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1400人以上の女性に聞いた「扶養控除廃止」への意見と、今後の働き方

現在、政府で検討されている「配偶者控除の廃止」は、気になる話題ですね。そこで今回は、1,400人以上の女性へ、制度廃止への賛否や廃止後の働き方を聞いた、人材派遣サイトによる調査結果をご紹介します。結果を見ると、制度廃止への反対意見が多いものの、制度が廃止された場合は積極的に働きたいという回答も多く見られました。みなさんは、どう思われますか?

 

配偶者控除廃止、「反対」が56%

人材派遣の求人情報サイト「はたらこねっと」が、全国の女性ユーザー1,444人へ行なった「はたらこねっと ユーザーアンケート –扶養(配偶者)控除の廃止とその後の働き方について–」調査結果によると、扶養(配偶者)控除廃止の検討へ、56%が「反対」と回答。賛成意見を上回りました。

「反対」を選んだ人のコメントには、「事情を抱え、働きたくても働けない」「控除を廃止する前に女性の働きやすい社会にする制度を整えるべき」など、実情や制度への意見が見られました。一方「賛成」のコメントには、「女性ももっと社会で活躍すべき」という廃止目的に合致する意見や、「独身や共働きでたくさん働いている世帯が損をしている」など不公平感に関する意見が見られました。

 

「配偶者控除廃止の検討」に対する認知度80%

「扶養(配偶者)控除廃止が検討されていることを知っているか」を聞いたところ、「知っていた」が57%、「知っていたが内容までは知らなかった」が23%と、合わせて8割の人が「配偶者控除廃止の検討」を知っていると回答。関心が高いことが分かりました。

 

社会保険の加入義務の変更による「106万の壁」の認知度も73%

また2016年10月から、1部パートタイマーについて社会保険加入の義務年収が引き下げられました。このことについて、「社会保険加入が必要な『130万』の壁が『106万』に引き下がることを知っているか」と尋ねると、「知っていた(44%)」「知っていたが内容までは知らなかった(29%)」を合わせて73%になり、「配偶者控除廃止の検討」と同様に、関心が高いことが伺えました。

 

配偶者控除内で働く人の7割の収入が103万円未満

一方「扶養内で現在働いている、あるいは過去に働いたことがある」と回答した46%の人に、「どの年収帯で働いていますか」と聞くと、「103万円未満」が71%にのぼり、所得税を払わないで済むいわゆる「103万の壁」を意識していることが分かります。

 

配偶者控除が廃止になれば、もっと収入を増やしたいが6割以上

同じく、扶養控除内での就労経験がある人に「制度が廃止された場合、年収を今までと比べてどうしたいか」と尋ねると、「今までよりも多くするように働く」が63%と回答。多くの人が今まで以上に働きたいと回答しました。

 

年間130万円以上の収入を得たいという人も6割超

先ほどの質問へ「今まで以上に働きたい」と回答した人へ、「どの年収帯を考えているか」を聞くと、63%が「130万円以上」と回答。これまでは「103万円の壁」未満での就業経験が7割と圧倒的多数だったのに対し、廃止後は6割の人が、130万を超える働き方を選択したいと考えていることが分かりました。 

 

働き方の選択肢が増えるような政策、環境整備に期待

調査結果を見ると、政府による配偶者控除廃止の検討は、女性がより積極的に外で働く後押しになるだろうことが伺えます。一方で、「事情のある人には扶養(配偶者)控除を残した方がよいのではないか」という声や、「育児支援の充実」など女性が働きやすくなる制度を求めるコメントもあったそう。待機児童問題や女性労働者の採用支援など、これからも女性の働く環境が整備され、働き方の選択肢が増えて欲しいものですね。

 

【参考】「103万の壁」「130万の壁」、そして「106万の壁」とは?

■103万の壁

年収が103万円以内で、かつ、配偶者に扶養されていると、103万円の年収に対して所得税を支払わなくてよく、また扶養している側の所得からも38万円が控除され支払う所得税が少なくなるため、扶養されている人の所得上限を「103万の壁」と言うことがあります。

■130万の壁

これは扶養控除の話ではありませんが、社会保険は年収130万円以上で加入が必須となることから、年収130万円未満の場合になかった社会保険料の支出が生まれてしまうために、これを「130万の壁」と言うことがあります。

■106万の壁

これも社会保険の話で、以前の社会保険の加入は年収130万円以上が必須でしたが、ルール変更があり、1部の人たちは106万円以上から加入が必要になったため、新しく「106万の壁」と言われることがあります。

 

 

◇≪働く女性の実態調査≫扶養(配偶者)控除の廃止、「賛成」は44% 現在、扶養(配偶者)控除内で働く女性の63%が「廃止されたら今までよりも働く」と回答(ディップ)
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000220.000002302.html

 

◇みんなの声レポート「扶養(配偶者)控除廃止への賛成反対とその意見、その後の働き方について」
http://www.hatarako.net/contents/enquete/result/201610/

 

qufour(クフール)編集部

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