますね。

 

靴下をはくのを嫌がる子に「ルルちゃんのくつした」

「ルルちゃんのくつした(福音館書店)」は、靴下をはくのを嫌がる子におすすめの絵本です。主人公のルルちゃんの靴下が行方不明になってしまいます。いったいどこへ行ったのか、いくら探しても考えてみても分かりません。結局靴下は見付からず、靴下が「どこかで泣いているのかな?」とルルちゃんも悲しくなってしまいます。子どもは発達段階において、物に名前を付けたり、擬人化して共感する時期があります。「靴下も履いてあげないとどこかで悲しい思いをしているかもしれない」と思うようになれば、履きたくないと思っていた靴下にも興味をもってくれますよ。

 

食べものに興味をもたせる「くだもの」

「くだもの(福音館書店)」は、食育におすすめの絵本です。食べることにあまり興味がなかったり、好き嫌いの多い子もいますが、そんな子でも食べ物の絵本は大好き。リンゴは皮を剥いて、イチゴはそのまま、「さあどうぞ」の言葉と一緒に出てくると、リアルな果物の挿絵で思わず食べたくなってしまいます。子どもは真似が大好きなので、絵本のなかのセリフを真似て「さあどうぞ」と果物を食べさせるマネをすると、喜んで食べる仕草をしてくれますよ。そんな楽しいやり取りも手伝って、食べものに興味をもつきっかけが作れるはずですよ。発達年齢3歳以上の子には、本を読んだあと、果物が取れる季節を質問してみても楽しいですね。

 

思わず服が着替えたくなる「おててがでたよ」

「おててがでたよ(福音館書店)」は、着替えに興味をもたせるのにおすすめの絵本です。子どもが一生懸命になって服を着替える姿がかわいいですよ。「あれあれあれ なんにもみえない おててはどこかな」。大人にとっては服の着替えは何でもないことですが、子どもにとっては、手や頭を服のどこから出すのか、着替えは不思議でいっぱいなのですね。本を読んだあと着替えるときは、「おててはどこかな?」などと声掛けをすると、喜んで着替えるようになってくれますよ。

 

オムツ卒業に憧れる気持ちを育てる「ぷくちゃんのすてきなぱんつ」

「ぷくちゃんのすてきなぱんつ(アリス館)」は、トイレトレーニング中の子におすすめの絵本です。主人公のぷくちゃんが、おまるでおしっこができるまでを描いた絵本ですが、どんなに排泄に失敗しても、お母さんは「でも、だいじょうぶ。ほらね、おかわりぱんつ」と優しい笑顔で新しいパンツを用意してくれます。絵本を読み聞かせたあとに「どのパンツが好き?」と子どもに問いかけると、喜んで好きなパンツを選んでくれますよ。子どもはみんなぷくちゃんのように失敗をしながら1人で排泄できるになるものです。そんなときお母さんに「大丈夫」と言われたら、子どもも勇気をもって、またチャレンジできますね。

 

まとめ

保育園で絵本を見せると、子どもたちは手を止めて一斉に集まってきます。それくらい子どもたちは絵本が大好き。子どもにとっては、お風呂に入ったり、寝たり、着替えたりする毎日の生活は、まさに不思議でいっぱいです。生活習慣を「しつけの一環」として教え込むと厳しくなりがちで、厳しいと身に付くのにも時間が掛かってしまいます。絵本をきっかけにして、毎日の生活のなかで楽しみながら生活習慣を練習できれば、子どもの方から進んでやってくれるようになりますよ。

 

 

Izumi(保育士)

小中学生の2人の子どもを持つ保育士です。
たくさんのお子さんやご家族に出会った経験を生かし、子育てや生活が楽しくなるような記事を執筆できたらと思っています。
手芸やDIY、インテリアや雑貨も大好きです。