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【マロンの見た男女の差5】義母、義父、自宅、3箇所の世話でヘトヘトな私

新宿2丁目Bar「まろん☆ぐらっせ」のマロンが、今回も夜の世界で見聞きしたことと自己の経験をもとに、みなさんの相談に答えていくわ。今回は、誰もが通る可能性のある「介護問題」のお悩み。介護問題って、誰もが直面することなのに、どれが最善の方法か「答えがない問題」なのよね。今介護をしている方だけじゃなく、これから介護をするかもしれない方も、この相談をきっかけに、一度に考えてみるといいと思うの。他人事じゃ決してないわよ。

 

近所に住む義母が入院、義父母の世話、家の家事でヘトヘト

Q.夫の両親とは家も近く、これまで適度に仲良くやってきました。つい先々週、夫の母が脳梗塞で倒れてしまいました。夫の父は引退していますが、古い人なので看病や家事ができず、義母の見舞いや洗濯、義父の食事や身の回りの世話、それに我が家の家事など、いまは専業主婦の私が1人で全部やっています。

 

義母の回復見込みはまだ分かりません。この状況が長く続くと私がもたなそうなので、義父へ我が家へ住んでくれるように夫へ頼んでいますが、夫は私にやらせるだけで何も言ってくれません。それもあって、義父や義母の世話をするのが、イヤになってしまいそうです。どうしたらいいでしょうか。(栃木県・42歳・女性)

私、「介護を舐めてた」って思い知らされた経験があるの

昔、私が付き合ってた彼が、指定難病にかかって年単位で入院したことがあるの。完全介護の病院だったから、私がしなきゃいけないことは特になかったけど、彼の面倒をみる家族がいなかったのと付き合って間もないころだったから、「私が彼の面倒を見なくては」っていう勝手な使命感をもっちゃったのよね。

 

それで、毎日見舞いに行って、頼まれた食べ物を持って行き、洗濯物を面倒見て、病気で落ち込む彼を少しでも元気づけたくてお店の開店時間ギリギリまで病院にいたわ。病院のあとは、もちろんお店へ行って朝まで仕事。そんな日々を送っているうちに、寝不足と心労と体力の限界が来たのね。円形脱毛症が何個もできて、本当に驚いたわ。

 

そのとき思ったんだけど「たった数年でこのザマなんだから、何年も介護をやっている人は、この何十倍も大変で、過酷で、本当に凄まじいんだろうな」って。私、介護するってこと、舐めてたわ。もっと簡単に考えてたのね。

 

介護を引き受けたお客様のお話は、結構ヘビーよ

そして最近はお客様が、親の介護のために田舎へ帰らなきゃならないって話をよく聞くの。ご両親どちらかに介護が必要な場合、まずは配偶者がやるわけだけど、いなければお子さんやその配偶者がする形になるわよね。

 

そして子どもたちのなかで、「誰がいま介護できる状況か?」を探すと、「結婚してない、子どももいない、さらに今まで自由気まま」のように見える私たちGayなんかは、家族の中から選ばれやすいの。

 

確かに自由にやってきたし、家庭も子どもいないことを親不孝に感じて、うしろめたい気持ちもあるから、親の介護を頼まれたら断れなくて、1人で引き受けることになっちゃうのね。Gayをカミングアウトしてない人は、特にその傾向が強いわよ。

 

その人と後日連絡を取ったり噂を聞くと、1人で全部頑張ってヘトヘトなのに、家族の誰からも感謝もお礼もないし、本当に心身ボロボロよ。その結果、ある人は心の病に、ある人は介護疲れで倒れたわ。

 

そして、状況や人にもよるんでしょうけど、こういうヘトヘトの先に、介護疲れで親を手にかけてしまったり、介護者人本人が自殺っていう悲惨な結果がまっているのだろうなと感じずにはいられないかったわよ。

 

私が言いたいのは、早く良い対策を練らないとヤバいってこと

自分が家族を介護する立場になったら、「私がやらねば」って1人で頑張ってしまうじゃない。今回の奥様もそう。専業主婦だし、旦那様のお母さまやお父様なんだもの「私がやらねば」って。でもそれが一番いけないんだと思うの。

 

誰もほめてくれない、感謝もしてくれない、並大抵じゃない大変なことを1人でやっているのに、当たり前のように言われ、今回の場合、自分の両親ではなく旦那さんのご両親でしょ?なのに旦那さんは感謝してくれるどころか見て見ぬふり。

 

旦那さんは「俺の親の面倒を見るのは嫁の務め」と思っているのかもしれないけど、その意識、今の時代は普通じゃないから!意識低すぎるわ!本当に、近いうち、ちゃんと旦那さんと話し合って!!!

 

あなたが倒れてしまったり、心が病んでしまう前に、施設やヘルパーさんを利用したり、市や区の役所で相談したりしながら、同時に旦那様の意識も話し合って変えつつ、1番いい介護方法を、状態を整えてほしい。

 

このまま無理をしたら、今まで大事に守ってきたあなたの家族も壊れてしまうかもしれない。そうなったら旦那のご両親の面倒どころじゃなくなるわよ。とにかくもう一度、いろいろ調べたあとにでも旦那様と話し合ってみましょうよ。本当に1人で頑張ることだけはしないでね。

 

 

マロン

新宿2丁目Bar「まろん☆ぐらっせ」のオーナーママ。いろんな人と会い、ウンザリするほど人を見聞きしながら「まろん☆ぐらっせ」は20年、夜のお仕事に入ってからは30年近くになる。こんな自分の経験でも誰かのお役にたてればと思う今日この頃。座右の銘は「男は度胸、女は愛嬌、オカマは最強!」。