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【栄養士まなさん節約レシピ22】夏休みの子どもランチに「丼もの」5選

子どもたちは夏休みでも、お母さんは普段以上に1日中忙しい気分ではありませんか。今回は、子どもたちの夏のお昼や主婦のひとりランチに最適な「丼もの」5種類を紹介します。毎日暑い日が続いていて、夏バテも心配です。こんなときはできるだけコンロの前に立つ時間を短くして、可能な限り手早く、しっかり栄養のある食事を作りましょう。

 

栄養価の目安について

上の表は、厚生労働省による「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(※)を参考に、お子さん(6~7歳)とお母さん(30代女性)の推定エネルギー必要量を示したものです。身体活動レベルは、6~7歳のお子さんはふつう(II)、30代のお父さんお母さんは低い(I)とし、朝食:昼食:夕食の割合は3:3:4と設定しています。これにより昼食の目標栄養量は、お子さんが435~465kcal、お母さんが525kcalとなります。同時に最低限取りたいタンパク質は、お子さん10g、お母さん15gが目安です。今回紹介する丼では、すべてお子さんのごはんを120g、お母さんのごはんを150gとして計算しています。エネルギー量の差は50kcal、タンパク質の差は1gとなります。なお、りんご1/2個など果物を1品添えるとそれぞれ80kcalの加算になり、ビタミンも補給できるのでおすすめです。

 

※「日本人の食事摂取基準(2015年版)」(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000041733.html

 

豆腐とオクラと納豆と海苔の丼

冷凍のオクラを使う包丁要らずの丼ものレシピです。材料は1人前につき豆腐100g、納豆1パック、オクラ30g(3~4本)です。オクラはスライスタイプの冷凍食品を使い、ポットのお湯で解凍してザルにあげておきます。納豆は添付のタレごと使います。すべての具をごはんの上へ乗せ、お好みできざみ海苔、小ネギ、ワサビ、ダシ醤油などを添えていただきます。お母さんの丼の栄養価はエネルギー398kcal、タンパク質16gです。お子さんの丼の栄養価は348kcal、タンパク質15gです。

 

ナスとちくわの蒲焼き丼

冷蔵庫に残っているナスとちくわで簡単に作れる蒲焼き丼です。1人前の材料は、ナス大きめ1個(80g)、ちくわ1本(25g)。ナスの皮を剥いてラップにくるみ、2分レンジ加熱して縦に四等分します。ちくわは縦に半分にします。湯呑みに水50ccを入れて卵を割り入れ、卵黄に箸で穴を開けて、ラップして500Wで1分~1分10秒レンジ加熱して温泉卵を作ります。温泉卵の代わりに目玉焼きでもかまいません。

フライパンにゴマ油を引いてナスとちくわを両面こんがり焼き、市販の蒲焼のタレ、または醤油・砂糖・酒各小さじ1を混ぜたタレを絡めます。ごはんの上へナスとちくわを乗せ、中央に温泉卵を乗せます。好みで小ネギや青ジソなどを添えていただきます。お母さんの丼の栄養価はエネルギー437kcal、タンパク質15gです。お子さんの丼の栄養価は387kcal、タンパク質14gです。

 

九州風親子丼

関東の方が想像するいわゆる「親子丼」ではなく、やや甘めのすまし汁仕立てで、野菜がたっぷり入った九州風の親子丼です。1日の野菜の必要量の1/3弱が簡単に取れます。1人前の材料は鶏ムネ肉40g、キャベツ・玉ネギ各50g、タケノコ・ニンジン各20g、シイタケ10g、卵1個、ダシ汁1カップ、砂糖小さじ1、塩・薄口醤油各小さじ1/3です。調味したダシ汁で鶏肉をさっと煮て、アクを取ってから野菜を火の通りにくい順に加えて煮て出来上がりです。お母さんの丼の栄養価はエネルギー470kcal、タンパク質21gです。お子さんの丼の栄養価は420kcal、タンパク質20gです。

 

漬物タルタルソースのチキン南蛮丼

チキン南蛮は宮崎の郷土料理です。タルタルソースに漬物を使うことで手間を減らして丼仕立てにしました。前夜の唐揚げをリメイクするとさらに簡単に作れます。甘酢アン3人分は、薄口醤油大さじ2、酢・砂糖各大さじ1を合わせてひと煮立ちさせ、片栗粉小さじ1を水溶きして加えます。漬物タルタルソース3人分は、マヨネーズ大さじ3、練乳大さじ1、茹で卵1個、ラッキョウ3~4個、タクアン・しば漬け各10gを混ぜるだけです。キュウリを入れてもいいですね。

ごはんの上にさっと炒めたキャベツ50gと甘酢アンをからめた唐揚げ50gを乗せ、タルタルソースをかけていただきます。お母さんの丼の栄養価はエネルギー536kcal・タンパク質16gです。お子さんの丼の栄養価は486kcal、タンパク質15gです。

 

豚そぼろ納豆丼

以前「豚バラ納豆丼」をご紹介しましたが、豚バラ肉の代わりに豚ひき肉を使うと包丁が要らないのでさらに手軽です。ひき肉40gは油なしで炒めて、添付のタレで味付けした納豆1パックを混ぜ合わせて、ごはんに乗せます。小ネギは調理用ハサミで切るか、時間のあるときにまとめて刻んで冷凍しておいたものを使いましょう。お母さんの丼の栄養価はエネルギー418kcal、タンパク質18gです。お子さんの丼の栄養価は368kcal、タンパク質17gです。

 

夏場の野菜保存の注意点

夏場の野菜の保存方法に迷ったときは、スーパーでの陳列がどうなっていたかを思い出してください。ピーマン、ナス、トマトは基本的には冷蔵庫に入れる必要はありません。トマトを冷たくして食べたい場合は、食べる直前の一時間だけ冷蔵庫に移しておくとよいでしょう。またキュウリとオクラは低温障害を起こしやすく、逆にゴーヤは常温保存だと黄色く変色してしまいます。この3種類の夏野菜は、ラップで包んでから、チャック付き保存袋へ入れて野菜室で保存しましょう。

 

まとめ

暑くて食欲がないからと言って、食事が甘くて冷たいものや麺類に偏ると、ますます夏バテしてしまいます。摂取した糖分や炭水化物を分解するためにはビタミンB1が必要なので、ビタミンB1を多く含む豚肉や大豆製品をメニューに積極的に取り入れて、食事での疲労回復も心がけるようにしてください。

 

 

まなさん(管理栄養士)

初めて包丁を握ったのは小学4年生。料理好きが高じて管理栄養士に。
主婦歴30年、得意分野は「オカンのメシ」。
大食いダンナと偏食息子のために日々料理を作る。
おしゃれな盛り付けとは生まれてこのかた無縁なのが少し悲しい。